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清水朝巳の腐道中 (37) ~超ド天然記念物って。。。

 「よう、よく会うよなあ」
 「俺は…、俺は…」
 「あいつに、あんな事しておいて、ぬけぬけとまだ追いかけるかっ」

浅海は必死になっていた。
 「俺はっ、あの人の名前が知りたいんだっ」
 「知ってどうする」
 「知って…」

そこで黙ってしまった浅海は、一生懸命に考えを纏めていた。
 「知って、一緒に食事したり、遊んだり、仲良くしたい」
 「へえー」
 「俺は、あの人が…、清水さんが好きなんだよっ」
 「して良い事と悪い事があるだろっ」
 「それ位知ってるっ」
 「なら、なんで、あんな事をした?
嫌われるって事位分かるだろうが」


朝巳の声がしてくる。
 「え、何。一体、何事なの?」

雄吾の前に、手を後ろ手で縛られてる人が座らされている。
その人を見た朝巳は、目を逸らした。
 「あ…」

思わずボスと雄吾の後に隠れてしまった。
そんな所を見て、浅海は悲しくなり叫んでいた。
 「そりゃ、出会いは酷かったよ。
でも、仲良くなりたい。そういう思いが、俺の中にはあるんだ。
あんたが好きだっ!
だから名前が知りたいんだ。
あんただって、そうだろっ」
 「嫌われてるのが分からないのか」

だが、浅海は雄吾の言葉を無視して朝巳に声を掛ける。
 「なあ、清水の後の名前は何だ?」
 「おい、俺が言ってんだ。こっち向け」
 「俺は自己紹介した。志水だと。
志水浅海(しみず あさみ)だと言った筈だ。
それに対しての、あんたの返事は無かった。
何でだ?
普通なら、返すもんだろ。
失礼にあたるだろうが、違うかっ?」

ボスが静かに口を開いた。
 「言いたくないから言わなかった。違うか?」
 「なにっ…、てて…」


輝がきつく縛り直したみたいだ。
 「はいはい、煩い口だね。雄吾と同じぐらい煩いねえ」
 「おい」
 「冗談だよ」と雄吾に返した後、輝は口煩い志水浅海に言っていた。
息を吸って、
 「テメェ、タマが付いてんならグダグダ抜かすなっ!
いくら男限定のスポーツジムでも、一つの会社なんだよ。
その会社の中でギャーゴラ叫んで営業妨害しやがって…。
こい、サツに突き出してやるっ」

輝は志水浅海を引っ張って1階にある警察立寄所へ連れて行った。


 「こえー…」と、雄吾が呟くと、
 「ここは何時からヤクザの事務所になったんだ…」とボスまでもが呟いてる。


ボスは後ろを振り向き朝巳に声を掛ける。
 「雄吾から聞いたよ」
 「何を?」
 「ニューヨークに行きたいか?」
 「なぜニューヨーク…」

するとボスは笑い出した。
 「雄吾は大変だな」
 「何がですか?」
 
今度は隣に居る雄吾に、きっぱりと言ってやる。
 「相手は超ド天然記念物だ。理由はどうであれ、当面はない。
それだけだ」
 「えー、おバカあ…」

座り込んだ雄吾に、その超ド天然記念物は聞いてくる。
 「何の話してたの?」
その顔と声に力が抜けた雄吾は溜息を吐いた。
 「脱力…」








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『超ド天然記念物』って、遂に言われちゃいましたね( ´艸`)
いよいよ次話は最終話です。
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