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好きになったのは年上で意地悪な人 (50) ソフトな描写?有ります

 毎日が充実していた。
 休みはないが、それでも土日祝祭日は夕方からバイトなので午前中はゆっくりしていた。
 
 会社では山岡君を捕まえようとしていたのだけど、あちらは副社長秘書なので会う機会がない。
 
 バイト先では翌週の28日から冬季休みになるので、26日に本採用の返事をもらった。
  「それじゃ、来年の3月末日までは土日祝祭日で。4月からは何曜日がいい?」
 
 新一さんが口を挟んでくる。
  「木曜はバイオリンの日だから、その日は休み」
  「ああ、そっか。じゃあ、週に何日したいですか?」
 
 その言葉に聞いていた。
  「時間は夕方からですか?」
  「希望はある?」
  「月木土日は道場があるので」
  「そっか。それじゃあ、月木を休みにして」
 
 再び新一さんが口を挟んでくる。
  「敦史も居ることだし、土日は交代制で休むというのはどうかな?」
  「敦史はバイクもあるから、4月からのシフトは敦史にも声を掛けてから決めるか」
  「とりあえず土日は交互に遅番だけでなく休みも取れるということで大丈夫かな?」
 
 俺は新一さんに聞いていた。
  「4月からですよね?」
  「そうだよ」
  「はい、分かりました。大丈夫です」
 
 店長から〆の言葉をもらう。
  「来年は1月6日からだから。よろしくね」
  「1月6日ですね。こちらこそ、よろしくお願いします」
 
 
 そして、その翌日は仕事納めの日だ。
 まさに帰ろうとしている山岡君を捕まえることができた。
  「山岡君」
 
 名前を呼ばれた山岡は振り向く。
 もしかして岡崎が自分を呼んだのかと思い立ち止まる。
  「どうかされましたか?」
  「実は、山岡君にお願いがあって」
  「どのようなことでしょうか? 私にできることでしょうか?」
 
 岡崎の目を見ると、何か嫌な予感がする。
 本音は言いたくなかったのだが、仕方ないとため息を付いて山岡は「実は……」と切り出した。
  「今月の31日付で退社するのです」
 
 その言葉を聞き驚いた岡崎は、秘書課長と副社長の表情と言葉を思い出していた。
  「あと3日、いえ、明日で、やめます。今までお世話になりました」
 
 岡崎も意を決したのか、口を開いた。
  「山岡君。実は、来年の3月末日で、私も退社するのです」
 
 その言葉に、山岡は驚きの声をあげていた。
  「えっ」
  「だから、必死で常務秘書の後釜を探して……」
 
 そこで気が付いた。
  「ああ、そうか。だから6人も育成させていたのか」
 
 
 遠くから利根川専務の声が聞こえてくる。
  「岡崎、今日、送迎……。あれ、いない」
 
 山岡は岡崎に咎めるような口ぶりで聞いてくる。
  「利根川専務の送迎をされているのですか?」
  「いえ、してません」
  「探されていますよ」
 
 
 自分を捜し回っている利根川専務の声が聞こえてくる。
  「あの専務はあ……」
 
 山岡は巻き込まれたくないと言う気持ちがあり、言っていた。
  「岡崎さん、お元気で。失礼致します」
  「明日、来るんですよね?」
  「はい。明日は仕事納めの日ですからね」
  「なら明日に、いや、今が良いか。お疲れ様でした」
  「ありがとうございます。岡崎さんも、残り3ヶ月頑張ってくださいね」
  「ありがとうございます」
 
 
 ふいに利根川専務の声が近くで聞こえてきた。
  「こんな所に居た。岡崎」
  「うわっ」
 
 捕まってしまった。
 大事な所を蹴り上げられ車に押し込められる。
  「何をする……」
  「いいから」
 
 そう言うと、利根川は自分で運転しだした。
 
 
 油断していた。
 利根川専務に捕まってしまったのは、山岡君が退社するって言って気が抜けたからだ。
 車が着いた先は利根川専務のマンション。
 まさか……と、一抹の不安がよぎる。
 
 専務は先に降りると、岡崎を抱きかかえマンションの中に入っていった。
  「やめろ。このホモ野郎。嫌だ――」
 
 



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