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年齢も国籍も関係ない、欲しいのは一言だけ 後編(6)

ニックの声が聞こえてくる。
 「ベッドルーム、こっちのを使ってくれ」
勉は言ってくる。
 「お父ちゃん、ニックと一緒に寝たら?」
 「え、でも」
 「俺とは何時でも寝れるでしょ?同じフラットなんだから」
お父ちゃんはニックに声を掛ける。
 「そうだな…。ニック、一緒に良いか?」
 「良いよ。一緒に語り合うか」
 「カトラリーから飲み物持ってこようか」
 「ロゼでよろしく」
 「良いけど、ドクスト掛かってるの忘れるなよ」

ニックから声が掛かる。
 「ジョシュアは、こっちで…。あのバカオウムは無視して良いからな」
 「は、はい…。おやすみなさい」
 「おやすみ」


バカオウムと言われたクリスは何度も何度もツトムの名前を呼び続けていた。
 「ツトム、ツトム、ツトム、ツトム 、ツトム、ツトム、ツトム、ツトム………。
えーん……、ツトムのバカ―。ニックのバカ―」






これから井坂父子は良好な関係を築いていく事でしょう。

 「ジョージ、おかえり」と、兄の言葉に。
 「ジョージ、ここに居て良いんだよ」と、甥っ子の言葉に。

そして、息子の言葉。
 「こっちに戻ってきたいのなら、戻ってくれば良いんだ。
俺だって、そういう思いが強かったから戻って来たんだ。
俺は、戻って来て良かったと思ってるよ。
クリスやフライトも歓迎してくれたし、明も居る。
俺は1人じゃないんだ。ここに居場所はあるんだ、と確信してるんだ。
ね、お父ちゃん。」


私も、1人ではない。
兄だけでなく、弟や妹に甥っ子や姪っ子もフランスに居る。
こんな自分を名前で呼ぼうとして、存在を認めてくれようとしている息子も居る。

そんな思いが、頑ななプライドを溶かし始めていた。


翌朝、朝食を食べる前。
ジョージは生まれて初めて自分の思いを込めての言葉を口に乗せた。
自分からハグしていた。
 「ただいま、ニック」
 「おかえり、ジョージ」
兄は強いハグを返してくれ頭をポンポンと叩いてくれる。

俺には、と指差してる甥っ子にも言ってやる。
 「これからもよろしく、クリス」
 「はーい、ジョージもよろしく」

息子の勉、いやジョシュアは消え入りそうな声で言ってくれる。
 「お帰りなさい、ジョージ…」
 「ただいま、ジョシュア…」


まだこっちに住んでいた時は、ジョシュア呼びしていた。
その時の感覚が蘇ってくる。
 
とても嬉しそうな表情で、ダディ!マミィ!と言っていた頃を思い出した。












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もしかして、勉の父親が欲しがっていたモノは。。。
自分本来の姿を見てくれる人、なのかなあ・・・

次回は最終話です。
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