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夏休みは沖縄旅行 後半(37) 副社長&坊ちゃんペア

※副社長&政行※


案を練り直し再スタートした2人は、小高い丘から滝を目掛けNo.2へ向かう。
先にハマったのは副社長だった。
 「うわっ…」
その声に反応した政行は振り返った。
 「え、どうかし…、副社長、大丈夫ですか?」

副社長は脇の下で止まっており、両腕と胸から頭の部分は大丈夫そうだ。
 「なんで、こういう所に穴が」
 「待っててください。すぐ引っ張り上げますね」
そう言うと、政行はリュックを脱ぎ身軽になると副社長の片腕を両手で掴み引っ張り上げる。
副社長は無事に地上に立ち上がったが、何かがおかしい。
なんだろう、この感じは…。
取り敢えずリュックを背負うとしたら、その違和感に気が付いた。
左肩だ。
さっき、引っ張り上げた時に左肩に負担が掛かったのか。
どうしよう、知ってるのはお父ちゃんだけだ。


 「…君?桑田君っ」
 「は、はいっ」
 「大丈夫かい?私が重くて、どこか支障をきたしてないかい?」
 「大丈夫ですよ」
 「そう?こう見えても90kg越えてるんだ」
 「え、嘘。見えない…」
 「脱げばプルプルだよ」
その言葉に思わず笑っていた。
 「ぷっ…、あ、すみません」
 「いや、別に構わないよ」



政行は案を出していた。
 「副社長、昼は休んで夜に移動しませんか?」
 「眠くならないかな」
 「夜は星が出ていて方向も分かるから、間違えても修正が効きます」
 「なるほど、それもそうだね。まあ、日中は暑すぎて寝れないと思うが」
 
すると、坊ちゃんはこう返してきた。
 「身体を休ませるだけで良いんです。それに、夜の方が進みやすいと思います。1時間でも良いので進んで、後は身体を休ませるだけで良いと思います」
その言葉を聞き、坊ちゃんを見る目が変わった。



それもそうだろう。
アスリート時代、政行は迷子になった時は夜に動いていたのだ。
重役8人の内、一番意外性を秘めている持ち主は、坊ちゃんである政行だ。



砂浜をスタートして2日目の夜。
やっと進みだした。
肩は痛まないが、でもおかしい。
今回のが終わったら、お父ちゃんに言ってパースに行こう。
それともリハビリセンターに行った方が良いのかな。
いや、でも博人先生にも会いたいから、やっぱりパースかな。
いや、でも会ってくれないだろうな。


そんな事を考えている政行に、副社長は何かしら感じ取っていた。
自分を引っ張り上げてから、何かが変だと。
30分ほど歩くと立ち止まり空を見上げる。
東京とは違い、星がくっきりと見える。
癒されると同時に、気分がリフレッシュする。
恐らく坊ちゃんも同じ気持ちなのかな。

声が聞こえてきた。
 「あー、やっぱり夜の方が涼しいや。ね、副社長」

私の方を振り向いて言ってくる坊ちゃん。
こうやって成長していくのだろうな。
アスリート時代の過ごし方が垣間見れそうだ。
なので、こう返してやった。
 「今のが本音だろう?」
 「えへっ、バレたか」

テレ顔してくる坊ちゃんは可愛い子供みたいなものだ。



夜に移動する副社長&政行ペアに、昼に移動する利根川&久和田ペア。
双方ともにNo.1の小屋を目指しているが、どちらが早く見つけ出すのだろう。


そして、副社長の持っている島。
この福山島に来て、3日目の朝を迎えようとしている。






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社長子息である桑田常務は、脱いだらプルプルだよと言われた副社長を引っ張り上げて助けた図です。

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