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3周年記念特別SS 『君と交えた、このレアな日に感謝』 (11)

この季節は18時を過ぎてもまだ明るい。だから時間を見計らって、拡声器を手にイベントステージの檀上へ上がる。
手袋を嵌めた理事長は厳かに口を開いた。
 「我が東響大学のイベント祭り、及び流星群を見に来られた方々にご案内致します。
18時50分より、OBがイベントを盛り上げてくれます。
20分位のショーですが、お楽しみください」


この声は爺ちゃんセンセー。
父の声が聞こえてきた。
 「へえ、何のショーだろう。元宗、行ってみるか」
 「ああ、行ってみる」



スリー、ツー、ワン…。

ショーの時間になるカウントが終わると、明るかった空が段々と薄暗くなってきた。
すると何かが飛んできた。
飛行機かジェットかと見ていたら、戦闘機だ。
sento-ki_1_1.jpg
 (注:フリー素材)

その戦闘機は大きく1回前転して客の頭の上を飛び去って行く。と同時に、違う方向から1機が同じ様に前転して飛び去って行く。と、また違う1機が。計7機の戦闘機がイベントステージの横に置かれてる戦闘機を中心に先端を客に向けて変形ピラミッド型を作った。

一番上に1機、その下になる中段に2機が、その下に位置する2機が上の2機より幅を取り、下段の2機は中段にある2機と同じ幅で位置して、その最下段にはステージ横の戦闘機だ。
5段あり、上段と中段の3機と、ステージ横の戦闘機と、その上に在る戦闘機2機は、真ん中に位置する2機を境に鏡の様になっているのだ。(簡単略図参照)
20170629_210449990.jpg


そのうち、一番上の1機はそのまま上に垂直に飛びあがり、中段の2機は先に上がった1機の左右に付き、下段の4機は一斉に中段から上段へと飛び上がり、7機が整列する。
一斉に7機は機体を斜めにして尻を上空に向けてステージへと向かう。
まだそんなにも暗くないのでライトは点けてない。

ステージへ数珠繋ぎの様に降りてきた7機は、イベントステージ横の戦闘機から2m上あたりでクルッと横に機体を回転させて、そのまま斜めに上空する。
大きな前転返りをして最初に陣取った位置に戻った。
そう、一列に並んだ位置にだ。


歓声や拍手が起こる。
政行も男の子。星とか天文が好きなんだけど、戦闘機も大好き。
執事の事はすっかりと忘れ、このショーを見入っていた。
 「カッコイー!」


客に先端を向けたままの一列から先程模っていた一二三二という変形ピラミッドに、そのままトランプの「7」を示す様にと動く。
一番上の1機が真ん中に下降して、その下の2機が上段に上昇すると、幅を取っていた2機は幅を狭めて、最下段にいた2機は上昇してきた。
そのままの状態で、7機は飛び上がり、また一列になる。

そして、各機ともがソロで飛ぶ。


ボスは十分に勘を取り戻していたので、コクピットの中で大声を張り上げていた。
 「ぃやっほー!いけいけいけ、ゴーゴーゴー!!」

嬉しそうに、楽しそうに友明は星マークを何回も何回も型取ると、ぐんぐん上昇して、ピタッと止まると、先端をステージに向けて飛行してきた。
錐もみ状態で斜めに下降してくると、ステージ横の戦闘機の1m上空にピタッと着いた。
コクピットの中で、友明はブイサインをしていた。
 「ぃえーい!」

 「オー―――!!」
歓声や拍手が鳴りやまない。
治も興奮していた。
 「あの戦闘機、カッコイー」



その興奮に乗って、今度は右側のスズメの番だ。
 「よし、やってやるぞー」

何度も三角形をもじるように機体を飛ばすと、今度は三角形の頂点からそのままの恰好で垂直に下降してくると、アクセルを吹かして小ぶりの前転を斜め向きに三回転して、そのままステージ横の戦闘機の右に寄せ着けた。

 「トリプルだー」



今度は左側のサトルの番だ。
少し上昇して先端をステージに向ける。メインエンジンを切って、そのまま下降させると、すぐに地上5m辺りになる。そのままのサブエンジンだけでのソロ飛行だ。
サブエンジンだけだと出力は落ちるが、普段出来ない事が出来るのだ。
その出来ない事をサトルはやっていた。
サブの計器を見て、三色あるスイッチの真ん中を押す。
いきなり機体がバク転した。
そう、普通は前転しかできないのだ。
それが、後ろにも転がる事が出来るのだ。

数回ほどバク転したサトルの機体は暗くなってきたのもあり、先端の下にあるサブライトを点けると音もなく低空飛行してステージ横の戦闘機の左に着けた。
恐らく、コクピット内ではドヤ顔をしている事だろう。
 「ふん、どうだ」


 「すっげー」
 「バク転出来るとは…」



今度はマサの番だ。
シンプルに尻を上にして音もなく落ちてくる。そう、こちらもサブエンジンにしてるからだ。
地上7mまで下りてくるとメインエンジンを入れ錐もみ状態で鋭角40度を上昇していくと、その反動を利用して登ってきた軌跡を利用しエンジンを切り半円を描く様に盾長に円弧を描いた。大中小と3回半円を描くと、ステージ横の戦闘機の尻から3mおいた距離に停めた。

 「ふう、緊張した」


 「へー、色んな事が出来るんだなあ」





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イベントショー。
それは戦闘機ショーでした。

お楽しみくださいませ<(_ _)>

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