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サドなアイツと俺 (15)

トニーの身体をガラクタ類から助け出したジュンは聞いていた。
 「で、何してたの?」
 「え…。部屋の模様替えをしてた」
 「手伝ってあげるよ」
 「良いのか?」
 「うん」

誰かに遮られた。
 「ジュンは自分の部屋の片付けがあるだろう。
それに、トニーは脚立を壊さない」

 「たしかにそうだけど、手伝いぐらい…」
ジュンは後ろを振り向くと、黒髪黒目の男性が居た。
 「俺は、ここのオーナーがやっているパン屋で一緒に働いている。
アキラだ。よろしく」
 「は、はい。よろしくお願いします」


アキラは、俺を隣の部屋に押し込んでくれた。

あんまり荷物がないので、部屋を片付けるのも時間は掛からなかった。
その後、夕食をどこで食べようかと悩みながら1階に下りると、オーナーのツトムから声を掛けられた。
 「ジュン、おいで。今日は君の歓迎会をしようと思って夕食を用意してたんだ」
 「え、歓迎会?」


パン屋のカフェに行くと、料理が並んでいた。
ジュンは目を輝かせている。
 「わぉっ!チャーハンにギョーザに寿司にチキンにフレッシュサラダもあるっ」
 「好き嫌いは無いかな?」
 「無いですっ」
 「それは良かった」

ジュンは聞いていた。
 「オーナーって、料理作るの好きなんですね?」
 「うん。俺はいつもは日本食なんだ。でもギョーザと寿司は久しぶりに作ったよ」
 「嬉しいっ。ありがとうございます」


それじゃ、皆で乾杯しようか。
その声で、席に着く。

飲み物を手に取り、「いらっしゃい」という言葉に、ジュンは返した。
 「6ヶ月間ですが、お世話になります。よろしくお願いします」

大学での事、シドニーやドイツ、日本に居た間の事を聞かれては、それに答えていた。


トニーはジュンから目を離す事は出来なかった。
3年前の大学の入学式の時に会ったが、益々イイ男になっている。
ジュンは俺の事を忘れてるみたいだが…。
まあ、トニーって何処にでもある名前だからな。
フルネームさえ言わなければ良いか。

それに、帰国子女枠での国際科は数ヶ国を半年間隔で過ごし、これからの国際発展等の仕事に就くことを基本としている。

なるほど、それだと大学内では見つからなかったわけだ。



しかし、良い表情をするんだな。
こんな顔は初めて見る。
俺には泣き顔しか見せてないくせに…。












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トニーは気が付いたみたいだけど、ジュンは気が付いてない。
ニブちんのジュンですね(*≧m≦*)ププッ
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