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二人のピエロ (54)

スーザンはボスに懇願している。
 「お願い、トモ。お願いだから、レンを生き返らせてっ……」

タカが言ってくる。
 「生き返らせると、また同じ事をしてくるぞ」
その言葉に、ボスよりも先にスーザンは返してくる。
 「その様な事はさせないように、きつく言い渡しとくから。だから、お願い…」

サトルも言ってくる。
 「こいつを連れて帰って」
 「でも、まだ契約切れてない…」
 「自分の所で働かせると良いだろ」
 「役に立たないペーペーなんて要らない」
 「スーザン」
 「それでも、ダニーの子供なのよ。それに、以前よりもルックスも良くなって」

その言葉を遮ってサトルは言う。
 「どうしてっ…?どうして、自分の子供だと言わない?」
 「だって、ダニーは子供が欲しいと言って…。それに、私もまだ年齢的には産めたから」
その言葉を聞き、思わず強い口調でサトルは言っていた。
 「まだ分からないのか?どうして私が母子の関係を切ったのか…。
どうして、こいつが孤独を感じているのかを……」
 「サトル?」

サトルは声を荒げて叫んでいる。
 「スーザンが…、スーザンが、そんな感じだからだろっ!
子供とは言え、一人の人間だ。それを自分の手駒として使う。親らしいことは何もせず、周りの人間に任せていた。日本のっ…、あの屋敷には使用人が大勢居たから、任せやすかったのだろう。
私が捻くれもせず恋人と一緒に暮らすようになったのは、父や義兄達が、また使用人達が、私を可愛がって世話をしてくれたからだっ。
なにしろ、私は父親似で外見や国籍は日本人だからな。
それに、こいつ等9人と会ってから変わったんだ。
仲間と呼ぶほどに、最も大切な仲間にな!」

そこまで一気に言っては、深呼吸をして気分を落ち着かせては続けて言う。
 「でも、そいつは違う。
両親が揃っているにも拘らず、相談したくても友人どころか知人も居なかったのではないか?
おそらくは他人との付き合いというものに無関心だったのではないか?
それに……、人を好きになったのは良いが、それから、どんな風にすれば良いのか。それが分からないのではないのか?
そういった事は、自分の経験でしか、ものは言えない。
だけど、そいつは悩み事があっても親にでさえ相談しにくかった。
何故なのか分かるか?
父であるダニエルがバイだという事を知らずに…。自分は男が好きだという事を、その手の恋愛に関する相談事をすれば父親からバカにされると思ったのだろう。言えば良かったのに……。
父親も男が好きな人間だという事が分かっては、相談し易かっただろうに。それに、母親であるスーザンはイケメン男にしか興味を持たないからな。
スーザン、私の言いたい事が分かるか?
もっと簡単に言うと、ダニーもそうだけど、スーザンもそいつに興味を持ってないという事だ!

ダニーは言ってたよ。
 『ジョニーは勤務先の病院で顔に怪我をしては、顔も名も変えた。見違えるほどのナイスガイになっては、スーザン好みのルックスになった』とな。

スーザン。
なぜ自分の子供だと言わない?
そんなにも自分を若く見させて、男の気を惹きたいかっ!
このアバズレがっ!!」

ヨウイチの声が聞こえる。
 「熱くなってるところを申し訳ないが…。
サトル、スーザンは男漁りをする為にパースに来たらしいぞ」
 「へー…、そんな男が、ここに居るんだ?」


すると、途中から意識を取り戻したレンの声が聞こえてくる。
 「僕が知ってるのは、GPボスと、僕の勤務先のボスとオーナーの3人」
サトルは呟く様に言ってる。
 「生き返らせたのか…」

ポールが口を挟んでくる。
 「誰でも、皆、自分が可愛いんだよ」

その言葉に、皆が振り返る。
 「「「 え…… 」」」

ポールは自分が注目の的になって見られてるのも、お構いなく続けて言う。
 「色眼鏡で見てくる人間は嫌いだ。
それでも、力でねじ伏せて自分の事を見ろ、という人間は、もっと嫌いだっ」

