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TOP二人のピエロ ≫ 二人のピエロ (49)~家紋&家系史~

二人のピエロ (49)~家紋&家系史~

それから5ヶ月後の3月末。
日本から一人のドクターがクリニックに着いた。
脳外の和田先生だ。
 「博人様、ここは気持ちの良い病院ですね。α波を感じます」
 「私はずっと居るので分からないのだが」
 「最低でも7年間はお世話になります。ボスはどちらに?」
 「こっちだ」
博人さんは、脳外のドクター・ワダをボスルームに案内した。


コンコン。
ノックをして、博人はボスルームの扉を開ける。
 「友?脳外のドクターが到着したぞ」
 「ブースに行ってて」
 「何してるんだ?」
 「ん、ちょっとね…。えいっ!」

ブチッ!
何かが切れた音がする。
 「ふう、やっと取れた」
 「何を取ってたんだ?」
これだよ、と言って、友明は取った物を見せた。

それは、綺麗な蒼色で所々に金・銀・黒・赤が挿し色となっている布切れだった。
その布切れは、ボスルームのチェアに張り付いていたのだ。
しかも、その布切れは、あるデザインを描いていた。

だが、それが何なのか分からなかった博人だが、側に居たドクター・ワダは気が付いた。
 「それはっ…」
 「和田、何か知ってるのか?」
 「パトリッシュの家紋となった原型ですよ。博人様はご存知の筈ですが」
 「原型?」
 「そうですよ。パトリッシュの家の歴史をお教えしましたよね?」
 「え…」
和田は溜息を吐いて言ってくる。
 「現在の『御』がドイツに来られた時、どなたが『御』をされてたのか覚えられてますか?」
珍しく、博人は口籠っている。
 「え、え・・、ブ、ブースに」
 「博人様?」
 「ブースはこっちだ」
 「全く、アダム=バーンズ様です。ちゃんと覚えてて下さいね。
ああ、良い事を思い付きました。これからは、歴史と帝王学を再度、指導させて頂きます。
もちろん、エドワール様も一緒にね」
 「和田、こっちだっ」
はいはい。
くすくすっと笑いながら、和田先生は博人様の後を付いて行った。


ボスルームに居たボスは、唖然として持っている布きれを見ていた。
(え…、これが、あそこの家紋の原型?たしか、桜の木に数羽の鳥の模様だった筈)

見ようによっては、蒼空に金・銀・赤・黒が点々としているので鳥に見えない事も無い。



その色には、アダム=バーンズの思いが込められている事を誰も知らない。
その当時は、侯爵だったフォン=パトリッシュ家を、アダム=バーンズは次々とあの隊から脱退してきた者達と手を組んでは、多くの国と同盟を結んで組織化させていった。
そして、自ら『御』と名乗っては、侯爵から抜け出し、財閥へと成長させていったのだ。
なにしろ、あの隊では、多くの国の子供達が大勢居たからだ。
自分達の脱退が成功したのを機に、アダム=バーンズは何かしらの合図をドイツから送った。
自分の家はドイツだけではなく、世界にも知られてる爵位を持った家だったので、容易に連絡を付ける事が出来たのだ。
それは、グズと名乗っていた人物の母親であるイタリア王妃が協力をしてくれたからこその、成り得た事だ。

だから、皆はグズがイタリア王妃の子供であることは知らない。
知ってるのは、あの場に居た3人だけだ。
他の皆は、グズはイタリア人であり異名『殺人魔ダーク』だ、という事だけだ。

皆が皆、それぞれの国に、家に、屋敷に戻りたいが為に、自分達の実家の連絡先をアダム=バーンズに教えていた。
それは密かに、何度も何度も行われていた。
その内、戦場に赴いた先から誰も戻ってこないのを不審に思ったイタリア王は、後を尾けていた。
だが、気が付いた時は遅かった。
ドイツを中心に、スイス、フランス、アメリカ、オーストリア、地中海の沿海州、ポルトガル、中国等々の連中に囲まれてしまっていた。
王を守る筈の衛兵は、両手を上げて降参の意を示したが、反対に王に殺されてしまった。
そして、王にくっ付いて来ていた残りの隊員は自分達の国に、家に戻ってはドイツのフォン=パトリッシュと手を結び、後の医療界における絶大な力を持つ財閥へとなっていったのだ。


