BL風味の小説

BL風味のオリジナル小説です。
2017年07月 ≪  12345678910111213141516171819202122232425262728293031 ≫ 2017年09月
TOP4人の幼き戦士(2周年記念) ≫ 4人の幼き戦士 (18)

4人の幼き戦士 (18)

ここは『無』の世界。


 「マルク、待ってたよ」
 「うん?誰だ?」
 「分からないみたいだな…」
 「誰だ?と言ってるんだ」
 「お前は…、誰に向かって睨み付けてるっ!」

アダム=バーンズは、マルクに気を飛ばす。
吹き飛ばされたマルクは死んでるので痛みも何も感じない。
だけど、雲に激突したままの体勢でマルクは睨み付ける。
 「何をするっ」
 「それは、こっちの台詞だ。」
 「あ?」
 「よくも、私に毒を盛って刀で腹を切り開いて、銃で撃ってくれたな」
 「何の事だ?」
 「お前の死に様は見させて貰った。見事なまでに爆発したよな」
 「一体、何を…」
 「お前は、どうしてあんな事をした?お前にとって、あれは生き延びる為のものだったのかっ?
必要不可欠だったのか?」

だが、マルクは釈然としない表情だ。
そんなマルクにバーンズは業を煮やした。
 「お前を殺人者にする為に、マリアは生んだわけでは無い。
お前が生まれた土地がイギリスだったから、お前はイギリス人となったんだ!
マリアは信じていたよ。お前の笑顔が、全ての人を癒してくれる事を。
それがっ!自分の思い通りにならないからって、直ぐに銃を撃つだなんてっ…」

マルクは、なんとか一つの結論に至った。
 「ああ、思い出した。
あんたが、私の実の父親か…。
言っておくが、実の親より育ての親、という言葉があるんだよ。
私は、私に利をもたらしてくれる人を好んでいるんだ。
あんたは死んだんだ。過去の人間が何を言っても、遅いんだよ」

 「ならば、毒だけでなく刀や銃をも使うって事か…」
 「刺客を送り込んでも返り討ちにあってたからな。誰に殺されたのか分からないし…。
それに医療に力を入れてるから、薬や毒は、しこたま蔵にあるからな」
 「あれは、側付に使う物だ」
 「みたいだな。で、なんで知ってるんだ?」
 「最初に医療に力を入れてたのは、私とユタカだ」
 「ユタカ…」
マルクは目を細め考えてるので、アダムは教える。
 「イタリア王子だよ」
 「ああ、あのイタリア王子ね…」

それを聞いて納得したマルクは、突然に態度を豹変した。
 「父親面しても遅いんだよっ」
そう言いながら、マルクは銃を撃ちだした。
しかし、アダム=バーンズも死んでるので当たる事は無い。
それに、人殺しとしての経験値は父親であるアダム=バーンズの方が上だ。

 「最初に手を出したのは、お前だからな」
そう言って、バーンズは、ある構えを取った。
しかし、文武の文壇の方に才を出していたマルクには分からなかった。
そうだろう、その構えはリンが得意とする手刀と八卦掌のコンボだからだ。

銃は当たらないが、拳や気だと当たる。
痛みは無いが、それでも相手には当たるのだ。


それを、途中から入ってきた人物は傍観している。
今は、まだ手を出す時では無いと思ったのだろう。
そう、マルクと共に爆死したアランだ。

 「今度は親子での遣り合いか…」
そう呟いたアランにマルクは気が付き、命ずる。
 「デイモス、命ずる。あの男を」

 「ハッ!」

微かだが、マルクの注意がそれ、一瞬の隙が生まれる。
その隙を、バーンズは見逃さなかった。
死んでいるのにも拘らず、バーンズの力は予想より遥かに強かった。
何しろ、異名を持つ程の力の持ち主だ。
 『金のタイガー』は、死しても強い事を証明した。


マルクは、自分の父親がどの様な人物なのか知らなかった。
それもそうだろう。
バーンズの過去を知ってる者は、国外に居るのだから。

 「マルク…。この『無』の世界では転生は出来ない。
これからも、親子喧嘩するからな。」

そのバーンズに、アランが口を開いてくる。
 「バーンズ様、御強いですね」
 「ふんっ。私を誰だと思っている」
 「さすが、『金のタイガー』と謳われてる御方だけあります」
それは嫌味もなく、純粋に羨む表情で紡がれた言葉だった。
イタリアの隊で過ごした経験は、どんなに年月が経っても身体に染みついてる。
アダム=バーンズにとってアラン達の側付20人は、可愛い子供であり、隊での後輩だ。
イタリアの隊は、アラン達20人が最後の隊員だった。
あの国王が死んでから、国は崩壊した。
ユタカはイタリアを継ぐつもりは無いみたいだし、それでも良いと思ってる。
それに、人とは無理矢理に強制で継がれても、潰れるのは目に見えてる。



マルクは、暫らくは起きてこないだろう。
今度は、何処に行こうかな。

リン、君の所に行ってみよう。
君も『黒の豹』という異名を持つ程の力のある人だ。
同じ『無』の世界に居るだろうな。


感覚を研ぎ澄ます。
そして、昔のリンの顔を思い出す。






にほんブログ村 BL・GL・TLブログ BL小説へ

関連記事
スポンサーサイト

Comment













非公開コメントにする
Trackback

Trackback URL

FC2カウンター
カテゴリ
ランキング参加してます
↓↓ポチッと押してね にほんブログ村 BL・GL・TLブログ BL小説へ
にほんブログ村
Twitter
POWERED
Template by
FC2ブログのテンプレート工房
Design&Customize by
Pretty Heart-blog
Powered by FCブログ