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平成最後の花見 (8) 

悟は知り得た情報をオーストラリアに居る連中に送ってやる。
それを受け取った豊は驚いている。
 「はあ? 今、あっちに行っているのか。それじゃ、あの部屋に居るのは替え玉か」

真っ先に行ったのは、隣の警備警護会社だ。
 「マサ居るか?」
 「なんだよ。息せき切って」
 「ボスの居所なんだけど」
 「ああ、平成最後の花見に招待されたからって日本に帰国したけど」
 「お……、まえは、知ってたのか」
 「そうだけど」
 「それなら替え玉のことも知ってるのか?」
 「替え玉でなくてマネキンだよ」
 「はあ?」
 「ユタカだけには言ってないと、言ってた」
 「私にだけ……」
 「で、スズメもサトルも居ない現在、私が一番近くに居る存在なんだ。ここまで言えば分かるよな?」
 「なるほどね。それじゃ、他の皆は知ってるってわけか」
 「そういうこと。で、用件はそれだけか?」

ため息を付いたユタカは一瞬迷ったが、言うことにした。
サトルからクマ野郎の撃退対策が送られてきたと。
その言葉にマサは乗ってきた。
 「どうやって知り得たんだ」
 「なにやら、昔の族仲間が教えてくれたって」
 「皆に招集掛けろ。で、対策を練るぞ」
 「分かった」

しかし、指示を受ける代わりに、こう言ってやる。
 「指示を出し慣れていないみたいだな」
 「忘れたか?」
 「何を?」
 「インターポールに在籍していたから、こんな生温いのは慣れてないんだ」
 「そうでした。失礼」


皆に招集を掛けると、なぜか日本からも三人がログインしてくる。
 「サトルからのメールによると、クマ野郎は20人じゃないとやっつけられない?」
 「20人は必要だということだ」
 「それは、どこ情報?」
 「クマ野郎が属していたのは、昌平が族長していた暴走族だ」

皆は考え込んでいる。
 「昌平さんが族長……」

サトルは説明してやる。
 「”ショウ”って言う名の暴走族。ボスは昌平だけど、サブボスにはクマ野郎を含めた三人。その情報をくれたのは、同じサブボスをしていた人だ。なにやら昔よりすばしっこく強くなっているらしい。そして、新情報だ」

だけど、タカが遮ってくれる。
 「この馬との駆けっこなら、皆が知ってることだ」
 「そうなの?」
 「クマ野郎だけ、息せき切ることもなく最後まで立っている」
 「もしかして、皆も馬と駆けっこしてるのか」
 「そうそう。で、新情報とは?」

振られたサトルは付け加えた。
 「三人のサブボスの特徴だ。一人は日和見サブ、この情報を教えてくれた人はナイフ使いのサブ。で、クマ野郎は指使いのドクターサブ。なぜ指使いなのかは、医学生だったのもあり、当時は女を取っ替え引っ替えしていたからだそうだ。ここまで言えば、あいつの性癖分かるよな」

その言葉にマサは疑問が沸く。
 「ならどうしてボスに?」
 「分からないが、ボスは男だけど、男臭くないからかなあ」

ユタカは腑に落ちないでいた。
 「ちょい待て。いくら検索しても引っかからないのは」
 「当然だろう。この私が組み込んだ独自のプログラムなんだから」
 「それかよ」
 「他にあるか」





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