いくら歴史を子孫に教えようとしても無理な事。
そんな事を後世に残そうとは思いもしないが、アダムは覚書として手記に認めていた。
だが、これだけは残したい。伝えたい、という強い思いはある。
それだけで良い。
だから、これだけは伝えて欲しい。

『我々4人は永遠に仲間だ。
どんなに遠く離れていても・・・
もう会うことは無くても・・・
共に苦しみ耐えてきた、あの数年を忘れはしない。』

蒼は、宝石(いし)の色。
金は、アダム=バーンズの金髪。
銀は、イタリア王子であるユタカの銀髪。
赤は、アメリカに帰国したウォルターの赤髪。
黒は、中国に帰国した林の黒髪。

点々と4ヶ所に色は付いてるが、それは地図だった。
後で、その位置を知ったアダム=バーンズは自分のノートに書き留めた。
得意のロシア語で、自分が何処に居て何をしていたのか。
また、アレとの出会いに、別れに。そして、アレが、ある女性の胸元に収まってる事に。
キーワードは音楽である、という事も。
その他にも、自分の仲間の居場所に、同盟を結んだ多くの国々に、多くの家。
それは、まるで世界地図の様だった。

現在のフォン=パトリッシュの家紋は、初代の『御』であるアダムの意思を汲み取り、それに桜の木を付けては、家紋を公表したのである。



そして、そのロシア語を得意とする孫が、つい最近、それを知った。
そのノートは日本の東京にあり、そのノートを探し当てた持ち主はロシア語が分からない為、孫に見せたのがきっかけだった。だから、孫はその日本人が放心状態になっているのを目にして、そのノートを密かにパースへと持ち帰ったのだ。
彼は、現在の『御』の孫ではなく、初代『御』であるアダム=バーンズ直系の孫だ。
なにしろ、現在の『御』はアダム=バーンズの次代として日本から来たのだから。
いつの日か、現在の『御』は、孫に話す時が来るのだろうか。
子供も孫も皆が皆、初代の子供であり孫である、と・・・。


それでも、ロシア語を得意とする孫は、自分の正確な出自を知ることが出来た。しかし、それで悩むことは無かった。むしろ、今迄悩んでた事柄が全て分かったのだ。
だが、その孫は、他の従兄弟達には話さなかった。
それは、既に皆が各々の所で基盤を築いてるからだ。
エドはスペシャルとGPのボスとして。
諒一は日本の大学で。
中国名では喬嗣だけど、日本名では矜持という字だと。そして、彼の出自等の事は、そのノートを読んで初めて知った。
アンソニーも、ポールという名に変えてリスタートしてる。

マルクもそうだが、亡き母や叔母達も、初代の子供だと知った。


フォン=パトリッシュとは一切の血を継いで無い人間が選ばれて『御』になってる。
どうしてマルクではなく、私を次代の『御』にしようとしたのか。
その真意が分かった。
だが、敢えて言わせて貰う。
 「お爺…、正確に言うと、私の父の弟か。自分で選んだ道は、自分の手で終わらせるというやり方は正論だ。私は死んでも、お前を叔父だとは言わないからな」

死ぬまで、『御』であるんだな。
そうか、私のお爺様は初代の方か…。

初代『御』、アラン=バーンズ・フォン=パトリッシュ。
和田に聞くと、何か教えてくれるかな。


あ、クソ爺に連絡入れてやるか。
フランツと恋仲だという事も、その他にも私は全てを知ってる、とな。
フランツに聞くのも手だな。
初代について知ってる事を教えろ、と命を下してやる。
























☆∮。・。・★。・。☆・∮。・★・。
遂に、自分の出自を知った博人。

それは、東京の和菓子屋で起きた騒動に、手渡されたノートをパースに持って戻って来たからだ。
ドイツが本宅である、医療機関に絶大なる力を持つ財閥、フォン=パトリッシュ。
その過去を…知った。
初代『御』の孫だと知った博人は、それを逆手に取ってお爺様に何かをしようと企んでるのか?
(⌒▽⌒)アハハ!


ほんとに、おちゃめな奴めww



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