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夏休みは沖縄旅行 後半(29) 『あのね、私だって人間なんだよ』

ここには何度か来たことがあるので、食料も何処に行けばあるのか分かっている。
瀬戸をそのまま寝さし、桑田はリュックからナイロン手提げ袋を取り出すと、それを手に滝の向こうに消えた。


暫らくして目を覚ました瀬戸は信じられない物を見ていた。
だって、洞窟に寝転んでいるんだから、驚くのも無理はない。
記憶を遡っていくと思い出した。
そうだ、俺は滝水を飲んで、そこで意識を失った様に寝てしまったのだ。

すると、何かを手にして桑田専務が近付いて来た。
 「専務…」
 「起きたか」
 「あの、専務、ありがとうございます。迷惑お掛けましてすみませんでした」
 「次からは何か一言言ってからにしてくれ」
 「はい、申し訳ございませんでした」


専務は隣に座り込んできた。
 「まあ、今日はゆっくりとしよう。で、この洞窟で寝よう」
 「え、この洞窟の中でですか?」
 「果物しかないが、何も無いよりましだろう。ほら」
そう言って、果物を手渡してくれた。
 「あ、ありがとうございます」

桑田専務が、絶対に自分の手を使わない、誰かに命じてさせると言われてる専務が、自分の為に何処かで果物を見つけ、しかも洞窟に連れて来てくれた。
もう、それだけで一杯だった。
胃が痛くなりそうだ。
でも、こんな優しさを知るのは自分だけだ。
そう思うと、気持ちが楽になった。


 「専務」
 「何だ?」
 「ありがとうございます」
 「あー…、暑すぎもあるし熱中症になりかけてたみたいだ。あのさ、私だって人間なんだよ」
 「気分が楽になりました」
 「それは何より。ゲームは始まったばかりだし、気負わなくて良い」
 「ありがとうございます」


優しい眼差しに物言い。
見返りは高く付くだろうが、今はこの優しさがありがたい。
 「頂きます」
そう言って果物をパクついてる瀬戸を愛おしげに見ている桑田だった。


ここからだとNo.5の方が近い。
いくら治ったとはいえ、病み上がりに傾斜のある山登りは酷だ。
少し遠回りになるが、地面を歩いて行くか。



翌日。
目が覚めた瀬戸はスッキリ顔をしていた。
 「専務、おはようございます」
 「おはよう。気分はどうだ?」
 「ありがとうございます。すっかり元気になりました」
 「それは良かった。果物だけど、食べたら歩くぞ」
 「はい」



皆は勿論だが、この島の持ち主である副社長にも知らない事があったのだ。
数多くの地震。
それにより地形に変化が起きていたのだ。







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暑さにやられた瀬戸常務を見舞ってる桑田専務の図でした。

いくら重役リーダーとして畏れられていても、血の通った人間なんだよ。
見返りの件は覚悟しといた方が良さそうねww

夏休みは沖縄旅行 後半(28) 桑田専務&瀬戸常務編

※桑田専務&瀬戸常務※


いきなり瀬戸の声が耳に飛び込んできた。
 「桑田専務、どうやって行きますか?」
その問いに、桑田は不気味な表情で返してやる。
 「実は…、No.1以外の小屋は、場所を知ってるんだよ」
 「ええっ!ほ、ほんとですか?」
 「声が大きい」
 「あ、すみません…」

声のボリュームを落とし、瀬戸は聞いていた。
 「来られた事あるのですか?」
 「何度か」

桑田専務は瀬戸常務に選択肢を与えてやる。
 「道中を楽しみながら小屋に行くのと、小屋に行き、ゆっくり遊ぶのと、どっちが良い?」
 「うーん…、両方って言ったり」

桑田は決めたみたいだ。
 「それなら、No.2の小屋にするか」
 「はい」
 「私は道を知ってるから、瀬戸君が先頭ね」
 「え…、は、はい、分かりました」


普段は皆を統括していく重役リーダーという肩書と重みを感じながら仕事していた。
副社長が社長になると、自分は副社長の座が待っている。
それは、坊ちゃんがアスリートしてた時から言われてた事だ。
だが、坊ちゃんは常務になり、社長秘書をしていた高瀬は辞めてしまった。
明智が会社を辞めたのも想定外だった。
何をしでかしたのかは知らないが、明智が辞めたお蔭で重役の均衡は崩れてしまった。
峰岸は坊ちゃんに取られるし…。
今回のパートナーは瀬戸だから、まだ許せてるんだ。
これが坊ちゃんだったら、私は勝手に一人で小屋に入って行っただろう。


