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社員旅行は南の島 (33) ※ソフトな性描写?あります。ご注意ください※

※利根川視点※軽く性表現?性描写?あります。


高瀬が居ない。
自分の隣にも、会社にも居ない。
なぜ、俺に言ってくれないんだ。
坊ちゃんは、高瀬の上司だから分かる。
社長は詳しい事は言ってくれないし。
何かを知っているだろうと思われる岡崎は瀬戸の秘書になるし。
なんか、もう…。
何もかも嫌になってきた。
それでも、秘書の山本は毎朝夜と送迎してくる。
もう一人、本田のところから移動してきた玖倭田。
岡崎・山本ペアに慣れていたせいか、玖倭田の行動が読めない。

腹いせに坊ちゃんの常務室へ向かう。
 「シエスタ中」と看板がドアノブに掛かっている。
丁度良い。
あいつの身体を貰って、このやさぐれを直すとするか。


軽くノックし、ドアノブに手を掛ける。
すんなりと開く。
まったく不用心だな。
だが、ソファには転がってないみたいだ。
どこに行ったんだ。
ドアが開いてるという事は部屋内だよな。
そう思い、机の後のカーテンを開く。

脱衣所には脱いだと思われる衣類が籠の中に置いてある。
シャワーの音がザーザーと聞こえてくる。


思わずニヤついていた。

ふっ。
俺もシャワーを浴びるか。
お前を貰う。
今日こそ、完全に、な。


着ている衣類を脱ぎ置く。
そっとノブを回し、ドアを細目に開く。
湯気で見えないが、中に居るのは分かってる。
そう思うと、足を滑らし中に入る。

坊ちゃんの声が聞こえてきた。
 「あれ、ドアが開いた?」

居場所は分かった。
声のした方に手を伸ばす。


バシャッ…!

いきなり湯を掛けられた。
すると、第三者の声が聞こえてきた。
 「ここは常務室だ。勝手に入ってきたのは誰だ?」

なに、坊ちゃんは誰かと入ってたという事か。
こいつは誰なんだ、声だけだと分からない。

すると、今度はシャワーを掛けられた。
 「うわっ…」

それでも湯気は消えない。
だから、相手が誰なのか分からない。
なので、言ってやる。
 「服脱いでて良かったよ」
 
目の前に居る奴は、どんな奴なんだ。
その相手が応じてくる。
 「その声は…、利根川専務?どうして、ここに」
 「部屋の鍵ぐらい掛けろよ。不用心だな」
 「勝手に入らないで下さい」
 「そっちこそ勝手に入ってるだろう?」
 「どういう意味ですか?」
 「ここは常務室の奥にあるシャワールームだ。常務以外は使用禁止の筈だ」
 「仕方ないでしょう。その常務が泥まみれになったのですから。常務命令出せばいいのに、何もかも自分でされようとする。秘書として、手を出すのは当然です」

その言葉に驚いた。
この声の持ち主は峰岸か。
今度は、峰岸から声を掛けられた。
 「常務とは言え、ここは社長の御子息の部屋です。どうして勝手に入られたのですか?」

2人の会話を遮るように坊ちゃんの声が聞こえてくる。
 「峰ちゃん、終わったよ」
 「隅々まで綺麗に落ちましたか?」
 「うん。手伝ってくれてありがとう。助かったよ」
 「それなら、湯気を消しますよ」
 「よろしく」


峰岸は換気扇を付け、窓も開けた。
温かったシャワールームが、一気に冷えた。

目の前にいる峰岸は海パン一丁で、体格はよさげだ。
腹が割れてて、筋肉が付いてる。
俺と互角か、と思える程の逞しさだ。

坊ちゃんは立ち上がり、シャワーで床を流してる。
坊ちゃんも海パン一丁だ。
ああ、イイ身体だ。
ゾクゾクする。

見ると、スーツを洗ってたようだ。
普通ならクリーニングに出す物だ。
それを、どうして手洗いしてたのだろうか?


そんな二人の声が耳に入ってくる。
 「で、これで終わりかな…」
 「そうです。後は陰干しです」
 「スチームは?」
 「要らないです。後は私がしますので、シャワーを浴びて着替えて下さい」
 「え、でも」
 「常務。普通なら破棄するか、クリーニングに出す物です。だけど、破棄したくないと仰られたから手洗いしたのです。後は、私がします」
 「…よろしくお願いします」
 「そこは”よろしく”だけで良いんです」



熱めのシャワーを浴び、常務はシャワールームから出て行った。
利根川も後を追う様に出ようとするが、呼び止められた。
 「利根川専務、お待ちください。貴方は失礼な方ですね」
 「なにが?」

不躾な視線を送ってくる峰岸は沈黙を置いて言ってきた。
 「この事は社長や副社長に報告させて貰います」
 「何もしてないが?」
 「貴方の、その目です」
 「目?」
 「獲物を狩る目です」
 「どういう意味だ?」

溜息吐いて峰岸は言ってきた。
 「…分かりました。もう良いです。とにかく今後は、このような事はしないで下さい。
それでは常務室から出てご自分の部屋へ戻って下さい」

 (峰岸は、こういったキャラなのだろうか。出て下さいと言われたんだ、出てやろう)と思い、さっさとシャワールームを出ると、脱衣所で着替えていただろう坊ちゃんは、既にいなかった。
なるほど、着替える時間と鉢合わせしない様にと時間稼ぎの為でもあったのか。
さすが峰岸、抜かりない奴だな。






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利根川視点で性表現?
うわー、やっちゃったね。。。

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