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GW旅行は能登半島 (48) 

 しかし政行も男の子。
 自分の後始末は自分でするという気持ちはある。
 だから少ししか済んでない仕事を片付けて直ぐにバイト先を出た。
 会社に行けば良いのだろうかと思い悩んだ時は、3人の男たちに囲まれていた。
 「ねえ、お兄さん。良いスーツだね」
 「俺等にメシ奢ってくれない?」
 「金欠なんだよ」

 なんだ、たかりか。冗談じゃない、こちとら持ち合わせの金なんて無いよ。それに、このスーツはリクルートスーツだ。何も言わないと腹を蹴られた。
 「ぐっ…」
 「なあ、金頂戴」
 「恵まれない子に救いの手を向けてくれよ」
 「それとも良い事して遊ぶ?」

 ふん、俺は忙しいんだ。とにかく誠心誠意ある態度で謝らなくてはいけないんだからな。
 「おら、何とか言えよっ」

 そう言われ何発も蹴られる。
 「なあ、鞄の中を見てみろ」
 「ああ、そうか。あるかもな」
 「なら、俺はケツを探るか」

 鞄を取られる。
 「返せっ」
 「財布の中身を貰ったら返してやるよ」
 「他に金目の物を探せ」
 「お兄さんは俺と遊ぼうよ」

 そう言われスーツの上着を取られた。
 「なにす」
 「だから、遊ぼうよって言ってんだよ」
 「シケタ奴だなあ。7千円しか無いや」
 「出し渋るなっ」と言われ、顔を殴られた。

 「っ…」
 「もっとある筈だ。ケツはどうだ?」
 「いや、財布入ってなかった」
 「名刺は?」
 「無い」
 「なんだペーペーかよ」
 「ついでに言うとカード類も無い」
 「なんだあ、お兄さん日本人ならカード作れよな」
 殴る蹴るをされ、身分証明となる物を庇っていた。
 野次馬はいたが、誰も助けようとはせずにチラチラと向いて知らん顔して通り過ぎる。まあ、誰も割って入ろうとはしないだろうな。誰でも揉め事は嫌うものだ。
 そんな事を思ってると、痛みがきた。何処かを刺されたみたいな、そんな痛みだ。


 そんな時、誰かが割って入ってきた。
 「そこで何をしてるっ」
 「へっ、良い子ちゃんぶりな奴が来たのか。まあいいや、お兄さんが代わりに金を出してくれるんなら誰でも構わないさ」

 囲まれ殴られ蹴られてた人に近寄り顔を覗き見ると、驚いた事に探し人だ。
 「貴様等あ…」
 「なに、やるってか」
 「上等っ」
 「貴様も、そいつと同じ様に刺してやらあっ」

 チンピラ3人に拳と蹴りを入れてノシてやると先ほどの人物の方に駆け寄っていく。なにしろ空手伍段の持ち主だ。本気でやると破門になるし、道場主の父にも迷惑が掛かる。そんな良い子ちゃんぶりの人間に声を掛ける奴が居た。
 「岡崎、寄り道するな」
 「ここに居る」
 「は?」

 状態を見て取った岡崎はテキパキと動いている。
 「峰岸、医者だ。殴られて内出血しているし、口の端から血が出ている。擦り傷だけでなく腹を刺されてるし気を失ってる」
 「何で、どうして…」
 
 岡崎に拳と蹴りを入れられた3人は起き上がってくる。
 「くそぉ…」
 「7千円で良いから、ずらかれっ」

 その声に反応した峰岸は足を引っ掛けてやる。
 「うわっ…」
 
 スーツの上着を持っていた1人は倒れた拍子に落としてしまった。他2人は倒れた1人を飛び越え走り去ろうとしている。それを見た岡崎は「峰岸の役立たずっ、何やってんだよっ」と言うと、その2人に、さっきより強めの蹴りを入れてやる。
 「お見事」
 「拍手してんじゃない。これぐらい朝飯前だ」
 「いや、でも格好良かったぞ」
 「親が道場やってんだ。子供は強制的に入らされる」
 「何をやってるんだ」
 「空手だ」
 「へえ、凄いや」
 「それよりも常務が先だ」  
 「あ、そうでした」  








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喧嘩し慣れてない政行に強請りたかってくるチンピラ。
政行はどうなる?

最終話まで、残り数話。
もう少しの間、政行にお付き合いください。


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