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サドなアイツと俺 (24)※トニー視点※

※トニー視点※


バカ力のフライトに押し込まれ、挙句の果てにはジュンに支えられてる格好となっているが、ジュンを抱きしめてる事に気が付いた俺は心の中で罵っていた。
 (あのフライヤロー…。なんてぇバカ力だっ)

ふと見ると、ジュンの鼻の頭にキスしているのか、自分の唇がジュンの鼻に触れてる。
 (あ、俺…、ジュンの鼻の頭にキスしている…)

ジュンは何も言わない。
ただ黙ってるだけだ。
思わず唾を飲み込んでいた。

ごくり…、と。

何の音もしない中、自分の唾を飲み込む音が大きく響く。
その音が聞こえたのか、ジュンは視線を上げてきた。

ジュンは真っ赤になっている。
もしかして、今迄こういう事とは無縁だったのか。
視線と視線が絡み合うと、ジュンは顔を伏せる。

可愛い。
そう思うと、ジュンを抱きしめる腕に力を入れた。


自分の腕の中にすっぽりと納まるジュン。
顔を伏せたせいで俺の胸の中に顔を埋めてる。

あのチビでクルクル目の元気一杯だったジュン。
それが中学を卒業し大学生となると、こんなに落ち着くものなのか。俺よりチビなのは変わらないが、それでもクルクル目と元気一杯な所は変わってない。


高校はドイツだっけ。
大学はパースに戻って来たけど、入学式で再会した時は驚いたものだ。3年も経つと、こんなにも変わるのか、ってな。
それっきり会えないし…。
ここで再会して驚いたものだ。あんな笑顔、俺には一度だって見せてくれなかった。
しかも6ヶ月しか居ないって…、まあ理由は歓迎会の時に耳にしたけどな。

しかも男4人にマワされて、鞭でやり返すし。


ずっと黙っていたら、ジュンの腕が動く。
俺の背に腕を回し、ギュッと抱きしめてくる。
(ジュン…)

俺の心臓の音が聞こえてないだろうか。
でも、何も言わなくても良い。
この静けさが、ジュンの温もりが居心地良い。


ふと顔を覗くと、目を瞑っている。
しかも、スース―と……。

こ、こいつはあっ!
人が告ってるのに無視して寝るだなんて、信じられねー!

まあ、考えようによっては笑顔に泣き顔にサド顔に寝顔と、色々と見れて良いかもな。


このままでも良いけど仕方ないなと思い、ジュンを抱きかかえベッドに連れて行く。
寝かすと、デスクに寄りメモ用紙に書いていく。
書き終わると、もう一度ベッドに近付く。
 「ジュン…、おやすみ」

頬にキスを落とし、部屋を出た。



ジュンの部屋から出ると、階段にフライトが座ってるのが見える。
自分の部屋へ戻る前に、バカ力のフライトへの怒りを思い出し傍らによる。
 「そこで何をしてんだ?」

フライトは声を掛けてきたトニーに目をやると溜息を吐いた。
 「なに他人の顔を見て溜息吐くんだ?」
 
そのトニーの表情を見てフライトは再度溜息吐く。
 「あーあ…、せっかく部屋に押し込んでやったのに。じゃあ、告っての返事は?」

トニーはフライトの両頬を抓ってやる。
 「ったいなー……」
 「うるせえよ。なに聞き耳立ててんだよ」
 「いや、気になって…」


トニーは自分の部屋へ戻っていく。

フライトは、その後姿に呟いていた。
 「仕方ないね…、一肌脱いでやりますか…」


しかし、残り時間はあまり無い…。












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危ない、危ない・・・
聞き耳立てて聞いてた方、トニーにはご用心を。

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