先頭を歩いている瀬戸は、バカな事は言えない、冗談も通じない相手とパートナーになったお蔭で緊張していた。
変な冷や汗が出そうだが、専務の前を歩いてるのでバレる事はない。
No.2って、どう行けば良いのだろう?
こんな簡単な地図だと、真っ直ぐ行けば良いのだろうか。
まあ、桑田専務は道を知ってるみたいだから、間違えたら何か言ってくるだろう。

ああ、駄目だ。
喉が渇いた。
それに暑いし、まだ安藤島の方が良かった。

それもそうだろう。
瀬戸は終わりの方しかゲームに参加しなかったのだから。
あの時の皆の過酷さは分からない。
水分補給しながら、瀬戸は歩いていた。


桑田専務は何も言ってこない。
こっちから言わないと何も返してこない人だ。
全然、楽しくない。
安藤専務の方が良い。
でも利根川専務でも良いな。
煩いし意地悪だけど扱い易いからな。


どれ位歩いただろう。
もう、しんどくて歩きたくない。
そう思っていたら、水音が聞こえてきた。
その音に近付く様に歩を進めた。
音からして、これは沢とかではなく滝かな。
ヒンヤリとする場所に導かれるように歩いていた。
ガサガサと繁みを掻き分け、現れてきたのは小ぶりの滝。
 「涼しい…、気持ちよさそうだ」

その滝に近付き覗いてみると、水は澄んでいる。
嬉しくなって、顔を洗っていた。
一口、口に含み口の中をゆすぎ土に掛ける。
ああ、さっぱりした。
リュックを下ろして中からハンドタオルを取り出し、滝水に濡らし軽く絞ると顔に当てる。
 「あー…、気持ち良い」


桑田は声を掛けようとしたが、瀬戸の姿は見えない。
 「瀬戸…?あれ、あいつ何処行ったんだ」
自分の目の前を歩いていたのに、何も言わずに何処かに行ったのだろうか。
こんな別行動を取る様な奴ではないのに。
それとも暑さにやられて、どこか途中でへたばってしまって、無意識に通り過ぎてしまったのか。
 「うーん…、もう少し待ってみるか。ったく、あいつは」

もう少し行くと滝がある。
そこで休憩して探しに行こう。
そう思っていた。

その滝に向かって繁みに入っていく。
その繁みから出て滝に向かって数歩歩くと、誰かが倒れているのが目に映った。
近付くと、瀬戸だった。
 「瀬戸君、さっさと行かな」

瀬戸の顔を覗きこんだ桑田は、瀬戸の身体を揺さぶっていた。
 「寝るなっ!瀬戸っ!」



重い瞼を開けた瀬戸は、今にも死んでしまいそうな感じだ。
そんな風に思わされる声で、返していた。
 「少しで、良いので…、休ませて、下さい…」
 

その言葉を聞いて桑田は安心した。
 「生きてるのか、生きてるんだな。ああ、良かった…」








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そして、五組目は桑田専務&瀬戸常務。

皆さん、出そろいました~

夏休みは沖縄旅行 後半(27) 安藤専務&高橋常務編

※安藤専務&高橋常務※


高橋は安藤専務に声を掛けてきた。
 「安藤専務、上から行きませんか?」
 「上って、何?」
 「木登りして上から全体を見回して全体を把握するのです」
 「ああ、そういう意味ね」
 「そうです。では登ってきますので、暫らく待ってて下さいね」
思わず「はい」と返事してしまった。
え、誰が木登りするって…。

