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春休みは恋人とニューヨーク旅行 最終話は、クールに。

片瀬副学長が声を掛けてくる。
 「で、肝心なことはどうだったの?」
 「肝心なこと?」

問いに質問で返してしまった俺に雅副学長が答えてくれる。
 「治の英語力」
 「あー……、んー……、深く考え込まなくなったかも、しれないです」

片瀬副学長は笑いながら言ってくる。
 「英語って単語だけでも会話は成り立つからねえ」
 「それは、そうですが……」

英語も教えている俺に対しての言葉かよと思っていたら、雅副学長はこんなことを言ってきた。
 「簡単な言葉で返すのも有りだよね」
 「相手の言った意味が分かれば有りです」
 「治は分かってる?」

ジムのユウゴとの話し合いを思い出し言葉を返す。
 「相手がゆっくりと単語を区切って言ってくれれば分かるときがあります」
 「なら治の英語力はFか」
 「Eか、もしくはDでしょうね」
 「中学や高校はどうだったのだろう」
 「中学のときは文法を主に教え込みました。単語に関しては書いて覚えるしかできないので、何度も何度も書いて覚えるようにと言いました」

片瀬副学長は言ってくる。
 「英語力はDNAを受け継いでるのか?」
 「俺は、そこまで悪くなかった」
 「なら母親か?」
 「千鶴は刑事だぞ。四大卒だし」
 「なら、これから開花するのかな」

その言葉に安心した。
 「そうですね。人によって違いますから」
 「世話と手間をかけさせるね」
 「いえ。そのようなことは思っていません」
 「ありがとう。俊平君が居てくれて助かってるよ」
 「ありがとうございます。たまに言い合いもしますけどね」
 「まあ、ニューヨークのほうはなんとかするから。連絡ありがとう」

時計を見たのか、片瀬副学長は口を挟んできた。
 「俊平先生、あと30分で職員会議始まるけど、休まなくても大丈夫?」
 「大丈夫です」
 「大変だね」
 「こちらで休ませてもらいましたので」
 「それもそうか」
 「ありがとうございます。長時間もお邪魔致しました。それでは失礼します」


副学長室から一歩でると、俊平は心の中で言っていた。
(拓海。今度こそ、さようなら)と。












 完


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読んでいただきありがとうございます。
はたして、治に少しでも英語力はついたのでしょうか?

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