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俺の気持ちはブレない (18)

第一秘書の高瀬は、デイブと政行を囲むように皆が移動してるのを見ると、自分も動いた。
冗談じゃない、あの連中に競り落とされたら桑田のいい恥さらしだ。

二つの輪が出来る。
一つはデイブで、もう一つは政行だ。
 『デイブ、凄く良かったよ』
 『君は荒れてる、スランプ中だと言われてるが、絶好調のようだな』
等と言われるが、デイブは一言だった。
 『サンキュ』

あっけない言葉で終わりを告げたデイブは政行の輪に入ると、政行の腕を引っ張る。
政行を囲んでいるバイヤー達はデイブに声を掛けてくる。
 『デイブ、彼は米語を理解出来ないのかな?通訳して貰いたい』
その言葉を聞きデイブは政行を見るが、政行は黙ったままだ。
(米語だけでなくフランス語も理解出来て喋れる奴なんだけどな…)


暫らく上の空だった嘉男は政行の輪に近付くと、その場に居る連中に声を掛ける。
 『彼は、私のスタッフだ。売るつもりは無い』
皆が嘉男を見る。
 『ミスター・ニッタ。彼は貴方のスタッフ?』
 『さすが、ミスターのスタッフだ』
 『売るつもりは無いが、スタッフ自慢をしたい、という事か』
 『たしかに自慢もしたくなるよな』


デイブが政行の肩を抱く。
 『マサ、行くぞ』
 『ああ、腹減ったな』
 『明日の方がゆっくり食べれると思うよ』
 『そうだな。…あ、先に着替えてて』
 『ヤー』

政行は嘉男に近付いた。
 「所長」
 「お疲れさん。着替えたら帰るぞ」
はい、と元気よく返事をした政行は着替えの為、小走りに着替室に向かった。


第一秘書の高瀬は嘉男に近付くと声を掛ける。
 「彼は貴方の所のスタッフですか。どうりで探しても見つからないわけだ」
 「貴方は…」
 「彼には懸賞金が掛けられてます」
 「懸賞金…?」
 「私としては居場所を知らせたくないし、金も欲しいとは思わない。
泳ぐ前に少し話をしました。彼はアスリートではなく人間になろうとしている。自分の為に泳ぐんだ、自分を売るつもりは無い。そう言われて泳がれました。
お願いします。彼を守って下さい」
嘉男は即答していた。
 「彼を手放すつもりは無い」
その言葉に高瀬は安心したのか、微笑んで返した。
 「ありがとうございます。宜しくお願いします」


政行が着替えて戻ってくるまで、嘉男は昔を思い出していた。
俺が水泳をやりだしたきっかけは、先程泳いだ政行の泳ぎだ。
先程の政行の泳力を見て、あのダイナミックな力強いストロークと、しなやかなラインだが力強くパワフルなキックで50mを泳いだバタフライ。
あのバタフライを見て釘付けにされて、バタフライに、水泳に夢中になった。
あの時と同じ泳ぎを見ることが出来たのが嬉しい。驚きもしたけれど…。


待て、さっきの男は何を言ってきた?
アスリートではなく人間になろうとしている?
泳ぐ事しかしなかった奴が、一般の社会人になるには余程の覚悟がいる。
だから、あいつの親は外に出させたくない筈だ。
それでも、誰も何も言ってこない。
知ってるのは父親だけか…。
男だけとはいえ、マシンジムもプールもあるスポーツジム。泳ごうと思えば泳げられる環境だ。
それに、ある意味アスリートは純真な気持ちの塊だ。
もしかして、あいつを人間にさせたのは俺か?

政行の声が聞こえる。
 「所長、お待たせしました」
 「それじゃ、帰るぞ」
 「はい」


その二人の前に、マモル・ボスが立ちはだかる。
 「ボス、聞かれてました?」
 「何だったかな?」
 「ったく、もう…。さっきの二番目の人を買ってください、スカウトして下さいと言いました」
 「ああ、それね」
 「そうです」

嘉男は政行をちらっと見てはマモル・ボスに答える。
 「別に要らんだろ」
 「いいえ、要りますっ」
 「だって、二番目の奴はこいつなんだから」
そう言って、政行を指差した。
 「え・・・?」
マモル・ボスの目は大きく見開かれてる。


違う声が割って入ってくる。
 「やほー。政行君、何番レーンだったの?分かんなかったよ」
 「げっ…」

そう毒付いた政行は嘉男の背中に隠れる。
 「え、今の何?ねえ、政行君、今の何だったのかなあ?」
政行は嘉男の背中にしがみ付き顔を押し付けて、ユウゴから逃げる様に、顔を見られない様にしている。
 「な、何で、ここに居るの?」
 「遊びに来たんだよ」
 「暇人」
 「ねね、今夜一緒に」
 「今夜は用事があります」
 「なら、あし」
 「明日も用事があります」
 「それなら明後日」
 「明後日も用事がありますっ」
 「なら、明々後日」
 「明々後日も、その次も、またその次も用事がありますっ」
 「政行君」
 「俺は所長のお供で来てるんですっ」
 「いいじゃん、キスぐらい」
そう言って、ユウゴは政行の腕を握ってくる。

パンッ!
と、小気味のいい音が聞こえる。
政行だ。政行がユウゴの手を払った音だ。
 「い、嫌だと言ってるでしょっ!しつこいんだもん…」
ユウゴは大仰に溜息を吐き言ってくる。
 「分かったよ、分かりましたよ。今日の所は大人しく下がってあげる。
だけど、次は貰うからな」
 「次なんて無いっ」

その言葉に嘉男は笑っている。
ユウゴはと言うと、苦笑している。
 「政行君…」

マモル・ボスは笑いながら聞いてくる。
 「えらく嫌われてるね。ユウゴ、何をしたの?」
 「エッチしてただけなんだけどな…」
 「それだけ?」
嘉男も言ってくる。
 「嫌がるこいつを拉致って監禁して4日間ずっとエッチしてたんだ。嫌われるのは当然だ」
 「え、拉致に監禁?4日間って…。ユウゴ、それって犯罪だよ」
ユウゴはマモルに噛み付くように言う。
 「お前に言われたくないっ」






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