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可愛いと言わないで (40) ~足長おじさん、その人は…

そして、悟30歳、優介11歳(小学校6年生)になった、その年の夏。

その、ある日。
悟は空港に居た。
見送りなんて要らない。
そう思って優介の脚腰が立たなくなるまでエッチしたのだ。
まだ中学生だから無理せず手加減もせずに、となると難しいが…。
気配を感じたのだろう、目が開いてる。
 「ん…、悟さん」 
 「なんだ、起きたのか」
 「俺も」
 「寝てて良いよ」
 「でも」
 「それじゃ行ってくる。3年間、大人しく待ってろ」
 「うー…」
 「睨むなよ」
 「空港まで行きたかったのに…」
 「見送りなんてされたら離れたくなくなるだろ」
 「それが狙いの一つなのに」
俺の鼻の頭をちょんちょんと小突いてくる悟さんは言ってきた。
 「大丈夫だよ。3年間なんてすぐだよ」
 「身体が、うっ、動かない…」
 「行ってくる」
 
優介は枕を抱いてる。
 「行ってらっしゃい。体調に気を付けてね」
 「優介もな」



だけど、数日過ぎると音を上げた。
だって寂しいから。
一緒に2人で温もりを感じて寝ていたんだ。
その悟さんの温もりも1週間もしないうちに無くなった。

夏休みは部活もあれば文化祭の準備で忙しかった。
文化祭が終わると、気が抜けたのか眠気がくるが何やかやと忙しかったのもあり、夜はぐっすりと寝ていた。

そんな日々を過ごしていると、11月、誕生日プレゼントが届いた。
最初は悟さんからかなと思ったが、どうやら違うようだ。
贈り主は、足長おじさん。

足長おじさんって、誰だろう。
しかも、宛先は斎藤優介、自分宛てだ。
もしかして開けるとドカンッと爆発する物だろうか。
どうしようと悩んだが、意を決して包装を解く。

箱入りだ。
しかも、ロゴが…。
 『AOKI』だ。
え、何これって、中身ってもしかして…。

その箱の蓋部分にあたるハンガーを開けるとスーツが2着。
しかも、カッターシャツが4着とベルトとネクタイ2本とネクタイピンも一緒だ。
丁寧に靴まで。

メッセージが入ってるので、それを開けて見る。
手書きだ。
この文字って、まさか。


yusuke_pure.jpg


これは、まさか…、友兄なの?
去年、レシピを書いてくれた友兄の字と見比べてると直ぐに分かった。
ありがとう、友兄。
大事に着るよ。
まったく、足長おじさんだなんて、お茶目なんだから。

ドキドキしながらスーツに袖を通し鏡を覗き込む。
うわあ…。
全体的に少し大きめなんだけど、でも中学校の間にも背は伸びるだろう。
なんか自分で無いみたいだ。
でも、嬉しい。


その日の夜は、ぐっすりと眠れた。









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足長おじさんの正体が直ぐにばれちゃってるよwww

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