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4人の幼き戦士 (17)

いつも、あの部屋に居て、あの椅子に座っている男を、あの息子は父だと思っているみたいだ。
あの子の父は、この私なのに。

マルク。
自分だけイギリスで生まれた事を、まだ根に持ってるようだが…。私は、それだけで次代を決めるわけでは無い。

音楽を愛でる人間になって欲しい。
エドまでいかなくても良いから。
ヒロみたいにクールでなくても良いから。
小さい頃のお前は、明るく笑顔の絶えない子だった。




私は人殺しだ。
いくら無理矢理あの隊に入れられても、私は大勢の人間を殺めた。
あそこで生き延びる為には、必要不可欠な事だった。

そして、あのフランスのパーティでグズと再会して家紋を創った。
あれには、私の思いが入っている。

公表する家紋はシンプルな方にして欲しいと思い、もう1枚創った。
こっちは、私専用のだ。

アダム=バーンズは、自分用の家紋を眺めている。

蒼は、宝石(いし)の色。
金は、アダム=バーンズの金髪。
銀は、イタリア王子であるユタカの銀髪。
赤は、アメリカに帰国したウォルターの赤髪。
黒は、中国に帰国したリンの黒髪。

その他にも、自分の仲間の居場所に、同盟を結んだ多くの国々に、多くの家。
それは、まるで大判の世界地図だった。



リン、ユタカから聞いたよ。
病で死んだって。
君のアレは、君の甥っ子に渡った事もね。
ウォルター、君はどうしてる?
元気で生きてるだろうか。
グズ、いやユタカ。
私は、アレをどうやら無くしたみたいだ。
ごめん。
君が見つけてくれる事を祈ってるよ。


アダム=バーンズは、その男が『御』となった晴れ姿を見る事は無かった。
息子であるマルクに、殺されたのだ。
毒と刃と銃によって………。


現在のフォン=パトリッシュの『御』は、初代の『御』であるアダム=バーンズの意思を汲み取り、その原本の方に桜の木を付けて、家紋を世界に公表したのである。





ロシア語で書かれている手記を訳した博人は、茫然としていた。
ふと見ると、桐で作られた箱も一緒に送られてる。
それを開けて見た博人は、息を飲んだ。

そのアダム=バーンズ専用の家紋が綺麗な状態のまま包装されているのだ。
手書きで書かれた一枚の和紙が挟まれている。
それには、日本語で書かれてある。
恐らく、自分の叔父である、現『御』の字だろう。
 「いつかは、きっと貴方の孫を、自分の甥っ子を次代の『御』にさせます。
あの子は、貴方の血を引いてる孫の中でも、最有力候補です。
私が死んだら、教えて差し上げます。
私を『御』にしてくれてありがとうございます。」



博人は、泣いていた。
 「お爺様……」
何も言えなかった。
軽い気持ちで、家系史を紐解こうとしていたのだ。
まさか、こんな事が書かれていただなんて…。

 「お爺様…。
私は、跡を継いでません。だけど、貴方のアレは私が日本に連れ帰ってました。
現在では一つになり、ある人物の中に存在してます。
御免なさい。そして、ありがとうございます。
そうか、私にロシア語を教えてくれた貴人が、お爺様だったんだな。
そして、初代『御』だったのか…。
知らなかった、御免なさい…」


そして、現『御』であり、自分の叔父に毒づいた。
 「クソ爺め、こんな事を書きやがって…。やっぱり、誰にも言うつもりは無かったんだな」






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全てが分かった博人。
桐の箱に包まれた家紋に挟まれた和紙を見て、なにやら呟いてますね(-_-;)
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