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あの夜の約束 (15)

 「なんだ、お前は」
 「それは、こっちの台詞だ。こいつに手を出して許されるとでも思ってるのか」

二人は睨みあっている。
 「小さい頃から、ずっと邪魔ばかりしてくれたよな」
 「お前の考えは手に取るように分かるからな」
 「分かる筈がないっ」
 「それが分かるんだよな。どうしてだと思う?」
 「双子だからだろっ」
 「そうだよ。だから、お前も俺の考えは分かる筈だ」
 「もっと殴りたい。そう思ってるのは分かるぞ」

ニヤリとほくそ笑んだ健志は言ってくる。
 「ビンゴだ。さすが兄貴だな。なら、次は?」
 「さっきは、よくも殴ってくれたな」
 「殴られるような事をしたのは誰だ?」
 「お前にした覚えは無い」
 「大ありだ」
 「何もして」
 「無い、とは言わせねえ。こいつにエッチしたんだろ。
教えてくれたぞ、そうだろ、優?」

自分に振られて、頷く。
 「うん、そうだよ」

隆一は弟をずっと睨み付けたままだ。
 「それが、どうした。お前には関係ないだろっ」
 「大いに関係あるね」
 「何がだ?」
 
健志は、堂々と兄に言い放った。
 「優は、俺の恋人だ。寝取られてたまるもんかっ」

俺の顔は真っ赤になっているだろう。

 「恋人って…」

驚きのあまり、隆一は俺に目を向けてくる。
ああ、だからエッチされてる間、ずっと「たけし…」って言ってたのか。
身体の関係があったなんて、このクソヤロウ。
でも、教えてやらないからな。


 「この、くそ不良が…」
 「ほう、よく言ったな」
 「てめぇなんて、さっさとカナダでも北極でも行きやがれっ」


兄弟喧嘩が始まる。
と目を瞑った優は、すぐに終わったので驚いていた。

そう、なにしろ健志は不良グループに3年間も居たのだ。
だてにサブの位置にいたわけではない。

兄の隆一は、健志にボコボコに殴られたのは言うまでもない。


 「あばよっ」

それが、最後の言葉だった。
俺は腰を抱かれ、健志さんと一緒に隆一先輩のマンションを後にした。





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あら、あっという間に兄弟喧嘩は終わったのね・・・
そして、兄にカミングした弟でした。
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