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青春ド真中 (9)最終話

一人は寂しいが、でもユウは目を合わせない様に俯いてるから、ちっとも楽しそうに見えない。
俺が居なければ、家族同然の高田先輩と一緒に5人で楽しめるだろう。
そう思って、俺は文雄さんに宿題を出したんだ。


でも、高田先輩が作ったカレーは本当に美味しかったな。
脂っこくもなく、本当に料理を作るのが好きなんだな。
俺も、オリジナルな味を研究してカレーを作ろうかな。
ルーではなく、スパイスだな。どんな種類が良いかなあ…。

文雄さんは、3週間は居ない。
分かってる、自分が出したのだから。
でも、明後日からバイトだから、明日は掃除をしよう。



 「おはようございます」
 「弘毅君、おはよう。ニューヨークはどうだった?」
 「楽しかったです。店長、ニューヨーク土産です。どうぞ」
 「ありがとう」


和菓子屋だったのだけど、スーパーになったバイト先。
時給は安くなったが、それでも平日も3時間シフトに入れるので、1ヶ月のバイト料は和菓子屋だった頃よりは多く貰えてる。
それに、社員価格で買えるというのも、魅力の一つである。
夏休みの間は、朝10時から夕方18時までを、週5日している。
ピアノ教室は、この7月一杯で止めたけど、弾く事は止めてない。
エスカレーターで大学行く事を親と話したから良いけど、将来というか、目標が無い弘毅は不安で一杯だった。


ガー……。

自動扉が開く音が聞こえる。
お客さんだ。
本当は「いらっしゃいませ」と言うのだけど、今は言えない。
なにしろ、店長と一緒に土産のチョコを口に入れてたからだ。

暫らく経つと、声が掛かる。
 「すみません」
 「あ、はい。いらっしゃいませっ」

レジに行くと、文雄さんが籠を手にレジ台に立ってる。
 「買い出しですか?」
 「うん、誰かさんが宿題出してくれるからね」
 「作られてるんですね」
 「それに、こっちで買う方が、弘毅の顔が見れるからね。安く買えるし」
 「ありがとうございます」

その言葉を聞いて、弘毅は嬉しかった。
文雄はレジを打ってる弘毅に話し掛けてる。
 「明日、夕食後に戻ってくるから」
 「はい、え、あ、明日?」
 「うん。弘毅が居ないと寂しい」

その言葉に、弘毅は頬が緩む。
 「文雄さん…、俺も寂しくて」
 「だろう?21時頃になるかな…」
 「はい、待ってます!」


文雄が戻ってくる、と聞いて弘毅は嬉しくなった。
その日は、頑張って18時までバイトをして、翌日は掃除に精を出した。
そして、21時過ぎ。
 「ただいまー」
 
バタバタと玄関先まで迎えに出た弘毅は、出迎えた。
 「お帰りなさいっ」

嬉しそうな声と表情に出迎えられ、文雄は嬉しそうだ。
玄関先で弘毅を抱きしめ、おでこにキスをして家の中に入って行く。



文雄が戻って来て、夏休みも明日で終わろうとする日。
弘毅が高校に入学した年の、この日は海でデートをした。
去年の、この日はユウに文雄とのエッチを邪魔された。
でも、今年は邪魔も無ければ平和で二人きりで過ごせる日だ。

目が覚めると、階下から鼻歌が聞こえてくる。
(ふふっ、機嫌が良いんだな)

そう思うと、弘毅は1階に下りキッチンに入って声を掛けた。
 「おはようございます」
 「おはよっ」

朝食を作って皿に盛ってくれるので、弘毅は、それをダイニングテーブルに持って行く。
文雄も一緒にダイニングに出てくる。
 「これもね」
と、何やら小さな箱を弘毅の目の前に置いてくれる。
何だろうと文雄の顔を見上げる。
文雄は、緊張してるみたいだ。
 「開けてごらん」
そう言われ、弘毅は開けて見る。
 「え……」

驚きのあまり、声が続かなかった。

深呼吸したのだろう、文雄さんの声がはっきりと聞こえてくる。
 「誕生日おめでとう。やっと、まともに誕生日プレゼントを渡せた」
 「文雄さん…」
 「俺と一緒だよ」
 「ペアリング?」
 「そうだよ。これからも、一緒だよ」

思わず涙が出ていた。
 「ふみ…、嬉しい。ありがと…」
文雄は泣きべそをかいてる弘毅を抱きしめ、優しく口づける。
 「先に食べよう」
 「頂きますっ」


文雄さんは言ってくる。
 「今日は二人ともバイト休みだし、一日中一緒に居れるな。何がしたい?」
弘毅は即答していた。
 「バイクに乗りたい」
 「それなら海に行くか?」
 「良いけど、海でエッチはやめてね」
 「さあねー。どうしようかなあ……」
ニヤニヤと言ってくる文雄に、弘毅は顔を赤らめてる。
 「恥ずかしいんだからねっ」
 「分かったよ」

あまりにも素直に即答してくれる文雄の言葉だが、少し待ってると、こう言ってきた。
 「その時に決める」
 「ええーーー…」

すると、眩しい笑顔で言ってきた。
その笑顔は、高校入学して一番最初に顔を合わせた時の笑顔と同じだ。
 (やめて欲しいな、そういう笑顔は。卑怯だ・・・)

 「それに、悩んだり、迷ったりするのは良い事だよ」
 「何の事?」
 「それはね、青春してるって事だよ」

 「青春…」

ポツリ…と呟いた弘毅は、自分は、まだ悩んでも良いんだと気が付いた。
文雄は後片付けをしながら、言ってるのか。
水の音がザーザーと聞こえてくる。
 「ほら、28分後の10時には出るぞ。」
 「どこ行くの?」
 「行きたい所はあるか?」
 「湘南の方」
 「OK!なら、さっさと準備しろよ」
 「長袖長ズボンだね?」
 「ああ。荷物はリュックな」



18歳になった弘毅。
将来の事、文雄との関係の事、兄弟の事と。
考え付くだけでも不安材料は一杯。
本当に、青春ド真中です。





















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