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弟と兄 (11)

その夜。

祐樹は痛みで目が覚めた。
ベッド脇に兄が付いてくれてるのが見える。
嬉しいのだが、この痛みは耐えられない。
寝てるのを起こすのはしのびないが、ごめんね、お兄ちゃん。


 「お兄ちゃん、お兄ちゃん」

泣き声に気が付き、目が覚める。
 「悪い、寝てた。どこが痛い?」
 「身体が、あちこち…」
 「よしよし、待ってろ。温めてやる」


新しい温湿布を貼り直してやり、熱を測る。
 「お兄ちゃん…」
 「大丈夫だよ、熱は無いし…。朝まで付いててやるから」
 「一緒に寝て」
 「だから」
 「布団に入ってきて…」
 「祐樹…」
 「良いでしょ?」
苦笑しながら言ってやる。
 「まるで小さな子供みたいだな」
 「小さいだけ余計」
 
その言葉に笑いが出ていた。
くすくすと笑いながら言ってやる。
 「そういう事が言えるのなら、頭の方は心配ないな」
そう言いながら、布団に潜る。
祐樹のベッドに潜り込むと同時に祐樹は俺にべったりと近寄ってくる。

久しぶりの弟の体温。
こいつが中学生だった頃は一緒に寝ていたものだ。
 「祐樹、お休み」
 「お休みなさい」


寝顔が可愛い。
思わず抱きしめてしまう。
今は何時だ、とヘッドボードに置かれてる時計に目をやる。
まだ3時過ぎか。
もう少し様子を見て、近場に在る大学病院へ連れて行こう。
JR駅に在る病院は個人病院しか無いからな。


身体を寄せ合い、温かみを感じる。
分かってる。
頭では分かってるんだ。
でも、許せる事は出来ない。
俺の祐樹を、こんな目に遭わせてくれて…。



午前中に病院へ連れて行き、どうしてこうなったのかを説明する。
身体全身に打撲があり、数ヶ所の内出血だという事で3日間入院する事になった。
やはり、病院に連れて来て良かった。
学校の養護室では処置でも簡単な応急処置しか出来ない。
それに、俺は医者で無く薬剤師だから、基礎的な医学処置しかできないのだ。
風邪薬とか整腸剤とか薬関係は作れるから、養護室の隣に在る薬剤室で薬を調合している。
まあ、普通の学校なら薬剤室は作らないだろう。
この高校は県外から来てる生徒の為にも、ご家族の方を安心させる為、薬剤師を常駐して処方箋薬局もしてます。というのも売りにしてるのだ。


祐樹の事は心配だけど、病院に任してれば安心だ。
入院手続きを終え、俺は真木のアパートへと向かった。


さあ、祐樹が退院してくるまでの間に真木を痛めつけてやる。
知ってる事を吐いて貰うからな。
俺を甘く見るなよ。












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弟を守る為に、兄は行動を起こすのね。
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