『ヴィオレ・パルル』の男前二人 (15)

振り向くと、懐かしい顔があった。
 「やあ、アキ。久しぶりだね、元気そうだな」
 「コウジ…」
 「覚えてくれて嬉しいな」

コウジはアキから、さっきのマッチョに目を向ける。
 「足を洗った奴に何をして欲しいって?
このドぐざれ野郎がっ!
自分の手下が2ケタにもならないからって、一般人を巻き込むなっ!」

コウジは、自分の周りに居る下に口を開く。
 「お前等、あいつらを取り押さえろっ!」

族の中では、トップに次ぐ力の持ち主の人物コウジは、サド・パープルと呼ばれていた。
俺は、いつもトップのヨシさんとコウジから可愛がられていたものだ。
 「ごめんね、アキ。俺等の事に巻き込んでしまって」
 「コウジ…」
 「それよりも、彼はアキの彼氏かい?」
 「はっ?」
 「あ、違うんだ…。彼氏候補なんだね、納得」
 「何を勝手に…」

くすっと微笑んだコウジは昔よりカッコ良くなっている。
 「あのな、あいつは」
 「アキの好みだよね。大丈夫だよ、自分に自信を持って」

(違うんだけど…)と思いながら溜息を吐く。


 「コウジ!てめぇ、何をアキに吹き込んでんだっ」
 「お前には関係のない事だ」

たしかに関係のない事だ。
なので言ってやる。
 「良いか、ショウマ。お前だってやろうと思えばやれるんだ。俺みたいな足洗ったのを巻き込むより自力で這い上がる事をするんだな」
 「るせえよっ!このイイ子ちゃんが。貴様等、殺さずにアキをひっ捕らえろっ」


 「アキ、帰れっ」
 「誰が帰らせるかっ」
 「お前の考えは分かっている。アキを取り込みトップに座らせて、後見人になるつもりだろう。
そんなにトップになりたいかっ!」

それを聞いてアキは驚いた。
 「なに、それ…」

ショウマは言ってくる。
 「お前はヨシさんの従弟のガキに似てるって、もっぱらの噂だからな。
でなきゃ、ヨシさんの近くに居れるわけないだろ」


ヨシさんの従弟のガキ。
一度だが会った事がある。
あの子は可愛くて、ヨシさんが目を細めて猫可愛がりしていた。
あんな子に似てるとは思っても無い。
だけどな、ショウ。
テメェに言われなくても分かってらあ。


無意識に、アキはコウジの前に出ていた。
 「アキ、お前は帰れっ」
 「アキ、覚悟しろっ」

 「君、アキを抱きしめてっ。暴れさせないでっ」
とアキを押し付けられたコウタは、ぎゅっ…とアキを抱きしめた。




アキを抱きしめたまま路地に蹲っているコウタの背後では、色々な音が聞こえてくる。
罵声に怒声。
殴ったり、蹴ったりしている音等、他にもヒュンッという何かを切り裂く音も。


アキはコウタの腕から離れようとしている。
耳元で囁く様に言ってやる。
 「アキ、アキ…。俺に抱かれていて…。アキ、離さないから…」
 「俺は」
 「アキ、絶対に離さないから」


だから、俺の腕に素直に抱かれていて。
俺は、お前を危険な目に合わせたくない。
それに、あの人が俺に言ってきたんだ。
 「アキを抱きしめて、暴れさせないでっ」って。












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Happy Halloween!!

乱闘が始まりましたね。
アキは暴れるとどうなるのだろ(・・?
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