BL風味の小説

BL風味のオリジナル小説です。
2017年09月 ≪  12345678910111213141516171819202122232425262728293031 ≫ 2017年11月
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年齢も国籍も関係ない、欲しいのは一言だけ 前編(1)

今日も良い天気だ。

ここは田舎に部類されるだろうけれど、のんびり感があって俺は好きな場所だ。
『Astre』(アストレ)の開店時間になる30分程前、女の声が聞こえてくる。
 「明様ぁー、エッフェル塔とか見に行きましょう。デートしましょう、デートを」

 「げ」
 「げ、とは何よ。誰に向かって言ってるのっ」
 「あんたにだよ。なんだって、毎週、毎週、ここに来るんだよ」
 「明様が、ここを引っ越さないからよ。」

すると、その女は指差してくる。
 「良い事。こんなちっぽけな所のオーナーが、誰に盾突いてるのか分からせてあげる」
 「分かりたくもないね」

息を吸ったのだろう、小さい胸が少し上に位置する様に動く。
 「私は、世界各国に名立たる会社の羽鳥社長の次なる後継者と言われてる、明様の婚約者であり、そこの常務の娘よ。羨むことを習うのね」

ボソッと言ってやる。
 「名も無い金持ちとハーフばっかりの私立高校と大学出のくせに、威張る様なもんか…」


そう言ってやると睨まれた。
 「明様は?」
 「知らない」
 「なら、しらみつぶしに探すわ」
 「なっ…」

 「ここって階段しかないのよね。ったく、これだから貧乏は…。立地とか良いのだから、買い取ったらエレーベータ―を設置しないと」
とブツブツ言いながら、その女は階段に向かって行く。
冗談じゃない、住人からクレームがくるのは目に見えてる。
なので、追いかける様に声を掛ける。
 「おい、止めろよ」
 「なに、私の腕を握ってるのよ」
 「あんたのせいで住人からクレームがくるだろ」
 「離しなさいっ。クレームって、何よ」
 「あんたがしらみつぶしに探すって言うから」
 「なら、明様を出しなさいよっ」
 「だから、何処に居るのか知らない、って言ってるだろっ」

すると、その女は階上に向かって大声をだしてきた。
 「明様!保高絵美(ほだか えみ)です。お迎えに参りましたよっ」
 「おい、あんた声デカいんだよっ」

 「あんた呼ばわりしないでくれる?私が、あんたをそう呼んであげる」
 「別に、呼んで欲しくないね」
 「なら邪魔しないで」

そこに、別の声が割って入る。
 「これは保高女史、どうされました?」

その声は…、と振り向くと父が居た。
 「な…」
その女は声を掛けられ振り向くと、にこやか顔になった。
 「あら、井坂の小父様。お久しぶりです」
 「お久しぶりです。どうされたのですか?」
 「明様とデートしようと思って、迎えに来たのです」

父は、その女と話をしている。
こっちは開店前で忙しいんだよ。
二人で勝手に和んでくれ。



すると、奥からフライトが声を掛けてきた。
 「ジョシュア―、今日の酒饅頭出来たよぉ」
 「メルシィ」

奥に入ると、カレーとクリームスープが出来上がっていた。
酒饅頭はホカホカと湯気立っている。
 「美味しそうなクリームスープだ」
 「自信作なんだ」
 「それじゃ、こっちを頂く」
 「どうぞ」


そう、あれからフライトはモデル業の傍ら、うちでバイトをしている。
幼馴染のフライトはモデルの仕事は昼からなので朝はゴロゴロとしてる。なので仕込みだけでもしてくれるのだ。

従兄のクリスは結局は大学時代バイトしていたカフェに従業員として就職し、今日は仕事が早出の為、朝も6時から仕事へ行ってる。
夜勤の場合は、ランチタイムを手伝ってくれる。

それと、もう一人。
恋人の明。
東京に居た時は大人しかったのだけど、フランスに来てからは名前通りに明るくなっている。
『Astre』の裏方がメインで、夜は店を手伝ってくれる。
今日は、『Astre』の裏方の仕事で税理事務所へ行っている。

そう、あの煩い女が言っている「明様」だ。
明の酒饅頭の作り方で、チョコレートを加えてチョコ味の酒饅頭を作ったのだ。
成人男性の口で二口大ほどの大きさにして、蒸すだけ。
チョコレートは企業秘密で内緒だ。

しかし、これが思った以上にバカ売れして、売り上げは好調。

違う手が伸びてくる。
 「日本酒の匂いがしてくると思ったんだ」

お父ちゃんだ。
その手が、3個を掴もうとしているので叩いてやる。
 「だめっ」
 「なんで?」
 「売り物なんです」

お父ちゃんは椅子を引き座ろうとしている。
 「あの女は?」
 「明君を探すと言って、外に出たよ」

俺とフライトの声はハモっていた。
 「まったく、毎週毎週、飽きもせず来るよな」
 「この2年間ずっとだよね」

お父ちゃんは苦笑している。
 「そうなんだ…」

 「で、何を食べてるんだ?」
 「賄い」
 「食べたい」
その言葉にフライトが応じる。
 「カレーとスープ、どっちが良いですか?」
 「カレーにしようかな」
 「ありがとうございます」



食後、お父ちゃんはランチタイムを手伝ってくれた。
16時過ぎには仕事で会社へ行くみたいだから、明と鉢合わせする事が無く安心した。
17時前に明が帰宅したので今朝の事を言うと、嫌な表情をしている。
 「ったく、あの女は……」


しかし、問題が1つ。
お父ちゃんは、1年間、こっちに居るとの事で、俺と同じ部屋を希望している。
どうしよう…。
部屋は空いてないし、2階3階に縦長く続いていた管理人室も、2階は『Astre』の事務室にしてるし、3階は306号として入居者居るからな。












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覚えてらっしゃいますか?
この主人公のツトム(=ジョシュア)を。
『年上攻め×年下攻めカップル』の主人公だった井坂ジョシュア=勉です。
そして、相棒の明は、その片割れの羽鳥明です。
実に…、1年7ヶ月ぶりの登場です。

そして、その問題の女性。
そうです、本人も言ってますw
 「羽鳥明の自称婚約者」です。
(*≧m≦*)ププッ
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