高橋常務は何処行った?
見回してると、楽々と木登りしている高橋常務の姿が目に映った。
 「へえ…、意外とやるんだな」

俺も登りたい。
そう思い、安藤も高橋の後を追う様に上って行く。
 「何か見えるのか?」
 「専務、木登り出来るのですか?」
 「得意だよ」
 「へえ、そうなんですね」
 「高橋常務が体育系だとは思わなかったな」
 「私は田舎出て、木登りは日常的でしたので」
 「田舎って何処?」
 「新潟です。県境の方で、でもJRと私鉄の電車が走ってます」
 「新潟かあ。俺の母親の里は山形なんだ。中学までは山形に居たんだ」
 「お隣さんですね」
 「そうだね」


2人して話し合いながら、木のてっぺん近くまで登っていく。
すると、何かが光って見えた。
なんだろうと思い、安藤は上ってきた木の後ろにある木に移り、また登って行く。
2本、3本とそうやって登って行くと高橋常務の声が聞こえてきた。
 「専務、専務。見えますか?」
 「え…、あ、何?」
 「あそこ、洞窟ですよ」
 「は…?こんな木々の中に洞窟?」
 「もう少し近寄ってみますね」


そう言い終わると、高橋常務は、その洞窟を目掛けて進んで行った。


どの位、待っただろう。
すると常務は戻ってきた。
背負っていたリュックはどうしたのだろうか。
 「専務。あの洞窟の近くにありましたよ。これからゆっくり出来ますね」

嬉しそうに言ってくれるが、もしかして…。
聞かずにおれなかった。
 「もしかして、小屋?」
 「はい、そうです。付いて来て下さい」


高橋常務の後を付いて行く事、20数分。
洞窟に着いた。
そして、その洞窟の斜め上には小屋があった。
その小屋の出入り口の前に、高橋常務が背負っていたリュックが置いてある。
 「凄いな…。もしかして、一番先に見つけたって事か」
 「荷物置いて、ゆっくりしませんか?」
 「そうだな。で、探検しよう」
 「先に食料の確保です。探検は、その後です」
 「はいはい、そうでした」


小屋に入ると、砂がいっぱいで、埃が舞い踊っている。
 「これは…、先に掃除だな」
 「ですね。すみません、中に入って見てませんでした」


No.3の小屋は、どこのチームよりも早く見つけられた。







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そして、四組目は安藤専務&高橋常務ペアでした。
仲良しの雰囲気があって、良いですね~

夏休みは沖縄旅行 後半(26) 利根川専務&久和田常務編

※利根川専務VS久和田常務※


久和田は急に何処かに向かって走り出した。
 「おい、何処に」

嬉しそうな声が聞こえてきた。
 「バナナ見っけー」

重役8人の内、唯一食に煩いのが久和田だ。
嬉しそうに、美味しそうにバナナを食べている。
まあ、久和田が相手なら食にありつける。
春の安藤島では悲惨だったからな。
だけど、本当は高瀬の居る南国に行きたかったんだ。
それを、あのデブ社長は「冬のボーナスの査定に響く」と言ってくるんだから。
 

春の安藤島での結果は、秘書が変わっただけでなく、夏のボーナスにも響いていたのだ。
だから、冬のボーナスも下がるだろう。それだけは避けたいから、今回、皆と来たんだ。
相手が久和田でなく坊ちゃんだったら、ヤリ放題なのに。
この沖縄での1週間は我慢出来ただろう。
パートナー、変えてくれないかな。
でも、副社長が相手だと、それは言えない。
さっさと一番先に行動を起こしてくれた2人だ。
今は、どこに居るのだろう。


考え込んでいると、声が聞こえてきた。
 「なにシケタ面してるんだ?利根川専務はバナナは嫌いですか?」
 「え、あ、いえ、好きです」
 「なら、ほい」

久和田はバナナを1本、手渡してくれる。
まあ、良いか。
皮を剥き、一口齧る。
 「甘い…」
 「だろ。美味いだろ」

久和田は、あたかも自分が作ったと言いそうな表情をして言ってくる。
食い終わると、久和田はリュックからビニール袋を取り出し、それにバナナの皮を入れてリュックに押し込んでいる。
そういえば、副社長が言ってたな。食い散らかすのはNGだと。
なので、俺も水の入ったペットボトルを取り出し、二口三口と口に含むと、バナナの皮をスーパーのビニール袋に入れ、リュックのポケットに突っ込んだ。
 「利根川専務は何番の小屋が良いですか?」
 「1番」
 「だよな。俺も1番が良い」
久和田は、仕切ってくれる。
 「そろそろ行きましょう」
 「ああ」


