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archive: 2019年02月  1/3

陸上&医者。すべての物語は、ここから始まる! (47) 夕食メニュー

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 墓参りも済ませた俺は片瀬を引っ張り回してやる気で、駅近くのラーメン店に入ってやる。  「ちょ、ちょっと由治」  「腹が減ってるんだ」  「早くない?」 片瀬の言葉を無視してラーメン店に入るなり店員に声を掛けてやる。  「いつものよろしく」  「はいよっ。あれぇ、久々だねえ」  「本当に覚えてるのかどうか疑わしいな。結局、店を継いでるのか」  「親父が死んだからな。由治のいつものって、バターラーメ...

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陸上&医者。すべての物語は、ここから始まる! (46) 

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 そのフィールドは、まさに巾跳びの決勝戦が始まろうとしていた。 1回目、皆は流す様に走り跳ぶ。 2回目、同じ様に跳ぶ生徒もいれば、タイミングを計る様に跳ぶ生徒もいる。 そして、本番の1回目。 並んでるのは10人にも満たない生徒。 巾跳びは人気のある競技だ。 その中に、治が並んでいる。 思わず手摺りに身を乗り出していた。  「治っ」 届かなくてもいい。 だけど、もっと声を聞いて欲しい。 その一心で声を...

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陸上&医者。すべての物語は、ここから始まる! (45) 

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 高校の夏休みに入る前の大会、都大会に観戦に行った。 競技場だなんて高校卒業以来だ。 片瀬は嬉しそうにキョロキョロしている。 「おのぼりさんじゃあるまいし」 「だって、初めてなんだよ。テレビで観るしかなかったけど、こんな所で走るのかあ」 「あんまりキョロキョロするなよ」 「うん。私はインドア派だから楽しみだ」 「そりゃ、良かったよ」 片瀬の口調が変わった。 「スカウトするの?」 「いや、治と高校生...

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陸上&医者。すべての物語は、ここから始まる! (44) 

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 俊平君が教授になった春、治が付属高校に編入してきた。 望遠鏡で覗かなくても、毎日の様に報告がくる。 ただ、驚いたことがあった。 治が編入してきた年を含めた数年間、編入者の内の8割は父親が死んでるということだ。 まさか……と思い、阿部監督が遺したデータと照らし合わせ見る。 これは……。 阿部監督、あなたって人は……。 「片瀬、頼みがある」 「何?」 「この4年間、高校に編入した生徒のDNA鑑定をして欲しい...

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陸上&医者。すべての物語は、ここから始まる! (43) 俊平の愚痴、ダダ漏れでした。

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 遠回りしたけど、俺は治のことを好きだし大事に想ってるよ。 だから、結婚してくれ。 そう言うと、順番が逆だと言われ気が付いた。 そういえば、恋人になってないなと。 だから、言い直した。 「俺の恋人になって付き合って」 「嬉しい」と言って抱き付いてくれた。 でも、俺には分かっていた。 この嘘つきな泣き虫治を1人にしておきたくない。 6年間、東京に居たから、どんな所なのかは分かってるつもりなので話して...

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陸上&医者。すべての物語は、ここから始まる! (42) 

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 俺は、あいつにぶちまけていた。 いつも一緒に居れると思っていたのは俺だけなのか。 俺は、お前が居ないと駄目なんだ。 それに、俺は、お前の何なんだ。 担任に何も知らせず、なんで陸上顧問リーダーにしか言わないんだ。 担任である俺は、一番最後か。 違うだろ、一番最初だろ。 俺は、お前の事をずっと見てきた。 これからも一緒だと思っていたのに、それをお前は捨てるのか。 それに、おばさんも何も言わずに俺を一...

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陸上&医者。すべての物語は、ここから始まる! (41) 

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 高校生になってからは担任を受け持っていたけど、あいつは1人だった。 その本当の意味が分からなかったんです。 どこからなのか分からないが、”特待生として迎えるはずだった雅治は一般受験して合格した。この学校の創設者の子供だ”と学校中の皆が知っていて、遠巻きにしてるんです。 それは治の耳に入っていただろうに、あいつは何も言ってこなかった。 その夏休みに入ろうとしていた数日前に、急に居なくなったんです。 ...

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陸上&医者。すべての物語は、ここから始まる! (40) 暴露する

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 編入するという事は、治も千鶴も俊平君には話してないみたいだ。 俊平君からのメールは部活のことだった。 数日程したら大学の入学式になるという日、俊平君が大学に来た。 真面目な表情をして思い詰まった感じだ。  「どうしたんだい?」  「養子縁組を切りたいです」  「千鶴に話した方がいいと思うが」  「おばさんには言えないです」 俊平君は言い難そうな表情をしていたが意を決したみたいで、「実は……」と切り...

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陸上&医者。すべての物語は、ここから始まる! (39) 

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 最近の治の顔をプリントアウトし、探偵サークルやプロの探偵に探させる。 だが、誰も何も手応えはなかった。 夏休みも盆に差し掛かろうとしているインハイ間近な頃、電話があった。  『治が、自分で戻ってきました。何処に居たのか聞いても”分からない”の一点張りです』  「怪我は?」  『ないです。その代り肉が付き隙のないフォームになっています』  「どこかで走ってたのか……」  『だと思います。トラックを軽く...

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陸上&医者。すべての物語は、ここから始まる! (38)  

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 連絡先にメルアドを教えてもらっていたので、こっそりとメールしてみた。 翌日、パソコンを立ち上げると返事が着ていた。 『アパートに下宿して、そこから学校へ勤務しています。週末は治に勉強を教えてます。英語が全くできないけど、可愛い弟です』 ふふ、俺と同じだな。 俺も英語は苦手だったから、俺のDNAから受け継いだのかな。 治、英語ができないと進級できないぞ。 1ヶ月に一度の割合だけどメールのやり取りをし...

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