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春休みは恋人とニューヨーク旅行 (9) 

水泳が終わると30分の休憩になる。俊平もそうだが、俺も疲れていた。
なぜかユウゴも。
清水さんは、なにか紙の束を手にしている。
 「うー……、アサミィ-」
 「ま、40点かな」
 「40ね。へいへい」
 「ボスから水泳のレベルアップを図ってくれって言われて来たのだけど」
 「嘘だろ。何も聞いてない」
 「当たり前だろ。何も言わずに来たのだから」
 「抜き打ちかよ。ひでぇなー」
 「4ヶ月居るから、その間に本店並みにレベルアップしようね」
 「4ヶ月も居るのか。ってか、本店並みって何点?」
 「90点超えてるよ。せめて80点は欲しいね」
 「うへぇ……」

クスクスと笑いながら言ってくる。
 「手取り足取り指導してあげよう」
 「4ヶ月も居なくて平気なのか?」
 「うん。新人が入ってくるからね」
 「オリンピック効果?」
 「少しはあるだろうね。今はボスも背泳ぎの指導してるし」
 「あの人、泳げたっけ?バタフライだけじゃなかったのか」
 「カナダで残り3種目頑張ってモノにしたよ」
 「なぜにカナダ?」
 「だから、ニューヨークもレベルアップさせたいんだ」
 「あいつが泳げるようになったから、ここもレベルアップさせたいってことか」
 「そうそう。それじゃ、ユウゴ。今日やったテストの結果はアドバイス付きにして、数日後に渡すからね。それと夕食は四つ星でよろしく」
 「へいへい、四つ星ね。うん……、テストの結果って!その束に書いてるのなら、今、俺に渡せよ!」
 
ひらひらと手を振って、アサミはエレベーターホールへと向かっていった。


ユウゴは焦っていた。
 「今、日本は何時だ。いや、何時でも構わん。あの野郎、たたき起こしてやる」
何度も何度もコールを鳴らすが、相手は出てこない。
くそぉ、今は何時だ。頭の中で日本時間をはじき出す。
 「あ、そうか。この時間は仕事だ。本店にすればいいのか」


電話すると、相手は2コールででた。
 「ありが」
 「ボスに代わって」
 「失礼ですが」
 「ニューヨークのユウゴだと言えば分かる」
 「お待ちください」

少し待つと、ボスに代わったみたいだ。
 『なんだ?』
 「それは、こっちの台詞だ。俺、言ったよな。それなのに、あいつを4ヶ月も一人で来させるだなんて。このニューヨークにっ」
 『3年間いた所だぞ』
 「んな20年も前のニューヨークと違って、今はゴロつき連中多いんだよ」
 『お前やマモルがいるから安心してるんだけど』

それを聞いてユウゴは戦意喪失してしまった。
 「こっちの水泳レベルをアップさせるとか言ってたけど」
 『水泳の専門コーチいないから二人でいいから育てると息巻いてたぞ』
 「そのうちの一人になりそうなんだよ」
 『はは。ま、頑張れ』
 「えー……」
 『育たなかったら3年間で育てるとも言ってた』
 「3年も?」
 『お前にとって好都合だろ』
 「その前に、語学力をなんとかして欲しいんだけど」
 『喋れてないか?』
 「日常会話は大丈夫だけど、ビジネスのほうは寂れたまんまだ」
 『20年も喋ってないからなあ。時間だから切るぞ』
 「へいへい」




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アサミは、どんなテストをしたのかしらね

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