乗り気ではないが、ボーナスが少ないと困る。
来年もすると言うと、断ってやる。
早く帰りたいな。
それか坊ちゃんと会ってヤリたいな。



久和田はボーナスに関係あるのは知っていた。
だが、利根川の本音は分からない。
常務より専務の方が上の位置だというのは知ってるが、利根川の言う通りにしようという気はさらさらない。だから、俺が仕切ってやる。
専務の中で、一番年下の利根川専務。
人を見下す視線を向けてくるが、この間の1ヶ月半の有休で何をしていたのか分からないが、以前とは何かが違ってきている。

真っ黒クロの助。

坊ちゃんは、そう言って勝手に同士にしてた。
いつの間にか坊ちゃんの黒は健康色に戻ったが、利根川は黒のままだ。

利根川。
お前が変わらない限り、皆は変わらない。
坊ちゃんを見習うんだな。







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そして三組目は利根川専務&久和田常務ペア。
犬猿の仲みたいです。。。

夏休みは沖縄旅行 後半(25) 社長&本田専務編

※社長&本田専務※


 「さて、私たちも行くか」
そう言って腰を上げた社長に、本田は「はい」と返事をした。
 「一番見つけやすい場所が良いですね」
 「そうだな。No.4か5だな」
 「No.1は」
 「見つけにくさNo.1だと教えてくれたよ」
 「それ、他の人に」
 「言ったら面白くない」
 「それもそうですね。No.3は如何ですか?」
 「この島って、縦に長いんだよなあ」
 「という事は?」
社長はジェスチャーで教えてくれた。
 「平面図だと分からないのだが、3が一番高い所にある」
 「ええっ、私、高所恐怖症なんですよ…」
 「私もだ」

もしかして…と思い、社長に聞いていた。
 「社長室が最上階でなく2階にあるのは、それだからですか?」
即答だった。
 「そうだよ。3階ともなると窓の下は見れない。普通は最上階にするらしいが、私には無理だ」
 「そういう理由で2階にされてたなんて、意外な…」



2人でNo.4を目指し、砂浜を歩いていたら端っこに着いてしまった。もう、ここから先は森の中を行くしかないみたいだ。すると本田が声を掛けてくる。
 「社長。社長、こちらに小径がありますよ」
 「それなら、そっちから行こう」

本田を先頭にし、社長は後ろを付いて行く。
そのなだらかな小径は緩い傾斜になっていてNo.5に向かっている。だけど、2人には分かって無かった。分かったのは「うわっ」という社長の声が聞こえたからだ。
その声に、本田は振り向いた。
 「え、しゃ…。社長ー、どこですかー?」

そう、その社長は入ってきた小径の道をゴロゴロと転がり落ちたのだ。
だが、気が付かない本田は、なおも社長を呼んでいた。
 「社長、社長っ」

溜息付いて、呟いていた。
 「ったく、転がりやすい丸い体型なんだから…。あれ、でも…」
何かに気が付いたのか、本田は寝そべる態勢を取る。
体重が…、重みが下に移ると、身体が勝手に動く。
この道は斜めだ。
だから、社長は転がって行ったのか。

本田は重役8人の内、一番丸っこい体型をしている。
社長程ではないが、転がりやすいのだ。

 「わっ…」


あっという間に、社長の横に着いた。
 「本田君もか…」
 「この道、斜めです…」


ペットボトルの蓋を開け水分補給をした社長と本田は、今度は木々の生えてる地面を歩き出す。
先程転んだせいで、身体が痛い。
だが、もうゲームは始まっている。
No.4か5の、どちらでも良い。
早く小屋を見つけて、ゆっくりしたいと思っていた。


少し歩くと道が途切れ、洞窟が見えてきた。
 「社長、あそこでゆっくりしましょう」
本田の声に、社長は同意を示した。
 「そうだな、あそこで一休みするか」


2人揃って洞窟の中に入った。
 「この中はひんやりとしてますね」
 「外は暑いから、余計に涼しいよな」
 「ああ…、一息ついた」







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そして、二組目は社長&本田専務ペア。
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