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甥っ子コンプレックス (30) 

 側付20人に働いて貰い、穴という穴を見つけてガスを注入していく。注入が終わるとオイルを撒き散らし最後に火を付ける。広大な区域は三昼夜掛かって燃え尽きた。地面は無くなり、獣の燃えた残骸があった。
 最後の火が燻り消えると、南の守りの3兄弟は口を開いた。
 「お疲れ様」
 「これで、やっと安心して寝れるな」
 「脅かされる事も無い」

 その3人に聞いてみた。
 「ここをどうしたら良いと思う?」
 「んー…、そうだなあ。セメントを流して公園にするとか」

 その時、ヘル・グスタフォーの声が飛び込んできた。
 「マルク様、ヘリポートにされてはいかがでしょう?」
 「ヘリポート?」
 「はい。世界に散り散りになっている者たちが来易い様に、空港でなく、ここにヘリやジェットを置いて貰うのです」
 「そうだなあ…、それには管制塔が必要だな」と、リューゾーの声が、
 「技師も必要ですね」と、ワダの声が応じていた。

 するとエドが口を挟んできた。
 「楽器を演奏出来たら良いな」

 その言葉に答えたのはヒロだった。
 「そうだね、一緒に演奏したいよね」

 何やら2人で音楽の話をしだした。
 「エドー。一緒に演奏しようよ」
 「おお♪それじゃ、私のバスとデュエットしようか」
 「うん。エドのバスって、凄く安心できるよね。まるで、大地みたいだ」
 「そうか?」
 「うん。大地が無いと人間って歩けないでしょ」
 「ありがとう。それじゃ、ヒロのバイオリンは人間ではなくて、空だな」

 その言葉に対してヒロは嬉しそうに返していた。
 「それなら、他の楽器が人間であり、動物だね」
 「そうだな」
 「エド…」
 「なに?」
 「いつになるか分からないけど、その時は一緒に演ろうよ。他の楽器と一緒に」
 「そうだな。その日が楽しみだな」

 そんな2人に言ってやる。
 「音楽だけで生きてけるものか…。お前等は、お気楽でいいよな。能天気野郎」


 そして、ヒロが日本に帰国するまでに公園とヘリポートとホールが完成した。
 余りにも広すぎるので、エドを始め、甥っ子であるリョーイチ、キョージ、ヒロ、アンソニーの屋敷も建築した。
 「ヒロ。一番最初の演奏者としてバイオリンを聴かせてくれないか?」
 「良いの?」
 「ああ、お前のが聴きたいんだ」
 「嬉しい。最高に嬉しいよ。ありがとう、マルク」

 ヒロのリサイタル。
 完成したばかりのホールで演奏してもらい、聴衆は私だけだ。
 とても贅沢だけど、最高に気持ち良かった。
 「マルク、ありがとう」
 「私の方こそ、ありかとうだよ。とても幸せな時間を過ごさせて貰った。素晴らしい演奏を聴かせてくれてありがとう」

 素直に言うと、ヒロは照れていた。
 「嬉しい。なんか照れるな…」

 可愛いと思い、抱きしめていた。
 お姉様やシェリーとは違う。
 ましてや息子ニールとは違う意味で、大切な者。
 「ヒロ…」
 「なあに?」
 「日本に帰っても元気でな」
 「うん。マルクも元気でね」


 その後、ヒロは大学の長期休暇を利用して1年に1回、ドイツに遊びに来てくれるようになった。そして、大学を卒業後は東京でドクターをした後、ドイツで5年間の契約を結んだ。







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