FC2ブログ

卒業、それは過去からの決別 #1 R18!性描写有ります。18歳未満&抵抗ある方はスルーして下さい。

※性描写あります。18歳未満&抵抗ある方はスルーして下さい※



 「卒業かあ…」
 「そうだね、卒業シーズンだね」
 「一体、何年前なんだろう…」

そのしんみりした空気を吹き飛ばすかのように、明るい声が聞こえてきた。
 「さてさて、私はパスポートの更新で日本に帰国するからな。5ヶ月程留守にするが、お前等、後をよろしくっ」

 「ったく、本当に…」とユタカが言うと、
 「いつまで経っても…」と、ワンが後を繋ぎ、
 「元気な奴め…」と、タカは締めくくった。

村上洋一は、「なーに、しんみりしてんだよ」と言いながら、その3人の頭を順番に叩いていく。
 「ユタカ君は私が居ないと寂しいのかな」
 「全然っ」
 「ワン君。いつも周りに気を張らないと、ミスターの跡は継げんぞ」
 「私は表の方を継ぐんだっ」
 「タカ君は元気が出ないのかあ?それなら私が診てあげよう」
 「お前の診察なんて必要ない」

ユタカとワンとタカの3人に言いたい様に言われてるが、スズメこと洋一はさらっと聞き逃して、次なる人物の居る所へ向かった。
コンコンッ。

ノックすると、しばらく間があったが応えがあった。
 「…誰だ?」
 「私、スズメちゃんですよ~」
 「なんだ?今は、手が離せないんだ」
 「今夜の便で帰国するから、ご挨拶に寄ったんだ」
 「そっか、…無事に戻れよ」
 「ありがと。それじゃね」
 「ああ」

足音が聞こえなくなった。



 「…っ」

 「やっと、煩いのが居なくなったか」
 「も、もぅ…、だ・め…」
 「ん…、もう少しだ」

博人は、友明の中に突っ込んだまま動きを止めていたが、スズメが去ったのを確認して再度、動き出した。

 「くぅ…、ひ・ひろっ…」
 「声、抑えてろ」
 「あっ…」

あ、駄目だ。
それ以上されると…。

 ――出る。




 「やっぱり、家でするのとは大違いだな」
 「も、もうっ…。ここでしないで、と、何回言えば分かるのっ」
 「お前の感じ方が違うんだよ」
 「バカッ」
ははっと笑いながら博人さんは、静かに言ってくる。
 「そう言えば、今頃時分の日本は卒業シーズンだな」
 「卒業……」
 「卒業旅行なんて言葉も流行った時があったけど」
 「そうだね。でも私は旅行をしようという気はなかったからね」
 「勉強ばかりで頭でっかちだったよな」

その言葉に、むぅっ…とムカついたが、あながち嘘でないので文句は言えない。
 「友明は、卒業という言葉に何を感じる?」
 「何って、何の事?」
 「私は、大学卒業後は、父親の病院に入るのが決まってた。だから、卒業旅行したんだ」
友明は、それ以上聞きたくなかったので、違う事を聞いていた。
 「どこへ行ったのですか?」
 「日本国内旅行」
 「なに、それ」
思わず笑っていた友明の額にキスをして、博人はきっぱり言っていた。
 「普通の人なら国外だろうが、私は日本の事を知らなかったからね。だから車で行ける距離を選んだんだ。友明は、行くのなら、どこを選んでた?」
 「うーん…」
 「言わないと、もう1回するぞ」
 「え?ちょ、ちょっと…、考えてるのに」
 「はい、5秒経った。考え時間終了ー」
 「はあっ?」


卒業。

その言葉は、嫌な事を思い出させる。
それは友明だけではない、他の9人もそうだ。
それは、『事故に遭い死んだ』と聞かされていたからだ。
が、博人は自分の病院に搬送されてきたので知っている。
その時のやり取りは、何十年経とうが忘れられない。
忘れられるものでは無い。
あの事故の後、友明はふっくら顔が凹み、変形して頭を15針縫った。
あの時の事が蘇る。
あの時の…。
搬送されてきた時の、友明の顔が浮かんできた。
思い出すと、今でも胸を締め付けられる。

博人は、あの時の約束の一つがまだ実行されてない事に、今、気が付いた。
 「ドイツ料理…」
 「え、何?」
 「卒業した祝いに、ドイツ料理を食べに行こうって約束してたのを、今、思い出した」
 「え…。あぁ、あの事故に遭う前の」
 「日本に…、東京に」
 「食べに行かなくていいよ。それよりも博人さんの手料理が食べたいな」
 「え、私の?」
 「ドイツ料理なら失敗もなく作れるのでしょ?私にだけ、私の為に作って」
 「友明…」
 「だから…」


再度、ソファに強く押された。
 「だ・か・らっ!ここではしない様にしましょうっ」
 「遅い」
 「もう…」



神聖なる職場で…、クリニックのボスルームで3回戦目のエッチタイムに入り、満喫していた博人と恥ずかしがり屋の友明でした。




にほんブログ村 BL・GL・TLブログ BL小説へ
にほんブログ村

福山さんシリーズでは、初のSSです。

関連記事

0 Comments

Leave a comment