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桜前線に乗って、花見日本一周旅行 (2)

翌日。
龍三と和田は、諒一の屋敷へ向かった。
出てきたのは執事の源蔵だ。
 「龍三様、和田様、いらっしゃいませ」
 「諒一様は?」
 「今朝は、まだ食事を召し上がられてません」
 「起こしに行っても良いですか?」
 「よろしくお願いします」


コンコン…。
ノックをするが応答がない。
二人は顔を見合わせ頷く。

静かに部屋に入りベッドに近寄ると…、溜息を吐いてしまった。

先に和田が声を掛ける。
 「おはようございます、お坊ちゃま方。朝の勉強タイムですよ」

和田がカーテンを開け、龍三は布団を剥ぎ取る。
 「さあ、飲み助坊ちゃま。眠気覚ましに手合わせしましょうね」

だが、寝ている二人は何も動じない。
覗き込んでると、昔と変わらないあどけない表情で寝ている。
あの頃は、今の二言で6人が目を覚まし起きてきていたが、諒一と博人だけは中々起きてこなかったものだ。こんな年齢になっても、この二人は変わらない。
幸せそうに寝ているのを起こすのは可哀相だが、それでも起きて貰いますよ。

龍三は写メっている。
 「よし、これでOK!で、それは何だ?」
 「とっておきの目覚まし」
和田はそう応えると、二人の顔に水をぶち撒く。

ザバッ…。

先に博人が目をうっすらと開け、さむ…と呟き、布団を被る仕草をする。
気が付いたのだろう、上掛けが無い事に。腕を伸ばして上掛け布団を探している。だが、その内に両目ともパッチリと目が開き、ベッドの上を探し回っている。
そろそろかな、と思い龍三は博人に声を掛ける。
 「お探しの物はこれですか?」

声を掛けられ、そちらを向いた博人は頷く。
 「そう、それ。え…、和田?なんで、そんなものを持って」
 「中身は入ってませんよ。そう、博人様だけなんですね。それなら、もう一杯必要ですね」
と和田は言って、部屋に付いてるミニカウンターで水を入れてる。
それを見て思い当たったのか、博人は呟く。
 「まさか…」
素直にベッドから降りると、龍三から声を掛けられた。
 「おや、昔は諒一様を起こしてあげてたのに」
 「あの頃とは違う。お互い、大人だからな」
 
ぷぷっ…。
あははっ…。

和田と龍三が二人揃って笑い出した。
 「ああ、手元が狂った…」
そう言って、和田はバケツの中身を諒一に掛けた。
今度は、狙いは諒一だけだ。

ザバッ!!


 「ったく…、博人、何をし」

「何をしてくれるんだ?」と言いたかった諒一は、バケツを手にしてる和田と、上掛けを持っている龍三と、着替えてる博人を見て、思い当たった。
溜息付いて、諒一はボヤく。
 「ったく、もっと優しく起こしてくれないかな…」
 「やっと目が覚めましたね。それではラジオ体操を先にしますよ」と、龍三が。
 「は、ラジオ体操?」
キョトンとなった諒一に、今度は和田が言ってくる。
 「体操が終わると、家系史の勉強ですからね」
 「え?それって、私に言ってる?」
 「勿論です」

足音を忍ばせてドアに近付いてる博人に、和田は諒一に向かいながらの体勢で声を掛ける。
 「でも、実際に師事するのは博人様です」
その言葉に、博人の足が止まり振り向く。
 「え、私が?」
 「そうです。どの程度、理解されてるのか知りたいので」
 「ん、やる」
即答だった。
その言葉に驚いたのは、3人共だった。
 「博人の裏切り者っ!1対3だと逃げれないではないかっ」と、諒一が喚く。
 「思ってもみなかった言葉だな…」と、龍三が。
 「まさか、素直に言われるとは…」と、和田が。
その言葉に、博人は即答した。
 「だって、誰かに何かを教えると言うのはしてみたかったんだ」


博人があちら側に付いたので、諒一は逃げる事を諦め、家系史を再度叩き込まれる事になった。
一体、何十年ぶりに家系史を学ぶことだろう。
今度は博人に師事されてるし…。

その後、4人で昼食を共に取り、運よく電話が入った。
急遽、出かける事になった。
 「悪いな」
そう言って、諒一は逃れた気分になった。
だが、博人はこう返してきた。
 「さっきまでので、テスト作っておくからね」
 「いらんっ」


諒一が出掛け、和田と龍三も帰った後、博人は部屋でテスト用紙を作り出した。
友、何をしているのかな。
会いたい、触れたい、友の温もりが良い…。



その頃、友明は長崎に居た。
両親と妻の墓参りだ。
義弟の家には一泊の予定だったので、起きたら午前中の内に長崎に飛んだのだ。
あの時より、時間を掛けて拝んだ。

今回は一人なので気が楽だ。
墓参りをした後、祖母宅へ足を向ける。
この家しか知らないのだ。
今は別の人間が住んでるみたいだ。新しい表札になっている。
福山では無く、「中山」さんだ。
その家を見て、友明は呟く。
 「お婆ちゃん…。私の親戚は、お婆ちゃんだけだ…」

それだけでも、中学生だった私は嬉しかったものだ。


JR駅に向かい当日の宿泊先を決め、そこで泊まる。
一人旅だなんて、初めてだ。
少しだが、ウキウキ気分になってる。
長崎に一泊、広島の福山で二泊した。
お母ちゃんが福山出身だと言ってたのを覚えてたからだ。
大都会ではなく、地方都市だ。
それでも、自分と同じ福山という名なので、何かしら嬉しい気持ちがある。
それに、なにより海の幸が豊富で安くて美味いっ。

そして、大阪に一泊。
道頓堀に行って、グリコマークを見て自取りする。
さすが、西の玄関口と言われる場所だな。

その後、京都に一泊、名古屋で一泊。

1週間を一人で過ごし、東京に戻ってきた。
この1週間で感じた事は数点。
日本は治安が良過ぎる。
それに清潔だし、そこまでしなくても良いだろという気持ちだ。
物価も高ければ安い所もある。
これだと一番困るのは転勤族の人達だな。
いつかは日本に帰国して生活する日々が来るだろう。だけど、こんな高低の差があると、日本では生活できない。

北の方はどうなんだろう。
行ってみたいが、既に滞在期間の予定が三日しか残ってない。


東京の桜が散っているのを見てると、1週間前の花見を思い出す。
 「博人さん…」

マンションに行ってみよう。居なくても、今夜はマンションで寝よう。



最上階にある博人さんの部屋は、ひんやりとしている。
あれから戻って来てないみたいだ。
でも、食い物は買ってきたから、その点は大丈夫だ。

翌日、目覚めると思い出した。
学長の屋敷だ。
長崎土産を手に、学長の屋敷へ向かった。




















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