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2019年度年始特別SS (5)  R15!性描写あります。

帰ってきた俊平は遺影を見つめている。
似てない、だから大丈夫だ。
そう思うと治に言っていた。
 「治。これ、いい加減に片付けろ」
 「なんで」
思わず言っていた。
 「俺と父親、どっちを選ぶんだ?」
 「死んだ人と比べても」

見上げると、俊平の顔は強ばっている。
 「でも、どっちかを選べと言われたら、俊平を選ぶ」

俊平の堅く強ばっていた表情が緩む。
 「俺は、お前しか居ないんだ」
 「泣かないで」
 「お前には親が居るが、俺には」
 「あのさ、お母ちゃんには言ってるんだ」
 「なんて?」
 「大学に入るとき、『俺は俊平が好きだから、俊平のそばに居たいんだ。結婚なんてしたくないし、親不孝者でごめん』って」
 「治……」

俊平は泣き出したので抱きしめてやると、震えてる。
 「俊平、泣かないで。あ、いや泣いて良いよ」
 「どっちだ?」

ぎゅっと抱きしめられた。
 「俺の胸の中で抱かれて泣きなさい」
 「治」
 「俺、いっつも俊平に守られていたからね。だから少しでも守りたいんだ」
泣いても良いんだよ。泣けよー。
そう言ってる治の背に腕を回す。
 「人間、素直が一番だよな」
 「たまには、お前に甘えてやるか」
 「ドンッときなさい」

ドンッと押し倒してやる。
 「ってぇー……」
 「ドンっときなさいって言ったの、誰だ?」

頭をしこたま打ったのは分かっている。
凄い音がしたから痛かったのだろう。
その自分の後頭部を摩りながら治はぶつぶつ言ってる。
 「そうだけど……」
 「今年もいっぱい泣かせてやるからな」
 「うへぇ、鬼の俊平、ご光臨かよ」

治は言っていた。
 「あと1年経ったら……」
 「経ったら?」
 「もう、先生と生徒でなくなる」
 「留年しなければな」
 「留年する気ないから」
 「うん」
 「卒業したら、俺は恋人という関係からステップアップしたい」
 
その言葉に俊平は目を見張るが、次の瞬間、微笑んでいた。
 「治」

その声は今までになく優しい。
俺は俊平の首に腕を回していく。
 「俊平」

二人の声は重なっていた。
 「好きだよ」

次の瞬間、二人の唇は重なっていた。





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床ドン!と、最後の一行が性描写表現です(^_^;)

次話は年始特別SSの最終話です。
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