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好きになったのは年上で意地悪な人 (37) 

 常務は一口だけ飲むと、すぐに手を伸ばしてくる。
  「早速で悪いが、包帯を剥がすよ」
  「腫れは完全にひきました。あとはひび割れだけです」
  「ひび割れって……」
  「今日は1週間ぶりにお風呂につかったから、ひび割れはリアルですよ」
  「そんなにも……」
  「丁寧に剥がして張り直してくださいね」
  「ああ」
 
 包帯を巻き取り湿布だけになる。
 湿布を剥がすときは、やはり誰がやっても痛い。
  「いていていていていていていて……」
  「賑やかだねえ」
  「本当に痛いんですよ」
  「病院に行っても?」
  「凄く痛いです」
  「我慢できた?」
  「毎回、泣かされています」
  「なら、私も」
  「え、何をって」
 
 ビリビリッと一気に剥がされる。
  「うー……」
  「これは……」
  
  

 おでこにキスされる。
  「ちょ、ちょっと待って」
  「こんなになってたなんて、ごめん……」
  「残るはひび割れだから。うー……、でも痛かったあ」
  「悪かった」
  「謝らなくていいですよ。ただ、しゃがんだタイミングが遅かっただけで」
  「こんなになっているだなんて」
  「重森君と副社長は倒れちゃいましたけど」
  「ごめん」
  「謝らないでください。玄関先の入り戸口が低かったのが悪いので、常務ではありませんよ」
 
 湿布を貼り直し包帯を巻いてくれる。
 その時に言ってくる。
  「そういえば、寝るのは上だな」
  「どうして」
  「さっき荷物を押し込んでいたな」
  「そうか。寝るときはこっちに荷物を出さないと」
  「手伝ってやる」
  「それは悪いです」
  「放っておいたら、自分でするのか?」
  「んー……」
 
 宮田常務は笑っている。
  「そこは即答しようよ」
  「はい、します」
  「それじゃ、今夜は一緒に寝るか」
  「片付けますね」
  「3階で、だ」
  「え……」
  「私の部屋で抱きたい」
  「常務……」
 
 思わず聞いていた。
  「腰抱きですか?」
  「横抱きだな」
  「それって、お姫様抱っこ……」
  「そうとも言う」
  「普通に歩きたいです」
 
 ま、それがあるから仕方ないねと言って、宮田常務は素直に手を引いてくれた。
 そうだよ。もう二度と痛い目を見る気はないからね。
 
 


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