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俺の気持ちはブレない 第二部(27)

見学の日、担当の先生は政行と嘉男を最上階に連れて行ってくれる。
エレベータから降りる。

 「すごっ…」
嘉男さんの声が漏れ聞こえてくる。


プールに向かう廊下を下っていくと、リハビリしている人が見える。
プールにはビュールームが付いており、そこに入る。
そこからはプールだけでなく、富士山の見える方角だという事が分かる。

たとえ見学だとしても、ソワソワしてくる。
その人達が笑ってるのが分かる。
楽しいんだな…。
担当の先生が声を掛けてくる。
 「よろしかったらどうぞ」
 「え?」
 「海パン一式持って来られてるのでしょ?ロッカーはこちらです」

俺は嘉男さんに言っていた。
 「もしかして、その荷物…」
 「そっちこそ」


ロッカーで着替えてると、担当の先生も着替えているが、その先生の背中から脇に掛けて大きな傷跡が見える。
思わず口に出ていた。
 「先生、その傷…」
 「ああ、これはオーストラリアで研修してた時に怪我したものです」
まあ、そのせいで激しいスポーツは出来なくなりましたけどね…。
その呟きが聞こえたのかどうかは分からない。


先生に連れて行かれて、シャワーを浴びてプールに入る。
改めて思った。
ここのプールは温かい。
いや、温水プールとか屋内が温かいとか、そういう類の事では無い。
光だ。
床上1.50mから縦に2m、横幅3mほどの範囲で、円柱を挟んで等間隔に6枚のガラスが張られている。
そして、床上1.50mまでと3.50mから天井までの壁はクリーム色で統一されて、お風呂とサウナは窓際に位置するプールの入り小口に設置されていて、広い。
そのサウナの幅分の円柱が合計12本。
その柱には飾り模様がされてる。
贅沢と言う言葉を通り越して、何も言えなかった。

まるで、神殿かと思えるほどだ。
そのガラスから射しこまれてくる温かい光を身に受け、政行は思っていた。
 (どこの坊ちゃんが考え建てたんだ?こんな神殿みたいな建物だけでも引いてたのに…。
最上階のプールにまで、これだなんて…)


プールの水に足先を浸けると温かい。
ただいま、という気持ちになってくる。
嘉男さんは、サブンッと遠慮なく足から水中へ飛び込む。
 「飛び込み禁止ですよ」
そんな政行の言葉をスルーして嘉男は言ってくる。
 「政行。今のお前の顔、嬉しそうだよ」
 「本当?」
 「ああ。本当にプールが好きだ、と言ってるようだ」

担当の先生は、こちらにと俺を誘導してくれる。


ここからね、と言ってくれる。
政行は絶句なのか唖然としてしまっていた。
 「先生、これって…」
 「楽しいですよ。では、私はお先に」
そう言って、先生は先に階段を上り行ってしまった。

プールサイドからは、座って入るか足から飛び込んで入るかになる。
でも、飛び込みは禁止だから、座って入る事になるからこっちに連れてきたんだな。
肩に負担を掛けない為に、先生は気を使ってくれたんだな。
どうしても手を使って腕の力を使うからだ。
でも、これは楽だな。
そう思うと、政行は先生の後を追いかける様に階段を上っていく。
 「いざ、出発ー」


中々来なくてイライラ気味な嘉男さんの顔が見える。
思わず声を上げていた。
 「ぃやっほー!」


ザブンッ…。

と、音を立て、俺は水中に顔まで潜った。
プハッ…と顔を上げ、横に振って水滴を飛ばす。
 「へー、滑り台かあ。楽しそうだな」
 「うん、楽しかったよ」

嘉男さんは、俺も、と言って滑り台に向かっていく。
それを見てると、滑り台までは距離があり、高さがある事に気付く。
カーブも3つある。
そして、一度だけでは足らず三度も滑って楽しそうな嘉男さんを見てると、俺も楽しくなってきた。

先生の声が聞こえてくる。
 「はい。それでは見学から体験になりますよ」
思わず返事をしていた。
 「はい!」


泳ぐ事は出来ないけれど、水と友達になり、自然との調和を感じる。
そういうのは、泳ぐことよりも初歩的な事だ。
政行は、プールでのリハビリをする事に決めた。

嘉男さんは滑り台が気に入ったらしく、付き添いで来る。
まあ、リハビリだから付き添いは必須なので、はしゃぎ過ぎなければ良いらしい。
その代わり、付き添い料1回につき1,000円だけどね。



 「だから、悩み苦しんだ期間って、半年も経ってないのです。
まあ、泳げないのはあれなんですけどね…。
やっぱり、俺ってプールバカなんですよね。
誰が建てたのか分からないけど、ありがとうと言いたいです」


チリリンッ♪

客が入ってきたのだろう、声が掛かる。
 「こんにちはー」
 「あ、いらっしゃいませー」





Hiroto_2_27.jpg


次話は、いよいよ最終話です。


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