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好きになったのは年上で意地悪な人 (59) 

 2月の研修が終わると3月の研修に向けての打ち合わせをしていく。
 担当メンバー以外にも数人が有志として名乗りを上げてくれた。
  「スポーツがないのが寂しい」
  「ストレス発散にいいですよね」
 
 その言葉に応じていた。
  「安藤専務はどう?」
  「安藤専務って、なにかスポーツしてたっけ?」
  「野球」
  「いやいや、岡崎さん、空手でお願いします」
  「んー……、奇数月は皆でしょ。なら、その時間の担当を決めて、その人がする」
  「例えば?」
 
 そう聞かれ、考えていきながらリストアップしていく。
  「エアロビクスとかラジオ体操とか」
  「んー……」
  「何か物を作るとかはどうだろう」
  「どんな物ですか?」
  「それは担当になった人が決めて」
  「やっぱり?」
 
 こうやって皆と意見を交わしながら打ち合わせをするのっていいな。
  「ひとまず外枠を作ってからのほうがいいかもね」
  「峰岸さん、リーダーお願いしていいですか?」
  「え、私が?」
 
 急に振られた峰岸は驚いている。
 そりゃそうだろ、どこ吹く風のようなお客さん顔して座ってるのだから、指名されるのも無理はない。
  「だって、峰岸さん、その気がなさそうな表情をされてるから」
  「それに峰岸さんは常務秘書だからリーダーに決定ですね」
 
 皆が皆、同じ事を思っていたらしい。
  「先月は岡崎さんだったから今月は峰岸さん。来月は岡崎さん」
 
 思わず遮っていた。
  「いやいや、峰岸は4月で、今月は及川君ね」
  「えー、私ですかあ」
  「で、担当メンバーも決めて、皆でフォローする。リーダーは、そのまとめ役だよ」
  「あ、そういうことなら大丈夫です」
 
  「あ、それなら4月は峰岸さんで、5月は室田君、6月は安住君で、7月は徳山さん。8月は新野さんですね」
  「よし、リーダーは決まった」
 
 各月のリーダーが決まったお陰で、今度は3月の担当者決めだ。
 それはサクサクと決まった。
 
 山本君が手を上げる。
  「はい、今月も発表したいです」
  「山本君は担当者だからパスです」
  「えー」
 
 思わず聞いていた。
  「山本君はやる気満々だね」
  「はい。昨年の英国英語でハマりました」
  「そうなの?」
  「最初は渋ってましたけど、皆に自分を知ってもらう機会ですからね。それにサブの玖倭田君の育成をするのでなく二人一緒にやっていってるんです。玖倭田君から教えてもらうことがいっぱいあって刺激になっています」
  「育成もするんだよ」
  「岡崎さんから教えてもらったことをノートに書いているので、それを見ながらしています」
  「充実してそうだね」
  「もっと早くすればよかったなと反省しています。だから今月は”育成の仕方をこうしています”という内容で発表したかったのだけど無理かあ。残念……」
  「まだ機会はあるよ」
  「そうですね。そうします」
 
 山本君は笑顔で言ってくれるので、それが嬉しかった。
 俺が山本君を育成していた結果は、山本君の表情が物語っている。
 ありがとう山本君。
 
 
 
 

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