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サドなアイツと俺 (22)

そして、年も明け帰国するまで残り1週間をきった2月上旬。
トニーは、自分の気持ちを知ってもらいたくてジュンに告白する事に決めた。
このままだと、俺は美化されたままで手を出せないと焦っていたからだ。

ドアをノックする。
 
コンコンッ。
少し待ってると声がする。
 「はーい、誰ですか?」
 「俺だよ、トニー」

ドアが開いた。
 「なに、どうかしたの?」
 「話があって…」
 「部屋の中は片付いてないけど、それでも良い?」

そう言われ、部屋の中を見るとスーツケースがベッドの側とデスクの側にあり、帰国の準備をしているみたいだ。それを見て、焦った。
もう、今言わないと駄目だと。
 「ジュン、卒業したらどうするんだ?」
 「え?」
 「大学を卒業したら、仕事は何処でするんだ?」
 「トニー?」
 「俺は…、俺は…」

息を吸って一気に言う。
 「俺は、ジュン、お前が好きだ」
 「え……、トニー…」
 「お前が好きで虐めていた。なのに急に」
 「ちょ、ちょっと待ってよ」
 「何を待つんだ?俺は」
 「俺、トニーから虐められてないよ。助けて貰ってばかりだよ」
 「いや、虐めていたよ」

そこで、トニーは溜息を吐いた。
 「ってか、お前…、もっと早く分かれよ」
 「何の事?」
 「なあ、俺ってそんなに記憶にねえ?」

何の事を言ってるのか分からないジュンはハテナな表情だ。

 「悪いけど」
それ以上の言葉を聞きたくなく、トニーは遮って告白する。
 「俺だよ、俺。んっとに、フルネームで言ってやらあ。
トニー・ジャックマン様とは俺の事だよ。お前を虐めてたのは俺だっ」

 「は?」


部屋の外で騒がしくしていたのでフライトが口を挟んでくる。
 「煩いぞ、トニー」
 「そっちこそ黙れっ」
 「何を」

だが、トニーはフライトを無視し、ジュンの方に声を掛ける。
 「ジュンッ!俺は、お前が好きなんだっ」

フライトはトニーをジュンの部屋の中に押し込みながら言ってくる。
 「だから、そういう事は部屋ん中でやれ、って言ってるんだよっ」


うわっ!

フライトに押されたトニーは目の前のジュンに覆い被さる様に、ジュンの部屋の中に押し込まれてしまった。


トニーをジュンの部屋の中に押し込みドアを閉めたフライトは、やれやれ…と安心した表情をしている。こう呟きながら。
 「またカップル出来るのかな…」と。












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傍で見てると世話焼きたくなるよね。
フライトの気持ちも分かるわあ

で、実行に移したトニーもえらいっ

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