BL風味の小説

BL風味のオリジナル小説です。
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俺の気持ちはブレない (4)

最初に、二人の泳力を見る事にする。
ビート板有りのキックだ。
だが、それには1コースに区切られてると難しいので2コースを取る。
2人一斉に泳がす。一人は滑らかに滑るような綺麗なフォームで泳いでるが、もう一人は明らかに面白半分でやっているのが分かる。
そう、ニッタさんだ。
なので、泳いでる後ろからキックの補助をしてやる。
 「こんなキックだと、進みにくいですよ。膝は伸ばして腰から真っ直ぐ、そうそう、そのまま…」

だが、ニッタさんのキックは、補助から手を離すと元に戻る。
このキックは元からなのか、面白半分なのか…?
今度はビート板無しなので、面白半分では出来ない。
 「それでは、今度は自由形を1本いきます」

先にニッタさんを泳がせ、半分ほど泳いだ時点でアサミさんだ。
ニッタさんの実力は…。
さっきよりはまともに近くなってるが、やはりキックが変だ。
それに、ストロークも……。
そりゃね、多少は曲がるけど、こんなにも曲がるだなんて……。
まあ良いや。
気を取り直して、アサミさんに声を掛けて泳がす。
 「はい、次。用意…」
パシャッ!
と、プールの水を叩いては泳いでもらう。
アサミコーチは本当に掛け値なしで良いフォームで、泳ぎもパワフルだ。
 「ニッタさん、いきますよー。用意…」
パシャッ!
ニッタさんが向こうから泳いでくる。
ストロークも気にはなるが、それでもまだ許容範囲だ。
問題はキックだな。
ニッタさんは2ストローク1ブレス。

 「次、用意…」
パシャッ!
アサミさんのは3ストローク1ブレス。

2本泳いだ後なんだけど、聞いてみる。
 「得意なのはどれですか?」
先にアサミコーチが、いやアサミさんが応じる。
 「なんといっても、自由ですね」
ニッタさん、所長はこう返してきた。
 「バタフライ」

なるほど、バタフライですか。それで自由のキックがああなるんだね。
納得した俺は、次はバタフライで泳がせた。
ニッタさんは生き生きとバタフライで1本を泳ぎきる。
さすがバタフライが得意だけあって、補助はいらないな。
アサミコーチも、そつなくバタフライをこなす。


その時、俺は気が付いた。
え、指導ってどうやるの?
これをどう指導しろと?
取り敢えず、平泳ぎと背泳も1本ずつ泳がせてみる。
ほどなく分かった。
アサミコーチは四泳法とも泳げるが、ニッタさんはバタフライだけだと。

2人の泳力が分かった時点で、俺はギブした。
 「すみません、これ以上はどうすれば良いのか分かりません」

アサミコーチが応じてくる。
 「そうですね。今の時点で二人の泳力が分かった。という事でしょうね。
それなら、目の前に居るのが自分より年下、子供だとどうされますか?」
 「えっと…、泳力別に分けて、キックの補助を実演交えてやって…」
 「それなら、相手をニッタ君と呼んで、子供扱いしてやって下さい」
 「えっ?」

この190㎝を優に超えている相手を子供扱いしろと?
あ、でも良いかも。
思わずほくそ笑んでいた。
 「ニッタ君」
 「さよーならー」
と言いながら、子供役に扮したニッタさんはビート板を腕の下に置いてプールから出ようと、プールサイドへ向かおうとしている。
 「待て、まだ時間はある」
ガシッと、ニッタ君の腕を捕まえ、ビート板の上に手を置かせる。ニッタ君の腰を脇で押さえこみキックの補助をしていく。
 「自由形とバタフライの違い、分かるよね?」
 「分かる」
 「言ってごらん」
 「ストロークが交互になるのが自由で、キックとストロークが同時なのがバタフライ」
 「そうだよ、正解。でもね、君のはバタフライのキックで自由形を泳いでるんだよ。
自由形はストロークもそうだけど、キックも交互なの。はい、やってみよー」

アサミコーチの声が聞こえる。
 「はい、そこまで!」
アサミコーチは、とんでもない事を俺に言ってくる。
 「今の言葉を、ニッタ君ではなくニッタさんに言えば良いだけです。
今度は成人が相手です。言葉使い一つで相手の気持ちも変わる。それを忘れずに。
はい、ニッタさんに指導して下さい」


今言ったのを、今度は大人のニッタさんに言い直すのか?
 「…これから、自由形の練習をします。最初にキックです」
 「わははっ…、棒読みになってるぞ」

だって、仕方ないじゃないか。
成人相手で、しかも所長なんだもん……。


アサミコーチが言ってくる。
 「まあ、初日ですし、こんなものでしょうかね…。あとコミュニケーション。これはやりながらでないと身に付きませんからね」

アサミコーチは、自分ならこう言います、と言ってはやり出した。
 「ニッタさん。貴方のキックはバタフライ用になってますよ。
クロールでは左右の交互の『ストローク』と、キックも同様に交互でのキックになります。
バタフライのつもりで先に左足からキックの練習をしますよ。
はい、キック練習。用意、スタート!」
パシャッ!と、左足は水中に…。
グッ…。と、右足は水面すれすれに止まる。

ん…?

 「もう1回。はい、スタート!」
パシャッ!と、左足は水中に…。
グッ…。と、右足は水面すれすれに止まる。


 「今度は右足です。用意、スタート!」
パシャッ!と、右足は水中に…。
グッ…。と、左足は水面すれすれに止まる。

 「はい、もう1回。用意、スタート!」
パシャッ!と、右足は水中に…。
グッ…。と、左足は水面すれすれに止まる。


政行は笑いを堪えてる。
 「なるほど、そういう練習の仕方なんですね」
 「極端な方法ですけどね。このニッタさんには、こうやって慣らしていく方が良いでしょうね」
そのニッタさんが文句を言ってくる。
 「キックした気が無いのだが…」
 「そうですか?それでは左右の順番にしていきますよ。用意、スタート!」
そう言いながら、アサミコーチはリズミカルに所長の足を左右に交互にドボンドボンと水中に押し入れていく。

もう堪える事は出来なかった。
プールの水を叩きながら政行は笑っている。
 「ほら、そこ。何を笑ってるんですか?選手交代しますよ。はい、やって」
そう言われ、所長の両足を手渡される。
 「はははっ……。こ、交代、しま…、ははっ……」
所長は言ってくる。
 「進まないんだけど?」
 「あはははっ…。キックの練習なんですよ」
 「いや、でもキックだけで進むものだろう?」
 「何の練習か分かってますか?左右に交互でのキック練習ですよ。交互に水中に入れてるだけでは進みません」
 「進みたい……」
 「分かりました。力を抜いて下さい。」

あれ?
 「ニッタさん?力を抜いて下さいね。プールで寝てる感じで、力を抜いて…」
暫らくすると、力が抜いたのが分かる。
 「そうそう、その感じです。それでは、このまま進みますね」
そう言って、左右の足首を交互に水中に押し入れながら歩いていく。


そういえば、何度か抱かれた事はあるけど、その度に「力抜いて…」と言われてるな。
だけど、今は違う。
俺が「力抜いて…」と言う番だ。











☆∮。・。・★。・。☆・∮。・★・。
この二人相手に指導をする政行。
子供相手だとすんなり~と言葉が出てくるのに、成人だと思うと言葉が出てこない。
それはね、緊張によるものが多いのだけど。。。
相手を意識し過ぎですww
まあ、子供相手と成人相手とでは、勝手が違うものですからね


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