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好きになったのは年上で意地悪な人 (36) 

 ピンポンピンポンピンポン……。
 
 煩く鳴り響く呼び鈴に腹が立つ。
  「あー、煩いっ」
 
 ドアを開けると宮田常務が立っていた。
  「今日は居た。よかった」
  「え……、み、宮田常務」
 
 ぎゅっと抱きしめられる。
  「いい香りだな。風呂入っていたのか」
 
 やばいよ、この人のが押しつけてきてるよ。
  「着替えてきます」
  「このままでいい」
 
 そう言い、玄関先で抱きしめられキスされる。
 うっとりとしてとろんとなっているだろうなと自分でも分かる。
 耳元で囁かれる。
  「徹の部屋に入りたい」
  「どうぞ」
 
 振り返り台所を通り過ぎようとしたら何かを蹴ってしまった。
 痛いなと思い、そちらに目をやる。そこには家から持って帰らされた家具とか色々な物が無造作に散らばっていた。
  「げ……。え、と。しばらくお待ちください」
 
 常務の、のほほんとした声が掛かる。
  「掃除中か」
  「親が、持って行けと言って荷台にくくりつけて」
 
 そう、今日も親父が来たんだよ。
 あれほど片付けてやろうと言われたのに断ったからなあ。
 一緒に片付ければよかった。
 なんて、後の祭りだな。
  「親って、実家に居たのか」
  「はい。昨日、戻ってきました」
  「だから居なかったのか」
  「本当なら日帰りの予定だったんですけど、俺のおでこを見た姉が倒れたので代わりに家事とか色々としていました」
 
 パパパッと簡単に片付け、隣の寝室に押し込む。
  「誰かを招き入れるってないから……。どうぞ、お茶を持ってきますね」
  「別に」
  「一人分しかないから、もう一人分持って帰ってきたんです」
 
 買って帰ったお茶のペットボトルとグラス2つをお盆にのせて持ってくる。
  「どうぞ」
  「ありがとう」
 
 


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