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好きになったのは年上で意地悪な人 (26) 

 ドアの向こうから言い合いしてるのか、そんな感じの声が聞こえてきた。
  「だから、私は体育系じゃないって言ってるだろ」
  「だから、うってつけなんだよ」
  「おい、悟」
  
 ドアを開けた師匠は声を掛けてくる。
  「もう一人連れて来たぞ」
  
 そう言いながら、師匠は宮田常務を連れて入って来た。
 思わず声が出ていた。
  「げ……、怪我させたら俺の責任になる」
  「怪我したら、そいつの運動神経が鈍いという事だ。気にする事ではない」
  
 いや、はっきりキッパリと言ってくれるが、どうしたらいいんだ。
 頭を抱え込んでいた。
 そんな俺に新一さんは一言だった。
  「第一、ここに来て無傷でいようと思う奴は居ない」
  
 たしかに、そうだけど……。
 今度は優介の声だ。
  「強制的に連れて来られても、興味あるから自分の足で来たのでしょ」
  
 たしかに、それもそうだな。
  
 それに、宮田常務の様子を見てたら靴下を脱いで裸足になろうとしている。
 なるほど、興味はあるみたいだな。
 よし、やりますか。
 ま、怪我したら師匠が治療してくれるからな。
  
  
 襟を正して皆の前に立つ。
  「それでは始めます。えーとぉ、全員来て36人だから18人ずつ並ばすという手があるから」
  「そうだな。あそこは広いから余裕に並ぶだろう。優介と宮田、新一は私と並んで。はい、岡崎師匠、よろしく」
  
 師匠が仕切ってくれるので安心していたら、いきなり振られた。
  「え、えっとぉ、それでは……」
  
 そこで気が付いた。
  「あ、先にラジオ体操をします」
  
  
 ぶはははっと笑われてしまった。
  「アップは必要だ」と頷いてる新一さんの声に、
  「たしかに」と応じたのは師匠。
  「気が抜けた……」と呆れ顔の宮田常務。
  「緊張は緩みましたかー」と優介の声。
  
  
 優介が居てくれて良かったよ。
 先程の大人びた声でなく、普段の声で言われたので安心したのは言うまでもない。
  
  
  

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