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好きになったのは年上で意地悪な人 (29) ソフトな性描写あります。

身体が揺れる。
なんだろうと思ったら地面が見える。
 「え、なんで……」
 「起きたか。なら自分で帰れるよな」

この声は……、もしかして、俺は宮田常務に担がれているのか。
うへぇ、相手は常務だよ。
しかも一度ならず二度までも。
すると急に目の前に顔が現れ、思わず見つめてしまった。
 「何も返事がなかったが。起きて目も空いてるな」
そう言うと、苦笑顔になった。
 「……でもなさそうだな。おい、ちゃんと起きてるか?」
 
なんて言えばいいのか黙っていたら、トーンの低い声が聞こえてくる。
 「徹。そんなに見つめられると照れるんだけどな」
 「たい……」
 「なに?」
 「この身体に触れたい」
 「触れてるだろう。それともエッチしたいということか?」
 
その言葉に真っ赤になってしまったのが自分でも分かる。
 「徹を抱くときは、いつも道着だな。まあ脱がしやすいからいいけど」
 「あ、脱ぎます。着替えますっ」
 
その時に不安定な抱かれ方をされているのに気がついた。
 「あの」
 「徹の部屋と、私の部屋。どっちにする?」
 「あ……の、部屋」
 「どっち?」
 「あ、あつ、しさんの部屋」
 「なら、このままの格好でもいい」
 「ちょ、ちょっと待って。怖い……」
 「どうした?」
 「この抱かれ方。怖いんですけど」
 「そうか?」
 「揺れる……」
 「まあ、腰を抱いているだけだからな」
 
そのままの格好で一段、二段と階段を上っていく。
 「ゆ、揺れる……、怖い」
 「こら、そんなに引っ付くな」
 「だって怖い」
 
そう言うと痛みがくる。
 「い……」
 「道着のままだということを忘れるなよ」
 「忘れていません」
 「言っておくが、私の目の前には、お前の胸が見え隠れしているんだ」
 「エッチ……」
 
 
敦さんは自分の部屋のドアを開け入ろうとしている。
腰を抱かれたまま首に腕を回し頭を下げる。が、遅かったようだ。
ゴンッと音がする。
 「ってぇー……」
 「なんだ、今の音は」
 「でこ、いったーい」
     
わははっと笑ってくれるが、痛いものは痛いんです。
だから言ってやる。
 「笑い事じゃないです」
 「悪い悪い」
 
本当に、悪いと思っているのだろうか。
未だに笑いが止まっていない。
しかも、こんなことを言ってくれる。
 「痛いの痛いの、飛んでいけ-」
 「まるで子どもにしている感じを受ける……」
 「徹は何歳だ?」
 「45です」
 「なら、私の長男より年上か。子どもみたいなものだな」
 
その言葉を聞き、思わず聞いていた。
 「俺を抱くということは、自分の子どもを抱くような感じですか?」
 「え……」
 「何でもないです。バカなことを言ってしまいました。おやすみなさい」
 「エッチするんじゃなかったのか」
 「頭が痛くて失せました」
 「凄い音がしてたからなあ。大丈夫か?」
 「今日は早めに寝ます。おやすみなさい」
 「おやすみ」
 
自分の部屋に戻るとバカなことを言ってしまった自分に腹が立った。
頭も痛いし、もうエッチなことも言わない。
そう思うと早々と布団に潜った。

        



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おやおや、結局はエッチならずだったのね

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