レンの声が微かに聞こえてくる。
 「ポール…」
遠い目をしてポールは静かに言ってくる。
 「昔…、私は、ある人に卑怯な手を使っては、その人の身体を奪った。
でも、本当は、その人の気持ちを自分の方に向けて欲しかったんだ。
自分が、どんな人間なのか。どんな人間になりたいのか、それを考え実行する事が優先だ。
レン。好きな人は出来ても、お前のやり方だと皆避ける。
どうして避けられるのか、自分で考えるんだな」
レンは、勇気を出して言った。
 「ポール、僕は君が好きなんだ。君の事が知りたい」
 「私には好きな人が居る」

その場を和やかにしようという気持ちで、ヨウイチはポールの言葉に食いつく様に言う。
 「へー…、ポールの好きな人の事が知りたいな」
溜息を吐いて、ポールは応じる。
 「だから、おしゃべりスズメと言われるんだ」
 「うん、昔っから言われてる。それに良いだろ、教えろよ」
 「そうだな…」
と、考えながらポールはスズメに応じてる。
 「アワビのオイスターソース炒め、中国野菜炒め、鶏肉とカシューナッツ炒め、四川炒飯、春巻きに、オニオンスープとポテトサラダにデザートをサービスして貰おうか」
 「なっ・・!それだと赤字になるではないかっ」

すると、ポールは呟く様に言ってくる。
 「Ich habe Hunger(イッヒ ハーベ フンガー)」
 「へ?」
 「J'ai faim(ジェ ファン)。Ho fame(オ ファーメ)=(イタリア語)」
 「わ、分かったよっ!作れば良いんでしょ、作れば…。ったく、子供みたいな奴だな」

 「ヨウイチ…」
 「なに、ボスも欲しいって?」
 「ポールは、さっき言ってたメニューをあっという間に食べるぞ」
 「えっ?」
ヨウイチはポールの方を振り向くと、ポールはしきりに言ってる。
それは、ドイツ語であるイッヒ ハーベ フンガーから始まり、欧州やら沿海州、挙句の果てにはアラビア圏内やアジア圏内の言葉まで…。
こいつは何十ヶ国語の言葉に長けてるんだ?
こいつの正体って…、何者なんだ?
そう思ったが、延々と続くポールの言葉を遮っては言ってやる。
 「ポール。金払うのなら、さっきの奴全部作ったる」
 「えー…、そんなにも手持ちは無い…」

サトルが口を挟んでくる。
 「スズメ…」
 「なんだ、熱弁は終わりか?」
 「エウ エストゥ コンフォーミ(ポルトガル語)」
 「はあ?」

そこに居た残りも同様に言ってくる。
タカとマサとボスだ。
 「同じく、フィヤ ッジョー(アラビア語)」とタカが。
 「私も、ジェ ファン(フランス語)」とマサだ。
ボスなんて、これだ。
 「エストイ コン アンブレ(スペイン語)」

ヨウイチは一喝してやった。
 「貴様等…、中国語で言えっ!まあ、意味は分かるけどな…」
皆がハモル。
 「「 ホウ トウ ゴーア 」」

それは広東語じゃ…、と言いながらヨウイチは店に戻った。


レンには、どういう意味なのか分からなかった。
 「スーザン、あの人達はなんて言ってるの?」
溜息を吐いて、スーザンは返してくる。
 「ドイツ語やポルトガル語は習ったでしょう?」
 「え?」
 「全部、お腹が空いたという意味よ。まったく…。そういえば、私も食べてなかったな。」
そう言って、スーザンも店に向かった。


スーザンは、あいつ等を知ってるみたいだ。
それに、僕の兄(?)に当たる人は、見事に僕の心境を言い当てた。
誰も、僕の気持ちは分からない。
そう思ってた。
たしかに、他人と接しようだなんて今迄は思いもしなかった。
ポールも色々とあったんだね。
でも、僕にはどうすれば良いのか分からない。
ポールから言われた言葉を思い出していた。

 『自分が、どんな人間なのか。
どんな人間になりたいのか、それを考え実行する事が優先だ。』

今の僕には分からないし難しい。
僕は医者に向いてないのかもしれない。
スーザンがいるから話をしてみよう。














☆∮。・。・★。・。☆・∮。・★・。
そして、生みの母であるスーザンに熱弁を振るうサトル。

学生時代は、ボスの左腕は『クールで澄ましや』のサトルと異名を持っていたのに…
珍しく怒ってますね(-。-;)



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