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夏休みは沖縄旅行 後半(51) 尻を敷かれる常務

そんな芳樹を博嗣は抱きしめていた。
今迄は会社でヤる事は無かった。
お互いのマンションでヤッていたものだ。

芳樹。
幼馴染で3つ年下の恋人。
3歳差というのは変わり様がないが、それでもお前が良い。
桑田専務に対しての嫉妬心というのは、俺にとって新鮮だったけどな。


 「芳樹、芳樹」

芳樹は寝ていた。
 「全く、そろそろ休憩終わるぞ。おーい、芳樹ぃ。午後の仕事はどうするんだ?」

自分を抱きしめ、すーすーと寝息を立ててる恋人に呆れつつも、博嗣は手を緩めない。
何かが閃いたみたいだ。
 「あ、良い事を思い付いた。こいつを送りがてら、岡崎君に洗顔クリームを貰おう」
うん、そうだ。
そうしよう。
あの岡崎君の事だから、予備は持ってる筈だ。



呆れかえった瀬戸常務の秘書である岡崎は容れ物を見せてくれた。
 「これだけしか残ってません」
 「構わない」
 「ったく、常務はお喋りだなあ…」


ほんのりだが、それでも真っ黒が薄くなった様な気がする自分の顔に満足した安藤専務は自分の部屋に戻った。
おそらく秘書に叩き起こされて怒られてるだろう恋人に、(ありがとう)と心の中で言っていた。


そう、その恋人は秘書に叩き起こされてしまったのだ。
 「瀬戸常務、仕事が終わらない限り帰る事は許しませんからね」
 「う……」
 「帰りたいのならば、さっさと仕事して下さい」


自分のデスクにこれでもかと五列に並べられ、また山と積み上げられた書類。
それを見て、瀬戸常務は真っ青になっていた。
いつの間に、こんな量になったのだろう。
しかも今は14時前だし…、もっと早く起こしてくれないかなあ。
この量を17時半までに終わらせる事が出来るのだろうか。
不安だ。
とっても不安だ。


秘書の声が聞こえてきた。
 「にらめっこして仕事が終わるとでも思われてるのですか?」

その言葉に棘が含まれてると感じるのは、自分が安藤専務に話したのと、寝てしまったというのがあるのだろう。
さすが、ヤリ手秘書と言われるだけある人物だ。
なにしろ、重役秘書は岡崎君と峰岸君さえ居れば、十分に事足りると言われてる程だ。
なんで、そんな秘書が俺の所に…。

遅まきながら、瀬戸は思い知った。
もしかして、岡崎君を秘書にと狙ってた奴等は俺を恨んでるのか。
桑田専務は秘書の峰岸君が坊ちゃんの秘書になったから、余計にイラついていたんだろうな。
黙って行動していたのを思い出した。
あれは、一人になりたかったのもあったのか。


そう思ってると、声が聞こえてきた。
 「常務?」
さっさとやれ、と暗に言われてる言い方で呼ばれる。

瀬戸常務は一つ溜息を吐いて、椅子に座った。
予定通りに定時で上がれるのだろうか。
いや、やるんだ。
でないと、博嗣さんの手料理が無駄になってしまうから。


 「常務…」
うわ、なんか凄く怖い声音だ。
 「良いですか、私は定時で上がらせて貰いますからね」
 「は、はい。頑張ってやります」


秘書に尻を叩かれ仕事に取り掛かった瀬戸常務でした。









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常務秘書である岡崎の本質の一部分を知ってしまった瀬戸でした。
いよいよ次話は最終話です。
アルファポリスの投稿小説「恋人は副会長」が面白い!!
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