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俺の気持ちはブレない (43)

その女は言ってくる。
 「良い格好ね。男が男に横抱きされるとはね…。それとも、その男の許に嫁として嫁ぐ?
それでも良いわよ」

だが、政行は黙っている。
その女は高瀬に向かって言う。
 「ほら、あの子は連れてきたわよ。その子を離して、離しなさいっ」
そう言われても素直に離さない高瀬は、政行を心配そうに見ている。
 「政行、怪我は?あの金槌で叩かれたんだ。無傷という訳でない筈だ」
その言葉に、政行はこう応えた。
 「高瀬、その女は誰?」


おーほほほほっ…。
甲高い笑い声が聞こえる。
 「そうよね、まともに会ったのは、今で二度目だもの。分かるわけないわよね。
でも、私は分かるわよ。テレビに出たり注目されて有名人なんだから…」
その女は高瀬に噛み付く様に声を荒げた。
 「ちょっと、いい加減にその子を離して。宗一、そいつから離れて、こっちにいらっしゃい」
高瀬は宗一を突き飛ばして政行に駆け寄ると、嘉男に代わりに抱くと言ったが、嘉男は拒否る。
この言葉を言い添えて。
 「こいつの腕は動かない。もう二度と泳ぐ事は出来ないだろう」
 「な……」

高瀬は5人の男をキッと睨んでは、今迄に無い低い声を出す。
 「貴様等…、なんて事を。こいつを誰だと思って…」
二人は即答した。
 「能無し坊ちゃんだろ」
 「能無しは邪魔だろ」
だが、三人目はとんでもない事を言ってきた。
 「俺達3人で、そいつをマワしてヤッたんだ。俺達のモノを咥えてイイ声出してたぞ」

政行を抱いてる嘉男の手には力が入る。
痛い位の力で抱かれてる政行には、聞きたくも無い言葉だ。
高瀬も驚いて目を瞠っている。
だが、その女は笑っている。
 「ふふふっ…。男辞めて女になったら?
ああ、そうだ。何処に住んでるの?居場所は分かるけど、住んでる所が分からなくてね…。
手を出したくても出せれなかったのよ」

政行は、ずっと黙っている。
しびれを切らしたのか、その女はキツイ口調になってきた。
 「答えなさいっ!私は、あんたの親よ。義理とはいえ、親なのよっ。子供の居場所や住んでる所を知るのは当然でしょっ!」
高瀬が先に口を開く。
 「知ってどうする?あんたの息子がボスの子供でないという事は知ってるぞ。
そいつの実の父親から養育費を踏んだくり、ボスに認知させたように見せかけて…。
一体、何が目的だっ」
 「世の中は金が全てよ」
 「政行を、ここから追い出したのは…。ここを牛耳る為か…」
 「当たり前よ。品のある物言いにスマートな物腰に丁寧な言葉遣いの使用人。
そして見目の良い夫と秘書。私のハーレムにするの」

その言葉を聞いて堪忍袋の緒が切れた。
思わず口にしていた。
 「出て行けっ!」
高瀬では無く、政行の声だ。
 「何…、誰に向かって」
 「お前にだ。反吐が出るっ」


執事の声がする。
 「車と病院の手配をしました」
 「爺ちゃんセンセー、俺は」
執事は、有無を言わさず嘉男に頼む。
 「新田様、一緒に行って下さいませんか?」
 「分かりました。それでは行かさせて貰います」

嘉男は政行を抱いたままだ。
 「大丈夫だよ。仕事場で怪我をさせられたんだ。労災に保険も下りる。
それに、慰謝料や迷惑料もね」
 「別に金が欲しいわけでは」
 「政行。お前の身体は、お前だけのものでは無いんだ。うちの『MEN'Sスポーツジム』を始め、日本のみならず全世界を背負っている身体だ。医師の診断で泳ぐ事は出来ないと言われると、億単位の損失が出る。
その金を、あの女は払う義務になる」
そう言うと、嘉男は女に向いて言う。
 「最後に一つだけ言っておく。
その損失額の数億…、いや数十億にもなるだろうの金を私の会社に払って貰う事になる。
用意しておくんだな」


嘉男は政行を抱いたまま用意された車に一緒に乗り込むと、車はその邸を後にした。




この病院に来るのは久しぶりだ。
なにしろ大学を卒業して以来、来てない。
それに、今は片道1時間掛かる場所に住んでるからだ。
今はスポーツジムの1階にテナントとして入ってるクリニックと、アサミコーチの兄が院長をしている病院に通ってる。
行きの間、二人とも黙っていた。
何を言えば良いのか分からなかったのもある。
病院の駐車場に着くと、温厚そうな男が声を掛けて来る。
 「久しぶりだね。君の活躍はテレビで見させて貰ってるよ。
爺ちゃん先生から大まかな事は聞いたが、まずはレントゲンを撮らせて貰うからね。
出来れば一人で歩いて貰いたのだけど…、無理かな?」
その時に政行は気が付いた。
そういえば、ずっと抱かれたままだ。
 「ご、ごめんなさっ…、重かったですね、ごめんなさい…」
くすくすっと笑いながら嘉男さんは言ってくる。
 「うん、重かったよ」
 「ごめんなさい…」

 「一人で大丈夫か?」
 「でも、待ってて」
 「ああ、行ってらっしゃい」

その医者は言ってくる。
 「詳しい事を聞きたいので、貴方にも話を聞きたい」
そう言われ、嘉男はカバンの中から取り出し渡した。
 「これに映ってます」

セキュリティビデオだ。
しかも、そのマークを目にしたのか医師は呟いてる。
 「このマークは…。なるほどね」
嘉男に目を向けて言ってくる。
 「それでは、一緒に見ましょう」


何度も見たくない、一度だけで良い。
本日、二度目のビデオ観賞の嘉男だった。





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