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サドなアイツと俺 (14)

ここはフランス。
お隣はドイツで、海を隔てた向こうはイギリス。
ポルトガルにスイスに、オーストリア。
まだ高校生だった頃、キョージが連れて行ってくれてた所だ。

パースも好きだけど、こっちの方が自由奔放度が高く、ジュンにとっては第2の故郷と言っても過言でない国だ。


しかも、これから半年間お世話になるフラットのオーナーは、日本語が上手だ。
 「潤君、初めまして。オーストラリア人なんだね」
 「初めまして。ジュン=マイク・フクヤマです」
 「日本人とのハーフなんだね。
俺はツトム=ジョシュア・イサカ。フランス人だよ、よろしくね」
 「よろしくお願いします」

横から声が聞こえてくる。
 「ツトムの従兄のクリスだよ。よろしく~」
 「あ、はい。クリス、よろしく」

もう一人の声も。
 「俺はフライトだよ。よろしくね」
 「はい。フライト、よろしく」

オーナーのツトムが声を掛けてくる。
 「ジュンとマイク、どっちで呼ばれたい?」
 「ずっとジュンって呼ばれてたから、ジュンでお願いします」
 「OK!それじゃ、ジュン。君の部屋は2階だからね。これ、鍵だよ」
 「はい、分かりました」
 「荷物は入れてるからね」
 「ありがとうございます」


3階建てのフラットは、1階はパン屋で、2階と3階を貸し出している。
階段を上り、自分の部屋へ向かう。
鍵を差し込もうとしたら、隣の部屋から物音がしてきた。


ガタターンッ!!


思わず、隣室に入って行った。
英語で聞いていた。
 「だ、大丈夫ですか?」
その問いに、英語で返ってきた。
 「大・・、丈夫じゃ、ない……」

物音を聞きつけてきたのだろう、フライトが声を掛けてくる。
 「ああ、トニーは大丈夫だよ」
 「え、そうなの?」

 「フライ…」
 「フライでなく、フライト。はい、もう1回」

いや、言いたくても言えない状態なのでは?と思っていた。だけど、なんだか楽しそうな感じを受けて黙っていた。


フライトは思い出したように言ってきた。
 「ああ、そうだ。トニーはオーストラリア人なんだよ。同じ出身国の人が居て良かったね」
 「そうなんですか?それは嬉しいな」


ジュンは、トニーに手を差し出した。
 「ジュンって言うんだ。よろしくね、トニー」

その差し出された手を握りそうになったトニーは、思わず聞き返した。
(え、この手は俺を脚立の下から引っ張り出してくれる手ではなく…、自己紹介の挨拶の手なのか)と、少しばかり溜息吐きそうになったが堪える。
それ以上に、今、耳にした言葉が信じられなかったからだ。
なので聞き返していた。
 「え、ジュ…、ジュン?」
 「うん、そうだよ。よろしく」
 「こちらこそ、よろしく…」


ジュンは気が付いていなかった。
このトニーが、昔、自分を虐めていたトニー・ジャックマンだとは思っても無かったのだった。












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覚えてらっしゃいますか?
このフラットを。
そうです、今作のプロローグ的な物語『年齢も国籍も関係ない、欲しいのは一言だけ』の前編に出てきました。
その息子がオーナーをやっているフラットです。
そして、今話で、全ての物語は、
 「私と繋がった」というわけだな(by友明(・∀・)ニヤ)
 「だね^-^」(byジュン)

こ…、この、この出しゃばり親子がー
ゲシッ!( -_-)_θ☆)>_<)アイタッ!(byジュ)
キック!! (((((ヾ( ̄へ ̄ )/θ★)゜ο゜)ノ アゥ!!(byトモ)
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