FC2ブログ

archive: 2019年06月  1/3

好きになったのは年上で意地悪な人 (70) 

No image

 副社長と対面して、峰岸は叫んでいた。  「冗談じゃな! ……なかったんですか?」  「本当だよ。タイミングがなくて言えずじまいで終わりそうだったからね。ささやかな時間というプレゼントを岡崎君に贈った」  「そんな冗談を真に受ける副社長も」  だが遮ってくれる。  「本来は、4年前の3月末付けでやめていた」  「え?」  「それを延ばしていた。だけど、彼のキャパを超えることがあって、待ちませんと言わ...

  •  0
  •  0

好きになったのは年上で意地悪な人 (69) タイムリミット

No image

 あと数分しかない。 最後の曲がり角に着いたとき、足を止める。  「ここを左に曲がった部屋に居る」  「分かった」  峰岸は左に曲がる。  「峰岸」  その声に峰岸は振り向いてくる。  「お疲れ」  「ありがとう。峰岸も、お疲れ様」  「それじゃ」  「俺、今日付けで退社するんだ。お世話になりました。元気で」  呆れた声が返ってくる。  「お前ね、こういうときに、そういう冗談を」  「副社長、待っ...

  •  0
  •  0

好きになったのは年上で意地悪な人 (68) 性描写? 本日付けで退社します。

No image

 今日は俺の担当がある。 今更ながら緊張してきた。 少し時間が押してしまって、16時が16時半からになってしまった。 だけど、ディナー反省会は19時からだから十分、間に合う時間だ。  人体のしくみについて。 その話をした。 俺は体育学部だったから、ある程度は知っている。 それに空手も六段を合格したから、知識はある。  前半は話しをして、後半は一人でできるリラックス方法を教える。   その後は反省会ディナ...

  •  0
  •  0

好きになったのは年上で意地悪な人 (67) 

No image

  「見ての通り、最後にこれです」  思わず声が出ていた。  「うへぇ」   「うちのスタッフが自由に動いていますが、皆さんには基本形でしてもらいます。大丈夫です。スタッフが付いていますので」  タケシは口を挟んでいる。  「リーダー、こいつを使いたい」  「勝手なことしないでくれる?」  「大丈夫だよ。こいつなら運動神経いいから」  その言葉に悪い予感がする。  「おい、俺は」  「お前ならでき...

  •  0
  •  0

好きになったのは年上で意地悪な人 (66) 再会

No image

  「さあ、今度は二人ペアになって上り下りします。先に手本を見せますね」 手本の二人は走り上ると、前転で下りてきた。   「それでは、順番にいきます」  山本君は二番手の塩田君とペアになって、仲良く上り下りしている。 後ろから榊原君の声が聞こえてくる。  「え、峰岸さんとペア?」  「私と? 榊原君よろしくね」  「は、はい。こちらこそ、よろしくお願いします」  ってことは、俺は目の前の冴木君とペ...

  •  0
  •  0

好きになったのは年上で意地悪な人 (65) 最後の秘書研修

No image

 担当だから早めに着くように行く。 秘書課長の話から始まり、夕食まであっという間に過ぎる。 夕食後は、スポーツの時間だ。 なにをするのだろうと思っていたら、器具を設置している。  「佐藤君、それは」  担当者の佐藤君は、にこやかに応じてくれる。  「今時は、移動式というのがあるのですねえ」  すると声を張り上げる。  「それでは、紹介します。本日のスポーツはスポーツジムで働いている私の弟です。自己...

  •  0
  •  0

好きになったのは年上で意地悪な人 (64) 

No image

 あっという間に時は過ぎ、残すところ今日を入れて、あと3日になった。 終業間近になろうとしているときに声が掛かる。  「岡崎、送ること」  ああ、この人がいたっけ。  「お断りします」  「お前、付き合い悪いな」  「明日、明後日は研修があるんですよ。準備しないといけないので」  「研修……。ああ、秘書全員のがあるって言ってたな」  最後の研修になる。 さて、と。 俺の担当は日曜の16時だから、それに...

  •  0
  •  0

好きになったのは年上で意地悪な人 (63) 

No image

 でもバイオリンを弾かないと腕がなまると言うと、海ならどんなに大音量でも大丈夫だと言ってくる。 いや、バイオリンは大音量で弾く楽器ではないから。 いい所がある。 そういう言葉を口にした宮田常務は「10分後に駐車場」と言い残して自分の部屋へと戻った。  どこに行くのだろうと思い車に乗り込む。 到着したのは、夢の島。  「なんで……」  「来たかったんだ。それに誰も住んでないから堂々と弾けるぞ」  この人...

  •  0
  •  0

好きになったのは年上で意地悪な人 (62) 

No image

 寝返りが打ちづらい。 しかも身体が動きにくいのは、どうしてなんだろう。 違和感があり目を開けようと試みるが、眠気に逆らわず、そのまま寝ていた。  目覚ましの音が鳴る。 ピピピッ、ピピピッ。  「んー……」  手を伸ばし止めようとする。  「ん……、ん……、ん?」  手が届かないところにあるのか。あれ、夕べはどこに置いたっけ。 それに何やら脚が動きにくいのだけど、どうかなってるのだろうか。 声が聞こえて...

  •  0
  •  0

好きになったのは年上で意地悪な人 (61) カミングする

No image

 3月も中旬になった。そんなとき、重森君が戻ってきた。  「お帰り」  「ただいま。メインはきつかったです」  「上二役をやって専務のメインだからね」  「なんか瀬戸常務を見てたら安心します」  「あはは、瀬戸常務は癒し系だからね」  「そうですよ。ああ、ホッとする」  重森君には悪いが、すでに瀬戸常務には言ってある。  「重森君、戻ってきてそうそうなんだけど、今週の木曜から来週の月曜まで休むので...

  •  0
  •  0