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好きになったのは年上で意地悪な人 (9) 

 優介から聞いたのか、師匠が声を掛けてくる。
  「無理しなくていいぞ。今迄の奴等はここで寝て昼頃に帰るコースだから」
  「でも」
  「気にしなくていい」
  「すぐ目の前なのに……」
  「ま、せめて後30分は横になる事を勧めるね」
  「どうして」
  「でないと、飲み食いした物を吐くぞ」
  「それは嫌だ」
  「だろ。だから、そのまま横になってろ」
  
 その言葉に素直に横になる。
 そっか、六段に合格して師匠になると皆と同じ目に遭って寝て帰るコースなんだね。
 ここの連中はあ……。
  
 なんて思ってたら優介が戻ってきたみたいだ。
  「悟さん、徹の荷物持って来たのだけど」
  「優介、布団に寝かすの手伝って」
  「はい」
  
  
 どうやったのか分からないが、俺は布団に潜らされていた。
 そういえば医学部卒業だっけ。
 体の動きを押さえるツボが3ヵ所だっけ、そこを押さえると人間の動きが止まるよな。
 なんて、大学で習った事を思い出していた。
  「30分、いや終わるまで横になった方がいいな」
  「今、何時ですか?」
  「後4分で20時になる」
  「今日は、もう駄目……」
  「お疲れさん。優介、時間を見計らって何回か様子見しててくれるか?」
  「はい、分かりました」
  
 師匠が出て行くと、優介は脅してくれる。
  「いい?  勝手に動いたら明日から動けなくなるからね」
  「またまた」
  「俺が鞭を振るうから」
  「うへぇ、それだけは勘弁」
  「なら、おとなしく寝ててね」
  
 高校生だったころ、優介は鞭を振るっていたので、その痛みが今になってぶり返してきそうだ。
 だから、おとなしく目を瞑った。
  
  
  

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なるほど、この物語では高校時代の優介の様子が見え隠れするのね(笑)
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