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~新入生勧誘会、活動編~ (2)

舞台となる芝生公園に向かってると、医学部9人が何やら動いてる。
舞台のセットをしているのだ。
それを見た教育と経済の10人は呆気に取られている。
 「すげ…、さすが医学」
 「緻密だなあー」
 「お疲れさん、大変だったろうね」

声を掛けられたユタカは返事をしたくなかったのだが、もう一人の声で返事をしていた。
 「お疲れ。はい、これ」
その声の持ち主に、ユタカは横目で睨んでやる。
 「お・ま・え・はー…、誰のせいで、こうなったと思ってる」
 「でも、豊の事だから計算しつくした完璧な出来上がりになるだろうと思ったよ」
その言葉を耳にして、思わず振り返っていた。
 「ったり前だ。私を誰だと思ってる」
 「豊様」
悔しいが、名前を連呼してくれるのは素直に嬉しい。だから、もう1回だけ聞きたい。その邪な思いで、聞いていた。
 「お前の言う事を文句言わずにやるのは誰だと思ってる?」
だが、返ってきた言葉は違った。
 「似合うと思って」
 「は?」
欲しかった言葉は返ってこなかった。
 「うん、よく似合ってる。やっぱり銀髪だけあって、似合うよなぁ」
 「え…。こ、これは何?」
 「破るなよ。お前のは、私が一生懸命に作ったんだからな」
ウインクまで付け足してくれる。
 (ちょっと、冗談じゃないよ。でも、名前の連呼と、一生懸命に作ってくれた事に関しては素直に嬉しい。銀髪だけあって似合うという言葉も嬉しい。ウインク付きも嬉しいのだが、もしかして…)
そう思うと、言わざるを得なかった。
 「ねえ、もしかして私だけ、なの、か…?」
即答だった。
 「いや、皆のもあるよ」
その言葉に、まだ救われていた。

 「これ、皆の分だからね。昼飯を食べたら着替えて~」
と、ボスは皆に向かって言っていた。


その声に、わらわらと医学部8人が集まり、手渡された物を広げ見ると驚きのあまり固まっていた。
 「何処かに行ってたのは…」
 「もしかして…」
その言葉に答えていた。
 「うん、皆のを作っていたんだ。彼等の協力もあって早く済んだんだ」
その言葉に、皆は驚いていた。
 「えっ、嘘」
 「ボスの手作り?」
 「そうなると着ないといけない…」


ボスが指差した方を見ると、経済学部の5人と教育学部の5人が立っていた。
サトルは思わず言っていた。
 「うちのボスが迷惑掛けまして、申し訳ありません」
その言葉に、経済のリーダーである松井は即答していた。
 「話を聞いて、楽しそうだなと思ってね。だから志願したんだ。気にしないで」

教育のリーダーである田宮が声を掛けてくる。
 「お、美味しそうだな。なあ、食おうぜ」


そうだな、それじゃ飲み物を渡すよ。と宴会部長のスズメが仕切ってくれる。
20人が好きな飲み物を手にして、乾杯をする。
 「それでは、新入生のサークルとゼミ勧誘会を祝って、乾杯!」

もう、飲んで飲んで飲みつくして酔っぱらうまでしないと、素面では出来ない。
そう思ったのか、普段は絶対に口にしない医学部の学生は飲みまくっていた。
これが学生だから、まだ許せるのだ。
卒業して病院勤務してたら、絶対に飲めない。
しかも、その内一人は警察関連に就職するというのに、咎める事も無く率先して飲んでる。


食べ飲みして1時間後。
ゼミの決まってない学生や、午前の部が終わり昼ご飯にと集まってくる時間になった。

皆はボスの手製の衣装に着替えると、帽子やアクセサリー類を身に付ける。
まずは、各学部での写真撮影をして、皆で集合写真を撮る。


最初は素面でも出来ると言う、ボスとスズメが先陣を切ってステージとなる舞台に立つ。
そう、その舞台は、名指しされてしまったユタカ(豊)が設計した舞台だ。
緻密な計算で、壁は落ち着いた雰囲気の灰色にコンピューターの演算式が連なり、天井となる部分には照明が反射する様に反射板が使われ、照明はステージの下段に置き、ステージから客席へと降りる通路には宇宙船等に使われるタラップに花模様を散らばめた物を敷いている。
ボスからの直接な指示だったのだ。
苦悩の末、こいつをシメてやる!と思いながら作ったものだ。

そんな苦労を知ってか知らずか、そのボスである友明はマイクを持ちステージに立つ。
 「ハイ!皆、お時間、頂戴致します。教育学部の5人と、経済学部の5人と、医学部の10人の合計20人で楽しい事をします。見ていってね」


マイクはスズメに渡し、後をよろしくと小声で言う。
 「それでは、ルールを説明します。20人が出てきて、ある事をします。皆は、お客様です。お客様ありきの我々です。
それでは、最初に経済学部の5人です。
どうぞ~」






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苦労するねえ、ユタカ君。
頼りにされてる、という事ですね♪
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