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サドなアイツと俺 (21)

その一部始終を見ていた人物が居た。

そう、トニーだ。
あれほど言ったのに、また絡まれてると思ったので、尾行してきたのだ。
 「うー…わぉっ…。あいつ、本当に強くなったんだな」


2人の男を鞭で倒したジュンは拘束具を回収すると,、チャーチの入り口に向かう。
当然ながら、男2人は裸のままだ。

 「どうするの?俺は帰るよ」

何が?と思っていたトニーは、その言葉が自分に向けられているとは思いもしなかったのだ。

すると、


ヒュンッ!!


カーテン越しに見えたのは…。
鞭が踊り、目の前でカーテンが破れ視界が広がった。
その先にはジュンがにこやかな顔をしている。
 「俺は帰るけど、トニーはまだ居るの?」

そこで気が付いた。
さっきの言葉は俺に向かっての言葉か、と。

 「よく分かったな」
 「そりゃね」
 「てっきり、お前がやられるもんだと思って尾行してきたんだけど、違って良かったよ」
 「ありがとう」

恥じらって、そう返してくれるジュンは先程とは違う。


トニーはジュンの手を握ってくる。
 「一緒に帰ろう」
 「うん」


フラットに帰りながらトニーはジュンに話しかけている。
 「でも、あの鞭使っている時は別人みたいでカッコ良かったな」
 「そう?」
 「うん。惚れた」
 「ありがと…」


暫らく黙っていたら、ジュンはポツリと言ってきた。
 「やられっ放しは嫌で、やり返そうと思ったんだ」
 「うん」
 「で、高校の時、鞭は必修だったんだよ。持って来てて良かった」
 「高校で必修だったのか?」
 「ドイツの高校は必修なんだよ」
 「へー、そうなのか」
 「うん。トニーもされてみる?」
 「え…。あー、でもしてみたいかも?」
 
ジュンは笑ってる。
 「あははっ…。トニーはされるのは嫌なんだね」
 「そりゃ、されるよりはする方が良い」
 「そうなんだ、覚えとくよ」

 「で、そういうのは買ったのか?」
 「買ったのもあるし、自分で作ったのもあるよ」
 「へぇ、自分で作れるんだ?」
 「うん。今度トニーにさせてあげるね」
即答だった。
 「いや、断るっ」






それからは何も起こらなかった。
それもそうだろう。
ドイツで過ごしていた高校時代、ジュンは、こう呼ばれていたのだ。
 『フォン・パトリッシュのサド』

高校の授業の一環で、鞭に限らず拘束具等のイロハから応用までを学び、ジュンは1年おきに開催される大会で優勝していたのだ。
1年生から2年生になる7月と、卒業時と卒業して2年後にドイツに来た時も、ジュンは優勝し三制覇したのだ。
有名になるのは当然だ。
そっちの才があったみたいだ。


だが、それはドイツを中心とした近隣国だけしか知らない。
なので、オーストラリアには知られていない。
キョージとフランツも黙ってくれていたのだ。

でも、来年はパースに戻ってるから受けれないだろうな。
四制覇したかったな…。
なんてことを思うジュンだった。












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いや、でも博人には知られていたかもしれないよ?
博人も幼少期はドイツで暮らしていたからね。
あのお喋りキョージが誰にも言ってない、という事は無いでしょう(きっぱりw
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