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好きになったのは年上で意地悪な人 (41) 

 8時半の集合だが、8時前に着くように行くと峰岸はすでに来ていた。
  「早いな。DVDを受け取りに行ってくれてありがとう」
  「岡崎。お前たるんどるぞ。何を考えている」
  「悪かった」
  「今回は皆に振っていて正解だったな。やっぱりお前に企画は無理だな」
 
 その言葉に何も言い返せない。
 しかも思い出したのが昨日だったから、なおさら言い返せないでいた。
 そんな俺を睨みながら峰岸は言ってくる。
  「こんなのがベテランで有能なヤリ手秘書だと? 言っておくが、No.1は私だ。お前は、それ以下だ」
 
 その言葉に心の中で返していた。
  (ああ、そうだよ。俺だって、そう思っているよ。No.1じゃないってな。あと4ヶ月だ。あと少しの辛抱だ)
 
 
 俺が有給休暇と早退を使った2週間で、秘書の雰囲気が変わっている。
 しかも、秘書課長だけでなく副社長も来ている。
 レジメを見ると変わってないが、このままだと空手指導もできるかどうか不安だ。
 俺に声を掛けてくるのは重森君と山本君の二人で、他は声を掛けてこない。
 
 
 最後になるかもしれない。
 それでも構わない。次の仕事は見つけたのだから。
 
 バチンッと頬を叩き、顔を洗う。
 優介。
 俺、頑張ってくる。
 たんこぶを作った大元の原因は、この空手指導だ。
 せめて、それだけは手抜きしたくない。
 師匠や新一さんにも協力してもらったし、宮田常務も協力してくれた。
 その思いを無駄にしたくないから。
 
 
 峰岸。
 言っておくが、皆に担当を振ったのは俺だ。
 お前みたいに何でもかんでも一人で完璧にできる奴はいない。
 皆が、少しでも自覚を持ってくれれば良い。
 そう思って担当を作ったんだ。
 
 
 秘書課長と副社長の話が終わりDVDも終え、昼食後には国際課の課長秘書と山本君の講座。
 山本君は、今回はフランス語だ。
 思わず、笑っていた。
 
 夕食後は、いよいよ夜の部が始まる。
 俺の番だ。
 
 皆は道着やジャージ姿に着替える。
 その皆に並んでもらい、対面するように前に出る。
 
  「岡崎です。2時間ですが、最初にラジオ体操と屈伸運動をして空手をします。よろしくお願い致します」
 
 
 


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そうだ、徹君。
自分のだけでも、頑張れ!

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