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俺の気持ちはブレない (45) 第一部最終話

政行は翌日の昼前まで、ぐっすりと寝ていた。
左肩が、左腕が痛いし動かない。
それでも右側は全く何とも無いので、右手だけで顔を洗い歯磨きもする。
腐るものは置いてないし、何も買ってないから衛生面では大丈夫だ。
ああ、入院に必要な物を用意しないといけないや。
でも、埃だけでもと思い、ロボット掃除機のルンバに掃除させる。
ルンバに掃除を任せてる間に、何か食べようと冷凍室から冷凍炒飯を取り出す。
右手しか動かすことが出来ないので袋を破る事も出来ない。
ハサミを持って切る事は出来るが、皿洗うのも出来ない事に気づき食べに行く事に決めた。

 「ふ…、う…。お、おかー、ちゃん……」

外食をした事が無いのもあり、どこで何を食べようと思って2階の玄関から出る。
ばったりと嘉男と会った。
 「昨夜は大丈夫だったか?」
 「うん、大丈夫だったよ。着替えも出来たし…。お腹空いたから食べに行こうと思ってるんだ」
 「一緒に行こう」と言ってくれたので、安心して任せた。



食後、高瀬が迎えに来るまで、嘉男と入院準備をしていた。
ふと考えが思い付く。
そういえば、スーツケースの中身をそのまま持って行けば良いだけの事だ、と。
あと必要なのはスリッパに洗面用具一式、箸、フォーク、スプーン、コップ、水筒。
タオル、バスタオル、バケツとお金だ。

 「さて、出とくかな…」
 「政行…」
 「はい?」
振り向かせられ、キスされた。
直ぐに唇は離れるが、思わず泣いていた。
 「ふ…、えっ……」
 「政行、キスしたい」
 「キス、だけだよ?俺、俺は…、俺は、3人に…」
そう言うと、直ぐに口づけられた。
激しく口内を貪られる。
キスだけで腰が抜けていく…。
抱きしめたい。
抱きしめたいのだけど、右手しか動けない。
 「よ…、し…」

乳首を噛まれる。
 「はっ……」

立ったままでは無理だ。
 「よし…、お……、ん…」


昨夜は嘉男さんの部屋で風呂に入り、一緒に寝てた。
だけど、俺は途中で目が覚めて自分の部屋に戻って来たんだ。
痛みに耐えられなくて。
泣くのは自分の部屋で、と思ったからだ。

嘉男さん。
俺は3人の男にヤラレたんだ。
これ以上、他の男に触られたくない。
 「ふ…、んっ…」

激しく深いキスに酔ってしまいそうだ。
 「嘉男さん…、俺、悔しい…」
 「ああ、泣け。思いっきり泣けば良い」

そう言われ、俺は両手でしがみ付いてる気持ちで、右手でしっかりとしがみ付いて泣いた。
ブザーが鳴るまで、しがみ付き泣いていた。

 「高瀬だ。顔洗わないと何か言われる」

顔を洗いすっきり顔になった政行は、2階の玄関から荷物をコロコロと転がしながらエレベーターで下に降りる。
 「まあ、帰って来たばかりで荷解きしてなかったから楽だったよ」
 「そうだな。これがカバン探しから始めないといけなかったら大変だよな」
 「それ、嘉男さんの部屋でしょ。俺の部屋は汚くないから」
 「このやろ、言ったなっ」


エントランスから出ると、高瀬の車は車寄せに停まっている。
政行に気が付いた高瀬は駆け寄ってくる。
 「大丈夫か?」
 「うん、大丈夫だよ」
 「身体もそうだが、俺が言ってるのは」
 「だから大丈夫だよ。泣けたから。ありがとね、高瀬」


泣けたから。
その言葉に何か引っかかったが、高瀬はそれ以上は何も言わなかった。



退院したのは、2週間後の8月下旬。
まだ夏だ。
その入院していた間に、1回目の裁判があったみたいだ。
示談では無く、刑事裁判だ。
それに、セキュリティビデオに映ってた政行はユニフォームに着替えていたので、はっきりと仕事中だと言える恰好をしている。

それに、離婚は成立していたのだ。
政行が家を出て4年後の10月。
そう、オリンピックの年だ。
桑田宗一の母親がやったやり方で、政行の父は離婚していた。それからは間借りをさせていた、と法廷で話した。一部屋に付き10万を部屋代として貰っていた、とも。
それは、宗一の実の父親から貰っていた。
その気になれば簡単に探せられる。なにしろ、あの連中は色んな方面に顔が効く。
政行は見舞いに来た執事から、それらを教えて貰った。
詳しい事は父親から教えて貰った。


義弟だと言ってる宗一とは一滴も血が繋がって無い。
義母だと言ってる、あの女とは10年弱しか暮らしてない。
そして、会社の跡継ぎの候補は既にいるとの事。
 「私が、自分の金を出す相手は、自分が認めた人間だけだ。
それはお前と執事だけだ」
少し考え、政行は聞いていた。
 「あ、あの子は?」
 「あの子の実の父親が出してる」
 「そう…」


父親は何を思ったのか、いきなりとんでもない事を言ってきた。
 「退院したら、リハビリを主にしている所に1ヶ月ほど行くからな」
 「え…、リハビリセンターみたいな所?」
 「ああ、パースにある」
 「パース?パースって、どこ…?」
首を傾げる政行に、父はさらりと言ってのける。
 「オーストラリアの西側にある。シンガポール寄りの方で」

だが、政行は遮っていた。
 「オ…、オーストラリアッ?」
 「お前なら言葉は理解出来るだろう?」
 「オーストラリア…、コアラ…」
 「あー…、パースにはコアラは居ないかもな…」


なんだって急にオーストラリアなんだ?
政行の心の声が出ていた。
 「日本には無いの?」
即答だった。
 「パースには知り合いがやっている」


その父親はウキウキして言ってくる。
 「お前に付いて行くのは私だ」
 「え…、仕事は?」
 「その為に秘書が居るんだ。それじゃ、お前が退院するまで仕事を調整しておく」



なにやら、本決まりみたいだ。

その事を嘉男さんにメールで知らせると、電話が掛かってきた。
 『パースには、同期で卒業した医学部の人間が居るらしいよ。
俺の父親と大の仲良しが3人居るらしい。
で、なんだ?もしかして本決まりか?』
 「父親と一緒にね」




退院して10日後の9月中旬。
桑田父子と新田父子は、オーストラリアにあるパースに着いた。
 「俺、オーストラリアなんて初めてだ」と、嬉しそうな表情の政行。
 「俺も初めてだよ。しかし、寒いな…」と、嘉男も楽しそうだ。
悪戯っ子の様な表情をして言ってくる嘉男の父。
 「急に行ったら驚くだろうな」
その言葉に、政行の父がこう応じる。
 「ボスは他の奴等には言ってないってさ」
 「ふっふっふっ…、ユタカとワンとスズメの反応が楽しみだっ」
 「マサの反応も楽しみだな」


 「取り敢えず、今日は入院初日だから、12時にスズメの中華店な」
そう言って、桑田父子は新田父子と別れ、クリニックへと足を向けた。















第二部へ続く






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次回からは、第二部です。
お楽しみに~



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