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可愛いと言わないで (99) ~シュークリーム屋の優ちゃん

 「いらっしゃいませー」
男性が一人来た。
 「へえ、コンビニと言うより土産物屋かあ」
 「ごゆっくりどうぞ」
何かを探し当てたのだろう、2つ持ってレジに近付いてきた。
 「これ、下さい」
 「ありがとうございます」

お金を頂き、「オープン3日間限定のイベント商品です。どうぞ」と声を掛け、目玉商品としてイベント用のシュークリーム1個を渡す。店を出ながら一口シュークリームを頬張った男性の客は「ん、これ美味いっ」と言うなり、もう一度中に入ってきた。
 「えーとぉ、このシュークリーム6個下さい」と、声を掛けてきた。

その言葉に、長机に並べ置いてる箇所を指差す。
 「生クリームと抹茶とチョコクリームがありますが、どちらにされますか?」
 「んー…、2個ずつで箱詰めに出来ますか?」

皆の居る前で、シュークリームを箱詰めしてビニール袋に入れ渡す。
 「ありがとうございましたー」

御機嫌な昌平は、スタッフである新一にレジ台の下に置いてる棚を指差し言っていた。
 「さっきの様に言われたら、これが箱詰め用だからな」
 「なるほど、それね」
 「そうそう。初めて買ってくれたお客さんが知り合いでなくて、嬉しいな」
そんな昌平に、悟は呟いている。
 「うちのか…」
 「そうそう、嬉しい。さあ、新一、これから忙しくなるぞ。口コミで増えていくかもしれないからな」
 「了解」

御機嫌な店長のボス、いや昌平と、そんな店長が可愛くて、いつまでも側に居る事を願うサブボスの新一の生活が始まる。



 「あ、そうだ。悟、今のでシュークリームが一気に6個減ってしまった。この調子だと30個だなんて直ぐに無くなってしまう」
 「分かった。持ってくる」
 「それと、オープンの記念イベントシュークリームもよろしく」
 「分かった。優介に作らせる」
 「なら夜まで待つか」

新一の目の前で元サブボスの博人がイベント用を頬張り、残っている3種類計24個の内、4個ずつを手にしている。
それを見た現サブボスがボスに声を掛けている。
 「ボスッ。ヒロが、ヒロがー」
 「ん、ヒロが何だって?」
その元サブボスのヒロは言っていた。
 「美味しいから買うんだ。新一、お前もスタッフなら、とっととレジ計算して箱詰めしろ」

そんなヒロにボスは嬉しそうな声を掛けていた。
 「お、ヒロは買ってくれるんだ?」
 「美味しいから」
 「食ったのか。ったく、こいつは…。でも、買ってくれたので良しとするか」

これで残りは12個だ。
昌平は末っ子に声を掛けていた。
 「悟、大至急お願いする」
 「はいはい、分かりました」

あ、でもボスが売り子してるから優介に焼かせても大丈夫か、と気が付いた悟は電話した。
 『ありがとうございます。シューク』
 「優介。昌平の店のイベント用と売り用のを大至急焼いてくれ」
 『え、何で…』
 「何でじゃないよ。この調子だと、昼過ぎには30個が売りつくされる」
 『え、そうなの?それじゃ、今売り場にあるのを持って行く』
 「イベント用のも、よろしく」
 『はーい』


少し待ってると、優介はコンビニに来た。
 「お待たせです。シュークリーム屋の優介です。配達に来ました」
 「優ちゃん、いらっしゃい」
 「へえ…。中は、こんな風になってるのですね」
 「ゆっくりしてく?」
 「んー…、今は友兄にシュークリームの生地作りをして貰ってるからなあ」
その声に悟は声を出していた。
 「そういえば、ボスは一人…」
 「もちろん”レシピを見ながらしてね”と言ってレシピを渡して来たから、大丈夫だよ」

いや、そういう問題ではない。
あのボスを一人にさせるだなんて、恐ろしい位に物知らずな奴だよな。
だから言っていた。
 「優介、夜に来るのだろう。今は店を頼むよ」
 「友兄はつまみ食いするから、個数を数えて来たのだけど」
いや、そこじゃない。
ボスもそうだけど、お前の方が上をいってるぞ。







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ボスを1人にすると何が起きるのかなあ。。。o(゜^ ゜)ウーン

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