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清水朝巳の腐道中 (38) ~最終話は笑顔で (*´▽`*)

その超ド天然記念物を家まで送っていた。
表玄関である病院からだと長兄の睨みが来るのは分かっているので、超ド天然記念物の部屋へと通じる通用口へと向かう。
 「雄吾って過保護だよねえ」
 「お前が危ないんだよ」
 「何度も助けてくれてありがとう。でも、女じゃないんだから」
 「あの男には気を付けろよ」
 「うん。名前なんて教える気無いから」
 「しかし、腹立つ奴だよな」
 「雄吾も、そう思う?」
 「良いか。一人旅、禁止な」
 「は?何それ」
 「何それ、じゃないよ。なんで一人旅なんてしたんだ?」
 「だって、誰かと一緒に行っても腐が見つかるわけ無いよ」

その言葉に溜息を吐いた雄吾は、言っていた。
 「何しに宇都宮まで行ったんだ?」

長兄から青春18切符を貰って行った日の事を話した。


勝手知ったるなんとやらで、勝手に朝巳の部屋に付いてる冷蔵庫から飲み物を取って飲んでる雄吾は一言だった。
 「一人旅、禁止な」
 「なんでだよっ」
 「俺以外の奴に、その裸見せるなっ」
 「見せる気なんて無いよ」


トントン。

ノックの音が聞こえた。
 
 「はい?」
 「朝巳、帰ってきてるのか?」
 「うん、帰ってきたとこだよ」
 「そうか、悪いが…。あれ?」

雄吾と目が合った人は、朝巳の長男の方だ。
 「あ、お邪魔してます」
 「久しぶりだねえ。ニューヨークだっけ?」
 「御無沙汰してます。はい、そうです。今は、こっちに戻ってきて、駅で会ったので」
 「日本はどう?」
 「狭いなーと思います」
 「まあ、何年も滞在してると、そうなるだろうね。ああ、そうだ。丁度良い」


何が丁度良いのだろうか。と思っていたら、とんでもない事を言ってきた。
なにやら患者が日本語と英語が分からないフランス人なので通訳して貰いたいそうだ。
 「え、フランス語?やば、忘れてるかも…」と焦り気味な朝巳。
だが、長兄は、こう返してきた。
 「朝巳でも良いが、雄吾君が居るから、雄吾君にお願いする。
なんせ何年も居るから大丈夫だよな」
 「え、何で俺?だけど、フランスじゃなくニューヨークですよ?」

その人はウインクして言ってきた。
 「フランス語が出来るのは知ってるよ。
それに、バイト料、弾むよ」

 
結局、通訳のバイトをしてバイト料としてお金だけじゃなく、夕食まで御馳走になった雄吾は嬉しそうだ。しかも、「プラス5万7千円…」と嬉しそうに呟いている。

今回の旅費とホテル代諸々で4万3千円を使ったらしい。
 「雄吾」
 「なに?」
 「元が取れたね」
 「うん、ありがとな」


そんなホクホク顔している雄吾に、朝巳は微笑んでいた。





















 ~Fin.~






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朝巳は、全く自覚のない天然君だと言う事が、判明しましたね。
そして、最終話となりました。
読んで頂き、ありがとうございました。
<(_ _)>
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