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俺の気持ちはブレない 第二部(12)

初めの内は目を瞑っていた。
博人が、いつも通りの対応をしていたからだ。
だが、友明も人間だ。
とうとう我慢の緒が切れた。

年末にさしかかろうとしていた12月下旬。
 「いい加減にしないかっ」
 「何の事ですか?」
 「私達が、ここに居るのは用事があるからだ。済めば戻る」
 「それは分かります」
 「いや、分かって無い。君の担当のリハビリ先生は誰だ?くっ付くのなら、あっちにくっ付け」
 「くっ付けって言われても、俺には恋人がいます」
 「それなら、どうしてドクター・ヒロトに抱き付きキスをした?」


政行は思わず俯き、目を逸らす。
それは、つい先ほどの事だ。

片手でお盆を持ち運ぼうとしている時に、力の入れ具合が上手くいかず、思わず落としてしまったのだ。そこを、たまたま通りがかった博人先生が声を掛けてきてくれたのだ。
でも、泣き顔を見られたくなくて抱き付いていた。
先生の身体は大きくて優しく包み込んでくれて、安心感を与えてくれた。
もっと安心させて欲しい。
そう思うと、俺はキスしていた。

あの先生は驚いていたけれど、俺の頭を優しく叩いてくれた。
まるで、幼い子供にするかの様に。
この先生に抱かれたい。
嘉男さんとは違う、大人の対応をしてくれる先生を好きになっていた。

クリニック・ボスの声は苛立っているみたいだ。
 「聞いてるのか?彼はリハビリもしているが、オペドクターだ。
君の相手をするほど暇では無い」

煩いな、それ位分かってるよ。少しぐらい夢見させてくれても良いだろ。
そう思ってると、何処からか声が聞こえてくる。
 「友ー!何処に居る?」
目の前に居るクリニック・ボスは舌打ちして毒付いてる。
 「くそったれ、館内放送で何たる言葉使いだっ」

何処からか小型のマイクを取り出してる。
 「龍三先生、何か用事ですか?」
館内放送が聞こえてくるスピーカーから返事が聞こえてくる。
 「大学病院から電話だよ」
 「直ぐ行きます」
そう言うと、廊下を走って行った。

見られていたとは迂闊だった。
でも、俺は博人先生が良いんだ。


でも、中々会えない。
まるで、俺と会う事を禁じてるような感覚を受ける。

政行はイラついてる。
博人先生と会えないし、泳ぐ事が出来ない。
それに、重い物は片手で持つことが出来ない。
それらが重なり、ストレスになっていた。
その時、執事から連絡が着た。

お父ちゃんが入院した、と。


病院に行った政行は執事に聞いた。
 「爺ちゃん先生、お父ちゃんは?」
 「手術は成功しました。1ヶ月ほど入院なんです」
爺ちゃん先生、いや執事は何か厚みのある封筒を渡してくれる。
 「これは何?」
 「手術して頂いた医師は、ここの医師では無くフリーでされてるそうです。
それは手術代です。その医師に渡して下さい」
 「分かった」

その執事が、直ぐに声を掛けてくる。
 「政行様、あの御方です」
 「え、どの人?」
 「こちらに来られて…」
目をやると、博人先生が歩いてこっちに来てるのが見える。
執事は博人先生に頭を下げてる。
 「あの、先程は手術をして頂き、ありがとうございました。」

政行は自分の目を疑った。
え、なんて言った…?

執事の声が聞こえる。
 「お坊ちゃま、それを」

ハッと気が付き、政行は手に持っていた封筒を差し出す。
 「あ、あの…、父の手術をして頂き、ありがとうございました。あ、あの、これを…」
その医師は躊躇いも無く受け取る。
 「手術代ですね。ありがたく頂戴致します」
 「あの、先生…」
 「大丈夫ですよ。予定では1ヶ月ですが、それより早めの退院もありえますので。
それでは、お大事に」

誰かの声が博人先生に掛けている。
 「博人先生、こちらです」
 「はいはい」


政行は、これは運命だ。
そう思っていた。
お父ちゃんが入院したのには驚いたが、博人先生が手術をしてくれたのには、もっと驚いた。
お父ちゃんに知らせると、凄く嫌な顔をするだろうな。
聞かれたら答えよう。


数日後、お父ちゃんは目を覚ました。
 「あ、お父ちゃん、気が付いた?」
 「ま…、さ?」
 「連絡貰った時は驚いたよ。ナースステーションに連絡するね」


政行はコールボタンを押し、天井に向かって話してる。
数分後、ナースと医師が病室に来た。
でも、博人先生は居ない。

お父ちゃんが担当医と話をしてるのを聞いてると、1ヶ月より早めの退院になるかな。
そう思うと、気が楽になった。
そのうち、お父ちゃんは言いだした。
 「手術してくれた医師に、お礼を言いたい」と。

先に執事が応じる。
 「旦那様、すでに政行様もお礼を言われましたよ」
 「私が言いたいんだ」
 「ここの病院勤務では無いそうなので、いつ来られるのかは分かりませんが…」
 「退院するまでに言えれば良いさ」


結局、25日間の入院生活だった。
退院日。
手術をしてくれた医師と対面出来た。
俺は博人先生と会えたのが嬉しかったのだが、お父ちゃんは嫌そうな表情をしている。
皆がお父ちゃんに一斉に言ってくれる。
 「退院おめでとうございます」
 「ありがとう、お世話になりました。して、手術してくれた方は、どなたかな?
お礼を言いたい」

博人先生は口を開いて言ってくる。
 「退院おめでとうございます。私が手術を担当させて貰いました。
お大事になさって下さいませ」

お父ちゃんは、ボソッと呟いてる。
 「……あんたか」




その時、二台の救急車がけたたましくサイレンを鳴らして入ってくる。
 
バンッ!!

 「交通事故でスプラッタ1名っ、大腿骨骨折ッ…!え・、院・・ちょ?!」

その事故者の内の一人に目をやったお父ちゃんは声を出していた。
 「え、学長…?」

博人先生も目を見開いてる。
 「りょ…、諒一っ!」


その救急隊員は言ってくる。
 「院長。院長先生。ボスッ!」
 「院長は、院長室に居るだろっ。そこ退けっ、諒一」
でも、その救急隊員は博人先生にしがみ付いてる。
それを見た政行は、もやもやとしだした。
(触るな、近付くな!博人先生、貴方は俺の博人先生だ!)

 「院長先生、私です。あの病院の整形に居ました。」
キャップを取ったその救急隊員は小ざっぱりとして可愛い感じの人だ。
しかし、その救急隊員の額を見て、博人は驚いて声を掛ける。
 「え、遠藤?私の病院では整形ドクだったのに、なぜ救急…」
 「落ち着かれましたか…」
 「悪いが」
 「院長先生。移動中に、龍三先生に連絡付けました。」
 「ありがとう」




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博人は。。。
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