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あの夜の約束 (4)

遊具のある所まで行くと、大勢の大人たちが居た。
 「優っ」
 「健志、あんたはっ」

優のおばさんと自分の母親に向かってピースしてやる健志。
 「ただいま。無事に見つけたよ」
だが、優は縮こまってる。
 「あの…、ご、ごめんなさい」


年少の先生も居た。
 「優君、何処に行ってたの?」
 「あの、女子からピンク色のハンカチが飛ばされたので取りに行って欲しいと言われ…。
行ってました」
 「でも、誰も知らないと言ってたわよ」
 「そんなっ…」

焦る優は、覚えてる限りの女の子のイメージを先生に伝えていく。
その言葉で、健志は気が付いた。
 「あの女か…」

誰の事か分からない先生は健志に聞いてる。
 「健志君、分かるの?」
 「バラ組のマリ」
 「あー…、あの女王様かぁ」

その足で、バラ組の女王様、もといマリちゃんの家に行く。



ピンポンピンポンピンポンッ…。


 「はい。あら、先生。どうかされたのですか?」
 「探していた年少さんの子が見つかったので報告に来ました」
 「それはどうも」
 「マリちゃんはおられますか?」
 「お待ちくださいね」

そう言うと、娘を連れてきた。
年少の先生が優に聞いてきた。
 「優君、この女の子だった?」
 「うん、この女の子」

指差されたマリは目の前にいる年少さんに噛み付いていた。
 「なによ、あんた。私はっ……、え、たけちゃん?たけちゃんが、どうして…」

くるっと振り返ると母親が居る。
 「お母様、大変っ」
 「何が?」
 「たけちゃんが、たけちゃんが来てる。服、着替えてくる」


その言葉で気が付いた年少の先生はマリちゃんを引き留めようとする。
 「マリちゃん」
 「先生ありがとう。たけちゃんを置いて帰ってね。たけちゃん、ちょっと待ってね」
 
溜息吐いて、先生は言い改める。
 「マリちゃん、ピンクのハンカチは見つからなかったみたいよ」
 「マリ、持ってるもん」
 「優君に言ったんでしょ?ピンクのハンカチを山の向こうに飛ばされたから取りに行って、って」
 「ああ、それ。でも、たけちゃんが来てくれたのでラッキー」

とても嬉しそうな表情に呆れかえるばかりだ。
 「マリちゃん、年少さんを虐めてどうするの?」

すると、その女の子は指差して言ってくる。
 「悪いのは、その子よっ」
 「どうして?」
 「その子が居るから、りゅうちゃんやたけちゃんは遊んでくれないもん。
あんたなんて居なくなればいいっ」
そう言い放ったマリは、今度は健志に向かって笑顔を振りまいてる。
 「たけちゃん、こっちに来て。一緒に遊びましょ」


マリの母は先生に声を掛ける。
 「先生、どういう事ですか?」
 「マリちゃんのお母さん、マリちゃんは年少さんの子を一人で山登りさせてたんですよ。
嘘を言ってまで」
 「どうやら好きな子の気をひこうとしてるみたいですね」
 「でも、して良い事と悪い事の躾は、きちんと言わないといけないと思います。
お家でも、注意して下さいね」



それを機に、優は健志に話をする様になった。
お星さまの下で誓った、あの言葉。
 「優ちゃんの隣にいる」

その言葉通り、健志は優を見守っていた。




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幼稚園児とは言え、女は怖いですね。。。
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